トップ > 平成17年9月定例県議会
 
  平成17年9月定例県議会を振り返って

 


 9月20日、平成17年9月定例県議会が23日間の会期をもって招集されました。

  今議会には、去る3月20日に発生した福岡県西方沖地震で甚大な被害を受けた玄界島の復興事業費や被災した文化財の復旧経費、アスベストによる健康被害を防止するための緊急的な調査経費などを盛り込んだ、総額11億7千9百万円余の平成17年度一般会計補正予算案が提案されました。
   また、宝満川上流流域下水道の処理区域について、筑紫野市と筑前町に佐賀県基山町を加えるための条例案など、32件の議案が提案されました。

   宝満川浄化センター  

 本格的な論戦は、9月27日の自民党県議団の代表質問から始まりました。
 先の衆議院議員選挙において、我が自由民主党の小泉政権とその改革路線は、国民の皆様の絶大な信任を受けたところであります。自民党県議団は、まず、改革の突破口とも言うべき三位一体改革の残された課題への取組みについて、麻生知事の決意を質しました。
 知事は、「小泉総理大臣は9月26日の施政方針演説で、郵政後の改革テーマとして三位一体改革を掲げ、これを実現するという強い決意を示した。10月、11月がヤマになるが、補助金・負担金改革の地方案が実現するよう不退転の決意で取り組む。」との答弁を行いました。この問題に関しては、公明党その他の会派からも同趣旨の質疑が行われたところであります。

 自民党県議団は行政改革についても質疑を行いました。「事務執行型県庁」から「政策創造型県庁」への転換は本県行革の重要な柱であり、課や室などの低レベルの見直しにとどめず、本庁組織の抜本的改革に早急に着手すべきであるとの指摘に対して知事は、「市町村合併が進展しており、県の役割は広域的な地域振興の視点に立った総合的企画・調整となろう。出先機関を含めた県全体の組織のあり方を検討中だが、本庁については政策立案あるいは広域調整機能を果たせるよう、組織の強化・再編を検討していく。」との考えを明らかにしました。
 
 大阪市における職員厚遇問題を発端として、いわゆる「ヤミ専従」問題が全国的にクローズアップされております。国は7月から全ての地方公共団体を対象に調査を行っており、我が自由民主党も、全国の実態調査や「ヤミ専従110番」を設けて広く情報を集めております。自民党県議団が、本県におけるヤミ専従の実態と、いわゆる「ながら条例」に基づく職務専念義務免除の件数や職員数など、運用の実態を質したのに対し麻生知事は、「公務員の組合活動は、法令等の手続きに従って適切に行われなければならない。本県ではヤミ専従の実態はないと考えている。平成16年7月から平成17年6月までの「ながら条例」に基づく職務専念義務免除の件数は延べ1492件で、職員数は271名となっている。」との答弁を行いました。

 次に県立病院改革についてであります。今年の4月、太宰府病院、朝倉病院、遠賀病院の3病院が民営化されました。平成15年6月の我が自民党県議団の代表質問に対する答弁の中で麻生知事は、五つの県立病院全てを民営化すると明言されました。残った柳川病院、嘉穂病院の民間移譲はいつ行われるのでしょうか。自民党県議団は、民営化後の3病院の医療機能や経営面での変化を尋ねるとともに、残る県立2病院の患者数や経営状況を質しました。
 知事の答弁は、「太宰府病院で民間医療機関との連携強化や訪問看護の充実が行われるなど、3病院とも医療機能の充実に向けた取組みが進んでいる。また、経営改善も大幅に進んでいる。柳川病院及び嘉穂病院については、入院・外来とも患者数の減少が続き、経営状況は一層厳しいものになっている。」というものでありました。
 これらの状況を踏まえますと、残る2病院の民間移譲時期の明示を引き伸ばすことは許されないと考えます。自民党県議団の強い指摘に対し、麻生知事は、「柳川病院、嘉穂病院の民間移譲については、平成19年4月の実施を目標として進めていく。」との考えを初めて明らかにしました。

