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  平成17年6月定例県議会を振り返って

 

 
 平成17年六月定例県議会は、6月7日から18日間の会期をもって招集されました。 
 今議会の主な議案としては、予算関係では、去る3月20日に発生した福岡県西方沖地震に伴う災害復旧事業費や被災者の皆様を支援するための経費、さらには今後の安全対策のための調査費などを盛り込んだ、総額30億8千4百万円余の平成17年度一般会計補正予算案が提案されました。また、九州歯科大学(北九州市小倉北区)、福岡女子大学(福岡市東区)及び福岡県立大学(田川市)の県立3大学を来年4月から独立行政法人に移行させるため、各大学法人の定款や県からの出資などを議決するための8件の議案や、クローバープラザ(春日市)、九州歴史資料館(太宰府市)、青少年科学館(久留米市)など、39の公の施設の管理を指定管理者に行わせるための条例案など、25件の議案が提案されました。

 麻生知事は、開会日に行われた提案理由説明の冒頭、被災された皆様に対するお見舞いと国内外から寄せられた多額の義援金に対する感謝を述べるとともに、被災地の総合的な復興と防災対策の強化に取り組む決意を表明いたしました。

 本格的な論戦は、6月13日の我が自民党県議団の代表質問から始まりました。
 自民党県議団は、まず、震災の本格的復旧に向けてしっかりとした取組みを進めるよう強く要望するとともに、マグニチュード7に達した今回の地震の経験を踏まえて、防災計画の見直しと活断層に関する調査を早急に実施するよう麻生知事に求めました。これに対し知事は、「現在の防災計画はマグニチュード6.5を前提としているので、被害想定の見直しを行っていきたい。活断層の追加調査については、専門家による評価を行ったうえで必要性を検討する。」との答弁を行いました。震災に関連しては、公明党その他の会派からも、被災漁港の復興見通しやブロック塀の安全対策、ボランティアとの連携体制や自主防災組織の整備など、多様な観点から質疑が行われたところであります。

 麻生知事は、3期目の任期の折り返し点に当たる4月、自らの「マニュフェスト159」の中間報告を行い、9割超が達成という高い自己採点を公表いたしました。
 自民党県議団は雇用問題と環境問題に絞って質疑を行い、まず、新生活産業振興策によって産み出された雇用の数と今後の施策のあり方について質しました。
 麻生知事は、「全庁横断的な取組みにより、高齢者ケアサービスや暮らし便利サービスなどの分野を中心に1万7千人の雇用を創出できた。新生活産業は大変重要な産業になると見ており、今後とも育成に努めたい。」と答えました。
 産業廃棄物の最終処分量を平成22年度までに半分にするという目標については、処分量のデータが存在しないのに「予定以上の進捗」と評価したのはおかしいのではないかとの指摘を行いました。
 知事は、「産業廃棄物税の創造や多量排出事業者への指導などの政策が効果を挙げていることから今回の評価をした。処分量については、今年度からデータベース化を進め、把握に努める。」との答弁を行いました。
 
 行財政改革について自民党県議団は、総務省が新たな地方行革指針において各自治体が5ヶ年の「集中改革プラン」を策定するよう強く求めていることを踏まえ、麻生知事は地方六団体のリーダーともいうべき全国知事会長として、本県の新たな行革大綱の策定に向けた体制をただちに整えるべきであると指摘しました。
 麻生知事はこれに答えて、県の行政改革推進本部を中心として、平成19年度からの「行政改革大綱」の策定に取り組んでいく方針を明らかにするとともに、行政の簡素化・効率化については前倒しで検討を進めることを明言いたしました。
 また、この大綱策定に向けて、職員定数の純減にどのような方針で取り組むのかを質したのに対して知事は、「平成18年度までの5年間で、900人の削減を行うという現在の目標については着実に成果を上げているが、19年度以降についても、新たな定数削減を検討していく。」との考えを示しました。

 次に水問題についてであります。
 6月8日、知事と福岡・北九州両政令市長とのトップ会談が行われ、いわゆる「北福導水」を早期に実現させるとの合意がなされた旨の報道がありました。
 この「北福導水」は、平成6年の渇水を契機に検討が始められたものでありますが、これまでその検討状況は、我々県民に対し一向に明らかにされませんでした。このことから、三者会談で合意に至った経緯や費用負担はどうするのかなどの点について、知事に質しました。
 麻生知事は、「平成14年12月に北部福岡広域水利用協議会を設立し、検討を行ってきた。西方沖地震が発生し、テロや水道施設の事故なども含め、緊急時に水のライフラインを確保することが緊急の課題であるとの認識から合意に至った。概算事業費は約200億円と見込んでおり、財源については国庫補助事業の活用も含め、関係機関と協議していく。」との答弁を行いました。
海水淡水化施設 自民党県議団は、さらに、五ヶ山ダムや海水淡水化施設の建設が進められている今日、福岡都市圏の水需要と供給について、どのように判断しているのか、「北福導水」事業のスケジュールと併せて明らかにするよう求めました。
 知事は、「福岡都市圏の水の需給については、第4次ウォータープランでのダム等の整備で、総量的バランスはとれると考えている。今回の事業海水淡水化施設は、緊急時のライフライン確保とともに、不安定な地下水あるいは老朽化するダム等の代替と考えている。具体的には、延長50キロ連絡管により日量5万トンの水道用水の相互融通を図るものであり、平成18年度の事業着手を目標としたい。」との考えを明らかにしました。


