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BRAZIL 旅行記


 

Rio-Itatiaia(DAY01)

 

 

 

朝食後、三脚がないので小型の300ミリ付きのカメラを持って、ホテルの前のCopacanabanaビーチへ。ちょうどハワイで言えばワイキキのような場所で、カーニバル、コルコバードの丘と並んでリオを代表する”イメージ”として多くの外国人の脳裏に刷込まれているところである。ただし、平日早朝なので水着の美女はゼロで、散歩の人がちらほら見えるだけ。目の保養は諦めて、シギ・チを探すがドバトの群れが波打ち際に居ただけで、目前で漁をしている船の周りにも全く鳥影は見えなかった。諦めて何気なく反対側の高層ビルの上空を見ると、”タカ柱”が目に入った。コンドルかと思いよく見ると、翼を広げた姿はまぎれもなくグンカンドリである。7,8羽はいる、こんな所でグンカンドリに会えるとは思ってもいなかった。早速、証拠写真を撮るが、三脚がないので大型レンズを使えないのが悔やまれる。彼らが遠ざかっていったので、隣のInpanema海岸へ向かう。遠景の丘の形が何とも言えずイイ感じで、よく見るとその上空に20ー30羽程の”タカ柱”が見えたが、遠くてコンドルかグンカンドリかさえわからず、かといって近くまで確かめに行く気力もなかったので海岸をぶらつくことにする。こちらの海岸では10数人のサーファーが既に海に出ていて、散歩の人も30−40人程見受けられた。インパネマ海岸とコパカバーナ海岸を隔てる岬の上で景色を眺めながら休息する。眼下の芝生では太極拳をしている高齢者の集団や腕立てや腹筋をしているマッチョの集団、愛犬と散歩する人などのどかな光景が見える。沖合にはミズナギドリ類と思われる鳥が見えるが、スコープなしでは判別不可能な距離だった。1キロほど沖に小さな島があり、崖が鳥の糞で白くなっているのがわかった。行ってみたいなあ、漁船をチャーターするにはいくらかかるのかなあ等としょうもないことを考えていると目の前を1羽のカツオドリが飛んでいった。続いて2羽、さらにもう一羽。またしても三脚のトラブルが悔やまれる。再びコパカバーナ海岸に戻ると折よく数羽のMagnificent Frigatebirdグンカンドリが上空を飛んでくれた。ホテルに戻り、午後の探鳥の時間が無くなると気を揉みながら、三脚の届くのを待つ。11時にやっと三脚が届いたので直ぐにチェックアウトし、バスターミナルへ向かう。ターミナルは沢山の人々で活気にあふれ、今回のブラジル旅行では初めて”旅をして いる”という実感を持つ。ポルトガル語の会話本を片手にチケットを買い、乗り場を手振りで教えてもらう。イタチアイア行きのバスは1時間に一本だが、懸念した通り12時台だけなく1時半まで2時間弱待つ羽目に。仕方がないのでファーストフードとビールを買ってサッカー中継をみて時間を潰す。

バスターミナル周辺は治安が悪いと聞いていたが、なるほどと感じさせる辺りをバスは通り抜けバイパスに入った。バス専用路線があるので、渋滞知らず。途中車窓から、警官がドライバーに車のトランクに 両手を付かせ身体検査をし、他の警官達が銃口を突きつけている光景を目にする。アメリカやヨーロッパでは何度か目にしたことのある光景であるが、警官達の手にしていたのは機関銃だった。ヒースロー空港で、機関銃をいつでも発射できる様に構えた兵士とドーベルマンによる巡回警備を目にした時もビビッタが、やはり機関銃にはゾッとさせられる。まもなく高速に入る。日本の東海道の様にサンパウロまで断続的に街が続くのかと考えていたが、1時間程して峠道に入り、たまに牧場とフルーツ売りのスタンドが目に入るくらいになる。坂道を下りきり、田園風景の中を30程走り、3時40分ごろ目的地に着く。ここでタクシーに乗り換えて国立公園に向けて山道を上る。日本の山奥の一軒宿へ向かう様な雰囲気。10分程して国立公園の料金ゲートに着き、入園料を払い、今度は砂利道を10分程上って、大西洋岸雨林の標高1100メートルにあるHotel Simonに到着。

途中、民家の軒先のハチドリ用のフィーダーにハチドリが群がっているのを目にしていたので、期待に胸を膨らませホテルの庭に飛び出す。先ず庭の一 本の樹に沢山(50以上100以下)の”吊り巣”がぶら下がっているのが目に入った。コシアカフウキンチョウの巣だった。しばらく写真撮影に挑戦するが、巣と顔と真っ赤なお尻を同時に入れるのは至難の技だった。庭の芝生の上にホオジロ様の鳥影がみえた。Rufous-colared Sparrowだ。巨大な鳥が芝生に降りたが直ぐに翔んで行ってしまった。Dusky-legged Guanだ。山では暗くなるのが早いので、外へは出ずにホテルの敷地内をうろつくことにする。ハチドリ類を二三度目にするが、暗いのとじっとしていてくれないのとで判別出来ず。ベランダの置かれたフルーツにコシアカフウキンチョウ、Sayaca Tanager、Green-headed Tanager等が来ている。Green-headed Tanagerは明日明るいところで是非撮りたいものだ。駐車場の前を3度目ぐらいに通りかかった 時、この日最大の大物に出くわす(あくまで個人的主観、見た目による)。キヌバネドリの1種、Surucua Trogonだ。コンクリートの杭の上というイマイチのロケーションではあったが、その分丸見えの状態で10分以上サービスしてくれた。しばらくしてどこからかメスが飛んできて近くの枝に止ったので、そちらに移り、暗いがツーショットを撮らせてくれた後、ペアで飛び去った。更に10メートル程ホテルに向かって歩いた時、チュウハシSaffron Toucanetの番が20m程斜面を下った竹やぶに飛び込んだ。こちらはどう移動しても姿を再び見ることはできなかった。暗くなって来たので部屋に戻ろうとした時、山の下の方から1羽のオオハシRed-breasted Toucanが飛んできて庭の木の枝にとまった。枝が邪魔しない位置に三脚を移動している間に山の上の方に飛び去ってしまった。がすぐに、別の1羽が下から飛んできて同じ枝に止まったので、枝を気にせずシャッターを2,3枚切る。明日は十分な光量の順光のもとでお腹の赤が鮮やかに出た写真を物にするぞ。カメラを部屋に置き、2階の食堂の前にあるベランダのイスに座り暮れ行く山並みと庭を眺める。Dusky-legged Guanが庭の大木の枝で丸見え状態(シルエットだけだが・・)だし、眼下の低木の梢ではハチドリが盛んに飛び回っている。明日への期待が高まる。フクロウが鳴くのを待つが真っ暗になっても一向に鳴かなかった。この辺りにはTawny Browed Owlが棲んでいるということだったので鳴くのを待っているのである。ここの庭にも、いかにもフクロウが棲んでいそうな洞がある樹もあり、期待していたのであるが、先程から降り始めた雨が強くなってきたので、この日の探鳥を切り上げる。

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