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  平成21年2月定例県議会を振り返って

 


 平成21年2月定例県議会は2月24日に招集され、同日の本会議で、3月26日までの31日間の会期を定めました。

 今議会には、平成21年度一般会計当初予算案などの予算議案20件、青少年健全育成条例の一部を改正する条例などの条例議案24件等、合計55件の重要案件が提案されました。
 麻生知事は、議会冒頭の提案理由説明において、「世界は、米国を震源地とする百年に一度といわれる経済危機に見舞われており、契機の底が未だ見えない厳しい状況。日本経済も大きな打撃を受け、GDPが年率12.7%のマイナスとなり、戦後最悪の不況に突入している。」と危機感を示した上で、「雇用は、生活の最も大切な基礎。共助の精神で、雇用を守るために全力を挙げる。我々地方には、実践力や大きな独創力がある。福岡県の地域力を大いに高め、日本の創造拠点として、高い気概を持ち県政運営に邁進する。」との所信を表明いたしました。

 今議会に提案されました平成21年度当初予算は、一般会計で1兆5,892億4百万円余となっており、昨年度と比べ約543億円、3.5%の大幅な増加であります。
 今回の予算は、2月9日に議決いたしました総額389億円余の平成20年度2月補正予算と一体となった、いわゆる14ヶ月予算として、急速に悪化した景気・雇用情勢に対応するための雇用創出・地域経済活性化対策を、切れ目なく重点的に実施しようとする狙いを持った予算であります。
 歳入面では、全国的な税の偏在是正のために創設された地方法人特別税の影響を除く実質的県税等収入が、平成20年度当初予算と比べ596億円の減となっております。景気の悪化に伴って、法人事業税など殆どすべての税目で減収を見込まざるを得ない状況です。これに対し地方交付税等は、麻生総理の「地方重視」の方針に基づき、地方財政計画に1兆円の増額が行われたことなどにより、交付税が146億円の増、交付税の振替である臨時財政対策債が524億円の増と見込んでおります。
 歳出面を14ヶ月予算として見てみますと、中小企業向け融資費を約500億円増額して4,700億円の融資枠を確保したことなどにより、行政施策費は前年度に比べ626億円、33.5%の増、県単独公共事業費も、景気浮揚のため県立学校の耐震工事や道路整備工事等を重点実施することとして77億円、8.0%の増となっており、近年にない「積極型予算」となっております。
 一方で、人件費は正規職員数を620名削減するなどの措置により33億円の減となりましたが、生活保護費や後期高齢者医療費などの社会保障費が66億円、公債費が38億円の増となりました。
 この結果、平成20年度より圧縮した努力は見えますが、依然として124億円の財源不足が生じる見込みであり、これに対しては財政調整基金等三基金からの繰り入れを行って収支均衡を図ることとしております。

 本格的な論戦は3月3日の、我が自民党県議団(以下、自民党と言います。)の代表質問から始まりました。 
 自民党は、まず、福岡空港の対応策について、緊急、喫緊の課題であり、地域の発展のためにも決定を先延ばしすべきではないとの見解を示し、麻生知事に対し、いつ、どのような形で意見表明を行うのかについて質しました。これに対し知事は、「各界各層のご意見を踏まえ、総合的観点から、地元としての意見を今議会中に表明したい。」との考えを明らかにしました。

   

 3月4日、自民党・公明党は予算関連法案を再可決し、これにより、ようやく総額2兆円の定額給付金を国民の皆様へ交付できるようになりました。自民党は、欧米や韓国での実施例を引きながら、現在の厳しい経済情勢を考えると定額給付金は時宜にかなった適切な政策であり、本県がこれを契機として商店街の活性化を図るため、プレミアム付商品券の発行を支援することを評価するとの見解を示しました。その上で、県はどの程度の団体が取り組むと想定しているのか、また、想定を超えた場合はどのように対応するのかについて質しました。麻生知事は、「地域内需要を喚起し、商店街を活性化させることが重要。現在、約70の商工会議所等が発行を検討しており、さらに広がってくるものと期待している。発行団体数等が想定を超えた場合は、予算などについて適切に対応する。」との考えを明らかにしました。