 新福岡空港問題については、山崎福岡市長が雁ノ巣地区案を中心に検討を行っていくとのコメントを突然発表したことを受けて、自民党県議団は、県民等の意見を聞きながら調査・検討するとの方針の下にパブリック・インボルブメントの手法を導入するのではなかったのかと知事に質し、さらに、福岡市は今後の総合的調査のパートナーたり得るのかとの疑問を呈しました。
国際線ターミナル 
これに対し麻生知事は、「空港問題は、福岡市にとって市の将来を決する非常に重要な問題。市長の発言は、国や県との調査と平行していろいろな可能性を検討しておこうとの事と受け止めている。県としては、現在進めているパブリック・インボルブメント方式による調査をきちっと進めていく。」と答弁いたしました。

 子供たちの教育問題に関しては、各会派が質問を行ったところでありますが、自民党県議団は特に、学力低下問題を取り上げました。本県小中学生の学力の状況について明らかにするよう求めるとともに、学ぶことの意義を見出せず、学ぶことに興味を持たない子供が増えている現状について教育長の考えを質しました。
 森山教育長は、「本県小中学生の学力は、統一学力テストの調査結果から、おおむね良好であると見ている。しかし、指摘されたような状況は憂慮すべきと捉えており、少人数・習熟度別指導や教員の指導力向上研修、家庭と連携した学習習慣の育成などに重点的に取り組む。このような取組みを効果的に実施するため、県内8地域に学力向上推進会議を設置する。」との考えを示しました。

 6月議会開会の直前、県道路公社が経営する冷水有料道路の債務償還が困難になっており、多額の税金投入の可能性が濃厚であるとの報道が行われました。
冷水有料道路  この件については、冷水有料道路の経営問題も重要な問題ではありますが、我々筑紫野市民にとりましては、筑紫野市と筑前町の間の3.7キロの、いわゆる「一部区間」の安全問題、生活環境問題が長年にわたる深刻な問題となっております。
 この問題について、自民党県議団は代表質問で取り上げ、麻生知事に対し、現道(国道200号)の交通規制や構造対応など、早期かつ抜本的対応を求めました。これに対し知事は、「償還期限の延長も検討するが、現道問題の緊急性を考え、交通規制や道路の構造的対応などについて警察、地元市町との協議・調整を鋭意進めていく。」と答弁いたしました。私は地元選出の県議会議員として、山家地区の皆様の静かで安全な生活が守られるよう、県当局の早急かつ真摯な対応を強く求めてまいります。

 また、筑紫野市の産業廃棄物処理場問題につきましては、公明党の浜崎県議が一般質問を行い、(株)産興が家庭系ゴミを処分場に埋めているとの報道について県の監視体制を尋ねるとともに、行政処分(許可取り消し等)の後はどのような措置を講ずるかを質しました。
 麻生知事は、「無通告立ち入り検査を高い頻度で実施しているが、家庭系のゴミが直接処理されているという実態は確認していない。許可の取り消し処分については、聴聞を行い、現在検討している。仮に許可を取り消しても、(株)産興に対しては法に基づき必要な是正措置を講ずるよう求めていく。」との考えを示しました。

 6月21日には、各常任委員会を開催し、各委員会所管の議案や請願、陳情等についての熱心な審議が行われ、最終日(24日)の本会議において各常任委員長より審議結果の報告を受けた後、採決を行い、全議案を可決して閉会いたしました。
 今議会も、議員各位及び県執行部のご協力により、全ての議事を順調に執り行うことができました。
 県議会と執行部は、「県政」という車の両輪であります。私は県議会議長として、一方の車輪をしっかりと回転させていく重責を担うとともに、「県政」という車が、安全・安心で豊かな県民生活の実現という目標に向かってまっすぐに、止まることなく進んでいくよう、厳しいチェック機能を果たしていかなければならないと考えております。
 藤田陽三は、このような県議会議長としての務めをしっかりと果たすとともに、筑紫野市の皆様からご選出いただいた県議会議員として、郷土の発展のために力一杯頑張って参ります。
 どうか、これからも力強い御支援を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。

(9月定例県議会は、9月20日に招集される予定であります。)
   

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