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  平成21年6月定例県議会を振り返って

 


 平成21年6月定例県議会は、6月5日から6月23日までの19日間の会期をもって招集されました。
 定例会に先立ち、5月20日には臨時議会が開かれ、正副議長の改選が行われました。議長には自民党県議団の今林久議員(福岡市東区選出)が、副議長には自民党県議団の井本邦彦議員(太宰府市選出)が、それぞれ就任いたしました。

5月29日、麻生内閣と自民・公明両与党の努力により、「経済危機対策」に係る国の第1次補正予算が成立いたしました。本県では、平成20年度2月補正予算と平成21年度当初予算を一体とした、「14ヶ月予算」を編成し、切れ目なく重点的に雇用・経済対策に取り組んでおります。しかし、本県の雇用・経済情勢は依然として厳しく、麻生知事は、さらに強力に雇用の創出と地域経済活性化を進める必要があるとして、国の補正予算を活用した総額672億円余の補正予算を編成いたしました。6月議会には、この一般会計補正予算案をはじめ、介護施設や社会福祉施設のスプリンクラー整備等を推進するための基金設置条例案など、24の議案が提案されました。
 

     
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 本格的な論戦は6月11日の、我が自民党県議団の代表質問から始まりました。今議会には、例年であれば提案されることのない異例の補正予算議案が提案されました。自民党県議団は、県としての迅速な対応を評価しつつ、補正予算編成の基本的考え方と今後の景気動向について麻生知事に質しました。これに対し知事は、「本県経済は、生産に持ち直しの兆しが見られるものの、消費の低迷や雇用情勢の悪化など、依然として厳しい状況が続いている。今後、回復基調に転換していくためには、積極的な公共投資による需要の創出、介護や子育て支援による福祉の充実、中小企業への金融支援、雇用の確保などの広範囲な施策を協力かつ迅速に実施する必要があると考え、国の補正予算を活用して予算を編成した。」との答弁を行いました。

 麻生知事は、全国知事会長に無投票で三選されました。福岡県民として、誠に喜ばしいことであります。自民党県議団は、三選目の抱負を県民にしっかりと披瀝するよう求めました。これに対し麻生知事は、「地方への権限・税財源の一体的な移譲、国の義務付け・枠付けの廃止・縮小など、第2期地方分権改革の完遂に全力を挙げる。国直轄事業制度の見直しに取り組み、不適切な地方負担をなくし、最終的には負担金制度の廃止につなげる。さらに、医療、福祉、教育、警察等住民生活に必須の行政サービスに必要な、安定的財源を確保するため、地方消費税の引き上げを含む、税制の見直しに積極的に取り組む。」との決意を明らかにしました。

 次に自民党は、県職員の夏のボーナスカット問題を取り上げました。政府は、人事院の臨時勧告を受け、国家公務員の期末・勤勉手当を勧告通り一部凍結することとしました。地方公共団体も、都道府県の7割に当たる34都道府県、市町村の9割に当たる1,612市町村がボーナス削減をすると聞いておりますが、本県は人事委員会の勧告が行われなかったことを理由に、ボーナスカットを見送りました。国が特例措置を講じたのは、民間の厳しい状況を反映するほか、12月期のボーナスで1年分を清算すると、大きな減額となる心配があるためであります。自民党は、麻生知事に対し、12月期でのボーナスカットの実施について質しました。知事は、「夏季一時金の決定を行っている県内企業が少なく、県内企業の全体的な状況が把握できない。人事委員会が精確に調査した上で秋に行う勧告を踏まえ、6月期分を含めた年間分を12月期で一括して調整する。職員には、その旨をあらかじめ周知する。」との考えを示しました。

 この春、人事院に送られてきた1通のメールから、農林水産省でヤミ専従という、職員の違法な就労形態が横行していることが明らかになりました。地方公共団体におけるヤミ専従とは、職員が地方公務員法に定められた任命権者の許可を受けることなく、職員団体の業務に専ら従事する行為であり、職務専念義務が課せられている地方公務員法に違反する行為であります。自民党県議団は、本県においてはヤミ専従などの不当な就労実態はないのか、麻生知事に質しました。知事は、「職員が組合活動を行う場合は、職務専念義務免除や年次休暇取得等の手続きがなされている。各所属長に対して服務の適正な管理を指導しており、職員の日常的な勤務状況は把握されていることから、本県ではヤミ専従の実態はないと認識している。」との答弁を行いました。さらに自民党は、麻生知事が平成19年の知事選挙を契機に、不正常な労使関係の原因になりやすい職場協定の締結を控えるよう指示を出したことを指摘し、現在は職場協定は締結されていないのか、また、職員定数とその配置など管理運営事項については職員団体との交渉事項ではないと考えられるが、知事の考えを質しました。麻生知事は、「従前に締結していた職場協定書については、管理運営事項はすべて無効である旨の通知を発出しており、勤務条件に限定した内容で締結しようとする場合は、人事課が不適正な内容がないか確認を行っている。少数精鋭の新しい県庁づくりを行っていくためには、新しい労使関係が必要であり、従来の労使慣行全般にわたり見直している。労使交渉についても、平成19年度から、定数配置など管理運営事項については交渉の対象としていない。」との答弁を行いました。