 九州新幹線鹿児島ルートは、平成22年度末の開業を目指して軌道や駅舎の建設が進んでおります。先般の報道によれば、国から沿線各県に対し790億円余の建設費用の増加と、これに伴う地方自治体の負担金の増額について打診があったとのことであります。本県では、平成21年度当初予算に増額部分は計上されておりません。自民党は、麻生知事が金子国土交通大臣に対して行った要請の内容を明らかにするよう求めるとともに、沿線各県の県民が首を長くして待っている新幹線開業が遅れることがないよう、知事の決意を質しました。麻生知事は、「一つの方法として、鉄道運輸機構が将来の新幹線の貸付による収入を原資として借り入れを立て、工事費の増加分に充てることによって地方の負担を軽減するという新しい枠組みを検討してもらいたいという要望をした。全線開業は我々の大きな目標であり、九州全体の景気浮揚に寄与するものであるので、平成23年春の全線開業に向けて全力を挙げて取り組む。」との決意を示しました。

   
  博多駅(平成20年12月10日) 久留米駅(平成20年12月3日)  
   
  那珂川トンネル(平成20年12月1日) 新大牟田駅(平成20年12月1日)  

 米国のサブプライムローン問題に端を発する金融市場の混乱が、我が国の実体経済にこれほど大きな打撃を与えるとは想像さえできませんでした。本県でも、自動車関連産業を筆頭に、大幅な生産縮小、派遣職員の大量解雇などが繰り返されています。自民党は、本県経済や景気・雇用の今後の見通しについてどう考えているのか、知事に質しました。これに対し麻生知事は、「世界経済の急速な悪化が本県にも及んでいる。急激な輸出不振に対応した激しい在庫調整のための減産が行われているが、これは進展の兆しを見せている。しかし、依然として株価の低迷、輸出不振、国内消費の不振が続いており、景気・雇用の悪化はさらに進むと考えざるを得ないと思っている。」との答弁を行い、さらに、本県の雇用創出・地域経済活性化対策は、中小企業の経営安定や雇用の安定に資するとの見解を示した上で、「日本経済は激しい不況局面に突入しており、我々県だけの努力では対応できなくなるという事態に陥りつつある。このため、国において追加的・総合的な経済対策を速やかに検討すべきである。」との考えを明らかにしました。
 
 次に自民党は、平成20年度の税収見込みと、税収減に対応するための減収補填債の発行見込みを明らかにするよう求めました。知事は、「急速な景気後退の影響を受け、法人二税が当初見込みを210億円程度下回る。その他ほとんど全ての税目で減収になると見込んでおり、県税全体では330億円程度下回ると考えている。このため、減収補填債は当初予算を約200億円上回る300億円程度となる。」との答弁を行いました。この結果、本県では、19、20年度と連続で300億円規模の県税の減額補正を行うこととなります。自民党は、平成21年度の県税収入の確保に向けた知事の考えを質しました。麻生知事は、「県内市町村と連携した対策を強化するなど、税収確保を強く進める。同時に、何と言っても雇用・地域活性化施策の推進による税源涵養が大事であり、これを積極的に推進する。」との答弁を行いました。
 
 平成19年度に策定された「新財政構造改革プラン」の具体的な目標は、「平成22年度には県債残高を減少に転換させる」であります。しかし、県債残高は来年度末で2兆7,448億円に達する見込みであり、財政調整基金等三基金の残高も約232億円にまで減少します。自民党は、もはや現プランの目標達成は不可能であり、新たなプランを策定すべきではないかと麻生知事に質しました。これに対し知事は、「景気の急激な後退に伴い、地方税収や交付税原資となる国税5税の収入が大幅に落ち込む予測であり、臨時財政対策債によって地方の財源不足に対応せざるを得ない状況が当面続くと見込まざるを得ない。また、公共事業を含む機動的な財政出動のための財源としても、県債の活用を考えていかざるを得ない。現在の経済状況、債務状況を考えると、県債残高を平成22年度にピークアウトさせるという目標は、実態的には非常に難しくなっている。プランは財政面に加えて行政改革も進めており、人件費の削減や事務事業の見直しなどの行革は引き続き取り組む。現在の世界経済、日本経済、本県の経済状況は、見通し難い混乱した状況にあり、現段階で収支見通しを見直して、新たなプランを策定することは難しい。もう少し先が見えるような時点で、この件を本格的に検討したい。」との考えを明らかにしました。
 また、自民党が累増する県債の管理と公債費の償還についての中長期的な基本方針について質したのに対し、麻生知事は、「県債の償還については、将来の償還のための積み立てを確実に行っている。また、県債残高のうち約55%は、交付税などによって償還財源が補てんされるものであり、国の財政状況も厳しいが、これが確実に履行されることが非常に重要。県債の償還のみならず、増大する社会保障費に対応し、中長期的に安定した財政運営を行うためには、税財源の基盤を強くしていくことが必要。このため、産業振興による税源の涵養とともに、偏在性が少なく安定した税である地方消費税を引き上げて地方税財源の充実を図ることが重要である。」との答弁を行いました。

