対馬の西南端に豆酘(つつ)という集落がある。豆酘は人口2,500人の小さな集落であるが、対馬の島内では比較的人口の多い地区である。老齢化が進んでいるが、主な産業は漁業の他に、林業やみかんの栽培がある。
三方が山に囲まれ、一方が海に面しているため、昔は交通手段は海路だったようだ。南が海のため対馬の中では非常に温暖で、みかんの栽培が盛んである。豆酘みかんは島内だけでなく九州本島にも出荷されている。
豆酘の診療所にはいづはら病院から定期的な出張診療が行われている。眼科は月1回の診療を行っている。手持ちスリットを持っていくだけの診療なので詳しい検査はできない。それでも、専門外来ということで患者さんは結構多い。
その豆酘から岬の方へ足を延ばすと、眼下に壮大な景観が迫ってくる。豆酘崎は本当に何とも言えない雄大な海岸である。11月という季節が豆酘にはよく似合う。豆酘みかんが実もたわわになるこの季節は実に美しい。あと、初夏の頃の季節も好きだ。新緑が萌える景色は海の景観と非常によくマッチする。
この豆酘崎の光景は、朝鮮海峡に接する対馬の姿をよく表しているとも言える。
私は、この風、この匂い、この景色が好きだ。
豆酘崎海岸 |