 現在、全国的に問題となっているアスベスト対策については、自民党県議団をはじめとして各会派から質問が集中いたしました。
 
層表面の毛羽立ち
 
下地と層間の浮き・はがれ   繊維のくずれ
 
層の局部的損傷・欠損 たれ下がり   層の損傷・欠損

 本年6月、兵庫県尼崎市の大手機械メーカーの社員や出入り業者の間でアスベスト関連病が急増していたことが判明。これを契機として、この問題は全国各地に燎原の火の如く広がったのであります。自民党県議団が、アスベスト問題の責任はどこにあると考えるかと質したのに対し知事は、「昭和47年に、当時の労働省、環境庁がアスベストの危険性について認識・情報を持っていたにもかかわらず、政府全体としての総合的な対策がとられなかった点に責任があると考える。」との見解を示しました。
 次に、県内の公共施設、民間施設全体の調査結果はいつ公表されるのか、また、知事答弁のように国に不作為責任があるとするならば、県は国に対し新たな法規制を求めていくことが重要と考えているのかという点について、知事の答弁を求めました。
 麻生知事は、「県有施設については、調査結果がまとまり次第公表する。市町村施設、私立の教育施設、病院、社会福祉施設並びに千平方メートル以上の民間施設については、関係省庁の要請によって調査しているが、公表する方向で協議していく。現在、大気汚染防止法の改正作業が進むとともに、アスベストによる健康被害の救済のための新法の立法検討がなされている。早期の制定を国に求めていきたい。」との答弁を行いました。
 県では、7月26日に「福岡県アスベスト対策連絡会議」を設置しております。県民の健康と良好な環境を守るため、環境部が中心となり、しっかりとした取組みがなされるよう、今後とも注視してまいります。

 教育問題に関しては、各会派が質問を行ったところでありますが、自民党県議団はまず、教職員配置のあり方について質問を行いました。全国画一的な学級編成ではなく、地域や学校の実情に合わせて、弾力的に教職員定数を活用するという工夫を行ってきたのか、また、これを今後の教職員人事にどのように反映させるのかという点について、教育長の見解を求めました。
 これに対し森山教育長は、「平成16年度から、市町村の判断において県の基準と異なる学級編成を行うことができることとしている。実効を挙げるためには、教職員の資質能力の向上が重要であると認識している。」との答弁を行いました。
 次に自民党県議団は、児童・生徒の学力問題を解決するためには、正確な学力実態の把握が欠かせないとの認識から、国に先立ち本県が全県統一学力テストに踏み切るよう提案いたしました。
 教育長は、「対象学年全ての児童・生徒が参加できる学力実態調査の必要性を認識しており、その実施に向けて取り組んでまいる。」との考えを明らかにしました。
 この他、公明党が、現在の中教審の議論を踏まえて、市町村への教職員人事権の移譲についての考えを質したのに対して、教育長は、「人事権移譲は、全県的な教育水準の向上と教育の機会均等が十分に確保できる仕組みの下で実施すべきである。」と、慎重な姿勢を示しました。

 9月30日から10月4日までの一般質問に続き、10月5日には各常任委員会が開催され、所管の議案や請願、陳情等について熱心な審議が行われました。
 最終日(12日)の本会議においては、各常任委員長の報告の後、採決を行った結果、賛成多数で全ての議案を可決いたしました。
 また、県公安委員会委員の人事案件を承認するとともに、平成16年度決算議案を追加上程し、決算特別委員会を設置いたしました。決算関係議案の付託を受けた決算特別委員会は、10月25日より実質的な審議に入ります。

 「日本文化の形成をアジア史的観点から捉える。」という新しい視点に立ち、壮大なスケールと美しさを備えた九州国立博物館が、いよいよ10月15日に開館いたします。
 また、全国から多くの選手の皆様をお迎えする「ねんりんピックふくおか2005」が、11月12日から4日間の日程で開催されます。
 文化に、スポーツに、今年の秋は、我が県にとりまして大変実り多い秋となります。
 私は、県議会議長として皇太子殿下をお迎えしての式典などに出席することとなりますが、ねんりんピックが本県の特色を活かした大会となり、成功いたしますように、また、日本で4番目の国立博物館である九州国立博物館が、アジアとの文化交流拠点として大きく発展いたしますように、県議会も大いに協力してまいります。
 これからも、藤田陽三は、郷土の発展と県民生活の向上のため、力一杯頑張って参ります。どうか、変わらぬ御支援、御鞭撻を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。
    

 トップ   プロフィール   ニュース   七つの政策   トピックス   活動報告    後援会   リンク