 世界的不況を受けて、現在、最も深刻な社会問題は雇用不安であります。本県の年12月時点での有効求人倍率は0.53倍で、前年同月比で0.18ポイントも下がり、自動車や半導体などの製造業を中心に、派遣社員の雇い止めや契約解除が相次いでいます。自民党は、現下の厳しい雇用情勢の中、派遣労働を含む雇用のあり方について、麻生知事の認識を質しました。知事は、「雇用は、勤労者の皆さんはもちろん、家族の皆さんの生活を支える最も大切なもの。企業は、その社会的責任として、雇用の維持に全力を挙げて努力しなければならないと考えている。一方で、生活条件に応じて多様な働き方がで社会をつくっていく必要があり、就業形態に関係なく同一労働同一待遇という雇用体系をつくることが重要。昨今の、派遣労働者の雇い止めや契約解除が起こっている状況を踏まえれば、勤労者に支払われる雇用保険の対象範囲や事業主に支払われる雇用調整交付金の内容の拡大など、セーフティネットの更なる充実を図らなければならない。」との見解を示しました。
 県の「緊急雇用対策本部」では、再就職重点分野として医療・福祉・介護や農業などを挙げて取り組んでいますが、安定的な雇用創出のためには商工分野が最も可能性を秘めており、特に雇用の7割を占める中小企業振興と活性化に活路を求めるべきであります。自民党は、県民が心を一つにできる、わかりやすい旗を立てて、全庁を挙げて取り組むべきではないかとの考えを示し、麻生知事の所信を質しました。知事は、「中小企業の資金繰り対策について、政策的な融資枠を大幅に拡大し、円滑な資金調達ができるよう関係の皆さんと一体となって進めている。さらに、経営革新・技術革新や今日大幅に伸びているインターネット通販への参入拡大、商品・包装のデザイン開発、中小企業と農林漁業者の共同による特産品開発、商店街の振興などに取り組む。本県の雇用の7割は中小企業によって支えられており、中小企業対策は同時に雇用対策である。全庁をあげて中小企業支援を進めていく。」との決意を表明いたしました。
 
 政府は、米の生産調整や自給率向上など農政の重要課題について、今春にも基本的な方向性を打ち出すこととしております。自民党県議団は、生産調整について、これまでも維持を求めてきており、これからも確実な実施を訴えていく考えであることを表明したうえで、全国知事会長でもある麻生知事の見解を質しました。これに対し知事は、「土地利用型農業の担い手が、将来への展望を持って営農を続けていくためには、米の価格安定が重要。やはり、生産調整の果たす役割は非常に大きいと考えている。生産調整を確実に実施していくためには、麦・大豆をはじめとする転作作物に対する助成金など、参加のメリット措置を充実させていく必要がある。」との答弁を行いました。
 また、政府・与党は平成21年度を「水田フル活用」への転換元年と位置づけ、食料自給率向上に向けた予算措置を行っています。食料自給率が低いと叫ばれる中で、国全体の自給率向上を図るには、地方からまず動くべきであって、本県としても何をすべきなのか、自民党は知事の所見を質しました。麻生知事は、「本県の自給率は、生産額ベースで51%。これをさらに向上させるために、収益性の高い園芸農業を振興するとともに、土地利用型農業では担い手への農作業の集約化によって生産の効率化を図る。また、水田を活用した飼料用米の生産拡大、新品種・新技術の開発、ブランド化を進める。大きな成果を挙げている直売所を活用した地産地消の推進により、県産農作物の消費拡大を図る。」との方針を明らかにしました。

 教育問題について、自民党は子供たちの体力問題を取り上げました。昨年実施された「全国体力・運動能力・運動習慣等調査」では、我が県は8種目の実技テストのほとんどで、小・中学生ともに全国平均を下回っており、全国学力テストも全国平均を下回っていることに加えて、誠に嘆かわしいことであります。我々は、これまで幾度となく子供たちの体力低下を心配して、教育長をただしてきたところでありますが、今回のテストの結果は得心がいかず、また、県民の皆様にも不安を抱かせるものであります。本県の子供たちの体力低下の原因は何なのか、自民党は森山教育長に答弁を求めました。教育長は、「今回のテストの結果は大変憂慮すべきものであり、重く受け止めている。本県では、日常の運動習慣や朝食の摂取状況がいずれも全国平均を下回るとともに、各学校における継続的な体力向上の取り組みが低調であることが原因と考えている。」との見解を示しました。さらに、自民党が今後の体力向上方策をただしたのに対しては、「今年度中に体力向上指導資料を全小学校に配布、来年度は体力向上プランを全学校で作成する。また、全国調査への参加についても全ての学校に実施計画を策定させ、参加率100%を目指す。」との答弁を行いました。