 次に自民党は、「地域づくり」について取り上げました。平成20年5月の地方分権改革推進委員会第1次勧告〜生活者の視点に立つ地方政府の確立〜では、広域自治体としての都道府県と、基礎自治体としての市町村の役割を明確に分け、住民に身近な行政は、できる限り、より住民に身近な地方自治体である市町村が担うことが望ましいとしております。こういった観点からも、基礎自治体である市町村における地域づくりは重要な課題です。自民党は、地域は諸施策の根底でもあり、分権社会を支える基盤は地域にあるとの前提で、「地域」や「地域力」なるものをどのようにして育成していく考えであるのか、知事に質しました。これに対し麻生知事は、「福祉、教育、青少年育成などの政策目的に応じて、校区、自治会、市町村など様々な単位で地域づくりに取り組んでいる。最近は、市町村域を超えた広域的観点からの地域振興が重要となっており、地域ごとの特性に応じ、地域資源を活かしながら、市町村やNPO等と一体となって、生活の質の高いネットワーク型の都市圏づくりを進めている。」との答弁を行いました。

 麻生知事は、昨年12月の我が自民党県議団の質問に対し、「水田農業が持続的に発展していくために、認定農業者と法人化された生産組織などが、水田農業の6割の農作業を担う生産構造を目指す。」との答弁を行いました。平成19年の水田経営所得安定対策の導入に伴い、本県でも、約1,200の認定農業者、約500の集落営農組織が対策に取り組みました。しかし、集落営農組織については、組織化を急いだため、会計事務に精通した人材確保の遅れなどから永続性のある組織とはなっていないものもあり、様々な問題に直面しております。自民党は、今こそ、水田農業の構造改革を図るため、集落営農組織が永続性のある組織となるような取り組みを加速すべきであると指摘し、麻生知事に対し、現在、集落営農組織が抱えている課題と法人化への取組状況を質しました。知事は、「461組織のうち377組織が法人化に至ってない。これらの3割でリーダーや作業を行うオペレーターが明確でなく、会計責任者の育成も約6割に留まっている。担い手・産地育成総合支援協議会の活動を強化し、各組織の人材育成と経営改善を進めていく。」との考えを示しました。

 次に自民党は、教育問題を取り上げました。新しい学習指導要領の最大の特長は、授業時数が大幅に増えることであります。文部科学省は、本年4月から先行実施を指示または促している状況ですが、これは、ゆとり教育と言われてきた現行の学習指導要領が失敗だったからであります。国のゆとり教育をそのまま実行した本県では、学力・体力調査の結果が非常に悪いという結果を引き起こしていることも、このことを裏付けていると言えます。自民党は、ゆとり教育の弊害について早くから指摘してきており、今回の改訂は一定の評価をしております。自民党は、新しい学習指導要領をどう評価し、どのように実行に移していくのか、森山教育長の見解を求めました。これに対し教育長は、「書いていないようには、基礎・基本や応用力を身につけさせるための授業時数の確保や、伝統・文化・道徳教育の充実が盛り込まれており、確かな学力・豊かな人間性・健康・体力をバランスよく育むことができる。新しい学習指導要領の周知徹底に勤め、着実に実施していく。」との考えを示しました。
 新学習指導要領が効果を挙げるためには、教員の資質向上が図られなければなりません。次代の日本を担う子供たちを育成するために、教員の資質をどのように向上させようとしているのか、教師としての資質・能力に欠ける人物を選んでしまう現行の採用試験については、基本的にそのあり方を見直すべきではないのか、教育長に質しました。森山教育長は、「教員相互の評価を取り入れた授業研究や課題に応じた研修の充実、優れた学習指導案の収集と提供、教員の能力が発揮できる学校運営体制の充実に努める。教員採用試験については、これまでも集団面接や民間人面接員の導入などを行ってきたが、教員生活の過程で、学習指導や学級経営などに課題を有するものも出てきている。今年度の採用試験においても、模擬授業の見直しなどを行っているが、今後も、不断の点検に努め、優秀な教員の採用に努める。」との答弁を行いました。

 メキシコ、アメリカに始まって、あっという間に全世界に広がり、WHOがついにフェーズ6まで警戒レベルを引き上げた新型インフルエンザは、今日、世界各国に大きな不安をもたらしています。我が県においても、福岡市内の小中学生に集団感染が発生し、その後、県内各地で感染が広がっております。現段階のウィルスは比較的弱毒性でありますが、これから冬に向けて、高い死亡率を出すものに変異する可能性も考えられます。自民党は、社会的対応、医療体制の整備、ワクチンの確保など、今回の経験を活かして冬のインフルエンザ流行期までにやっておかなければいけないことについて、現状説明と併せ知事の対応方針を質しました。麻生知事は、「専用外来における振り分けや入院の場合の医療体制について点検し、県医師会等と連携を図りつつ整備していく。タミフルや防護具は追加して備蓄する。ワクチンについては、国において製造準備が進められている。基幹的な社会機能を維持するための対策も検討していく。」との考えを明らかにいたしました。

 6月15日から17日までは一般質問が行われ、18日には各常任委員会において付託議案等の審議が行われました。
 最終日(6月23日)の本会議においては、監査委員および教育委員の人事案件が追加提案され、各常任委員長より審議結果の報告を受けた後、採決を行い、
全ての議案を原案通り可決いたしました。
また、現行の「過疎地域自立促進特別措置法」が平成22年3月末で失効することを受け、平成22年度を初年度とする新たな過疎対策法の制定などを内容とする「新たな過疎対策法の制定に関する意見書」を採択いたしました。

 私、藤田陽三は、このたび自民党福岡県連の幹事長に選任されました。衆議院議員の総選挙は確実に近づいてきております。私は、自民党を支援して下さる皆様方の御力をいただきながら、総選挙における勝利を目指して全力で戦って参る覚悟でございます。さらに、私は筑紫野市民の皆様から選出していただいた県議会議員として、重要な政策課題に真正面から取り組み、ふるさと筑紫野市のため、福岡県のために努力・邁進して参ることをお誓い申し上げます。どうか、今後とも藤田陽三に温かい御支援、御鞭撻を賜りますよう、心よりお願い申し上げます。

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