 本県では、拳銃発砲事件や暴力団同士の抗争事件が、今なお絶えることなく発生しています。この背景には、いわゆる指定暴力団が県内に全国最多の5団体も存在するという事情もありましょうが、インターネット上で本県が「暴力団先進県」とか「ヤクザの楽園」などと揶揄されるという状況は到底看過できることではありません。もちろん、行政も住民も手を拱いて、こうした状況を放置しているわけではありませんが、各種の対策も今ひとつ決定打に欠けるようです。自民党は麻生知事に対し、県行政のトップとして今後の暴力団対策への決意を質しました。これに対し知事は、「暴力団対策は、まずは警察による徹底した取締りが重要であり、警察官の増員や装備の充実など警察力の強化に努めてきた。並行して、行政、事業者、住民が一体となって警察と連携協力し、社会から暴力団を排除追放する活動に大きな力を注いでいる。今後、暴力団の活動を徹底的に封じ、壊滅に追い込んでいくには、一層強力に警察が摘発を行えるよう、法的手段の強化が必要であり、このための条例の制定を検討している。」との考えを明らかにしました。さらに自民党は、暴力団対策を講じる上での現状の問題点とともに、いわば「福岡モデル」的な対策が考えられないかという点について田中警察本部長に質しました。これに対し本部長は、「暴力団が組織防衛や犯罪の証拠隠滅を徹底しており、組織中枢に打撃を与える摘発が不十分。いまだに暴力団を利用したり、資金を提供している事業者等が存在している。」という問題点を挙げるとともに、「暴力団の取締りを一層強化するため、この春から北九州地区の捜査体制を一新し、135人体制の特別捜査室を設置した。さらに、暴力団に加担する事業者や暴力団の反社会的活動に対する規制などについて、新たな条例の検討を進めたい。」との答弁を行いました。

 自民党は、昨年の2月議会において、コンベンションの振興とコンベンション向け大型施設の建設を提案しました。アジアの交流拠点として成長を続ける本県にとって、国際コンベンション施設の整備は都市戦略上不可欠であるという共通認識の上に立ち、県においては専門家による研究会が立ち上げられております。コンベンションの振興は、日本が経済大国として維持・発展していく上で大変重要なものであり、拠点となる大型施設の整備は国家的視点で取り組むに相応しいプロジェクトであります。このプロジェクトの実現に向けては、九州国立博物館誘致の例にならい、九州各県の理解と支援も得て推進していくことが大切です。自民党は、麻生知事の抱負と見解を質しました。これに対し知事は、「見本市、国際会議などの大規模コンベンションは、大きな経済波及効果はもちろん、経済、学術、文化の振興に大きな貢献をする。九州国立博物館誘致の経験を踏まえ、国家的視野に立った、国による施設整備の必要性や、本県がアジアの交流拠点としてコンベンションに最も適した地域であるということを、議会の皆さんと一体となって国に訴え、このような施設の整備を国に提案してまいりたい。」との考えを明らかにしました。

 3月4日の代表質問最終日には、一般会計において119億7,000万円余を減額補正するなどの第2次2月補正予算案をはじめとする28件の議案が追加提案されました。補正予算においては、平成20年度の県税収入が、経済情勢の急激な悪化を反映して、当初予算を329億円余り下回る見込であることから、代わるべき財源として地方交付税及の振替措置である減収補てん債などを計上することとしております。また、歳出では、国の第2次補正予算関連分として障害者自立支援対策臨時特例基金や地域活性化・生活対策臨時基金、消費者行政活性化基金の積立金を計上いたしております。
 この補正予算案など、早期議決を要する案件につきましては、3月5日から10日まで行われた一般質問の後、3月11日に所管の各常任委員会において審議され、翌12日の本会議において全議案が可決されました。

 3月10日には、31名の委員から成る予算特別委員会が設置され、3月13日から本格的な審議に入りました。同委員会では、歳入・歳出の各項目について論戦が展開され、平成21年度当初予算における県税収入見込額が平成20年度当初予算を600億円近くも下回るという状況を受け、県税収入の確保やふるさと寄付金の確保に向けた努力を強く求める意見が相次ぎました。また、三位一体の改革に伴って地方交付税が約6兆円も削減されたことが地方財政に打撃を与え、公共事業の削減が地方経済の疲弊をもたらしたのではないかとの意見も出されました。さらに、景気浮揚のため県単独公共事業を重点実施することに伴い、財源として県債を活用せざるを得ないという点については理解を示しつつも、県債残高の増嵩と、これに伴う公債費の増加に対して不安を抱いているとの意見も出されました。これに対し執行部からは、「平成21年度からは4ヶ所の県税事務所に個人住民税対策の特別対策班を設置するとともに、両政令市とも共同で滞納整理を実施するなど、県税収入の確保に全力を挙げる。平成21年度は、通常ルールとは別枠で1兆円の交付税増額が実現したが、地方財政安定のためには未だ不十分。今後とも交付税の増額を強く求めるとともに、偏在性の少ない安定した税である地方消費税の引き上げなど税制面での充実も目指す。将来の県債償還のための積み立ては確実に行っており、その残高は平成21年度末で約1,450億円となる。また、県債残高の約55%は交付税等によって償還財源が補てんされる。」などの答弁が行われました。
 予算特別委員会は、3月24日に知事に対する保留質疑を行った後、採決を行い、賛成多数をもって付託された全議案を可決いたしました。

 3月26日には本会議が開かれ、各常任委員長及び予算特別委員長の報告を受けた後、採決を行い、平成21年度一般会計予算を含む55議案全てを可決いたしました。また、知事より副知事や監査委員などの人事案件が追加提案され、これらについても賛成多数をもって可決いたしました。副知事については、総務省から出向していた武居丈二氏の退任に伴って、後任に山崎建典総務部長を任ずるというものであり、これで本県の副知事は3名とも地元出身者となります。福岡県の事情に精通した3名の副知事が互いに協力して麻生知事を支え、県政推進のために大いに力を尽くしていただくことを期待する次第です。
 議案の採決終了後、麻生知事より、福岡空港問題について発言の申し出がありました。福岡空港は、年間利用者数約1,730万人、貨物取扱量約26万トンと国内第4位の空港であり、主要地域拠点空港として、そして我が国を代表する空の玄関空港として重要な役割を果たしています。しかし、福岡空港の滑走路は2,800m一本のみであり、年間発着回数が14万回に達した今日、急速に容量限界に近付いています。平成5年には、福岡県、福岡市、地元経済界が一体となった「福岡空港将来構想検討委員会」を立ち上げて、地元としての取り組みを続けた結果、平成14年12月には国から調査空港として位置づけられ、空港としては我が国初のパブリックインボルブメントという手法による4段階にわたる調査が実施されました。その最終段階において、新滑走路の南端部分を嵩上げし、年間18.3万回の発着回数を持つ滑走路増設の改良案が提起されました。この案による事業費は約2,000億円で、新空港案の約9,200億円に比べ格段に安価であり、所要工期も短いものであります。また、8,000人を超える県民の皆様からの意見も寄せられ、そのうち、4,293件は増設に積極的な意見でありました。このような状況や、アジアとともに発展する福岡の未来を考えた上で、麻生知事は、「福岡県の空港政策について、国に対し二つの意見を提出する。第一は、福岡空港の過密化対策であり、滑走路増設に速やかに着手する。これは吉田福岡市長と連名で提出する。」と述べた上で、「滑走路増設が完成しても、十数年後には再び空港容量を突破することが予測される。新空港は地域の未来のための課題であり、新たな国による調査研究に地域が協力して取り組む必要がある。」と述べ、さらに、「第二は、北九州空港の活用強化である。北九州空港は、その地理的条件や24時間空港としての特性からも、貨物拠点空港として成長していくことが重要であり、滑走路を3,000mへと延伸すべきであり、加えて航空機の整備、航空産業の拠点として発展していくことも重要な目標である。」との考えが明らかにされたところであります。

   


 31日間にわたる2月定例県議会の会期中に、桜は観測史上最も早い開花を迎えました。華やかに咲き乱れる花々に目を奪われながらも、地球温暖化対策など、未来に向かって我々政治家が果たさなければならない責任の重さを痛感しております。平成21年度は、極めて厳しい景気・雇用情勢の中で幕を開けます。私、藤田陽三は、福岡県民の皆様の生活を守り、ふるさと筑紫野市を豊かに発展させるため、"真剣に"取り組んで参る決意であります。どうか、今後とも藤田陽三に温かいご支援、ご鞭撻を賜りますよう、心よりお願い申し上げます。

 

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