野生図鑑 鳥を訪ねて南へ北へ
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BRAZIL 旅行記


 

Itatiaia(DAY02)

 

前夜の祈りもむなしく朝になっても昨夜からの雨はやんでいなかった。若干小降りになったので、カメラに雨覆いカバーをかけ外に出ることにする。庭でDusky-legged GuanGrey-hooded FCなどをみた後、敷地の外へ出て山道を登り始める。途中でハチドリを何種類か目にするが雨が強くなったので引き返す。朝食後も天候は回復せず、仕方がないのでホテル2階のベランダのパラソルの下にカメラを構え、置かれたオレンジを食べに来る鳥を待つことにする。前日から置かれたオレンジはもうほとんど食べられているのと雨のせいで鳥の出はよくなっかたが、Red-rummped Cacique等に混じっててBananaquitGolden-chevronted TanagerGreen-headed Tanagerなどカラフルな小鳥達がやってきてくれた。そこに一人の男性がやって来て、英語で話しかけられる。このホテルのオーナーだった。”鳥の写真を撮るなら、ウチの庭においで。ハチドリがいっぱいいるよ。あそこの家だから、勝手に庭に入って見ていいよ。”とのありがたいお言葉。お礼を言って、早速お邪魔させていただく。外からは生け垣で見えなかったが、一歩足を踏み入れるとそこは "Bird-Paradise"だった。小さな庭に木製の屋根付きフィーダーが2つあり、その上のフルーツや雑穀にカラフルな小鳥達が群がっていた。さらにハチドリ用のフィーダーが4つ程吊り下げられており、そちらにもハチドリと小鳥がいっぱいだった。餌台にはOlive-green TanagerGreen-headed TanagerBlack-googled Tanager(同2)等の小型のカラフルな小鳥、Magpie Tanager等、Rufous-bellied Thrush等の中型の小鳥が来ていたが、巨大なGuanまでやって来た。こちらは流石に餌台の中には入れないがしばらく餌台の屋根の上にのっていた。さらに Yellow-fronted Woodpeckerも 来てくれた。動物園で見たのは別にして、自分が今までにみた野生のキツツキのなかで最もカラフルだ。ハチドリの方はBlack Jacobin(BJ2)Versicoloured EmeraldViolet-capped Woodnymph(V-C WN2)Swallow-tailed Hummingbird(S-T HB2)等、約10種類。ブラジルの鳥を網羅した図入りの図鑑がないので、種名のだいたいの見当は付いているが、特定するまでには至っていない。(世界のハチドリを収めた図鑑を買いたいとおもっているのだが、2万数千円と高価なので手がでずにいる。)(Photo123456789)奥さんが出てきて、餌台の横で庭仕事を始めても鳥達は気にする様子がないのに、自分がちょっと動くと近くの枝に移ってちょっとの間様子を見ている。鳥達が農作業などの人と鳥見人をちゃんと区別しているのに何度か関心させられたが、不思議なものだ。奥さんの方も英語ができた。一時間強の間、約30種の鳥を間近でじっくり堪能できた。個人の小さな庭にこれだけの鳥がやって来るなんて、羨ましい限りである。

いつの間にか雨もあがっていたので、敷地の外を探索することにする。個人のウエブサイト上で公開されている探鳥記にはどれも、Hotel Ype (彼らが宿泊した宿)とHotel Simon(ここ)の間のトレイルがよかったと書かれていたので、ホテルYpe目指すことにするが、トレイルらしきものは見つからなかったので車の通れる道をゆくことにする。民家が何軒かある辺りまで下って行くと、向こうから車が近付いてきて、ウズラ様の鳥が飛び出してきて、道の反対側の家の庭に駆け込んだ。運転していたのはホテルの主人で、すれ違うときに向こうの家の庭にWood-Quilがいると教えてくれた。内心では、もういないよと思ったが、別の個体がいるのかと思い直して行ってみたが、やはり遅かった。道の両側の薮で、Antwren, Antbird等のいわゆるバンブー・スピーシーズやWoodcreeperを少なくとも10種以上見るが、いずれも直ぐに薮の中に隠れてしまい、数分待つがなかなか見やすいところには出てきてくれない。もう少し粘れば、顔を出してくれるのだろうが、自分の目的はBird Listの数を増やすことではなく、写真映りのいい鳥を1種でも2種でもいいからものにすることであり、かつ時間にも限りがあるので先を急ぐ。途中、3組のハイカーと5,6羽のチュウハシとすれ違う。チュウハシは2種が一緒に飛んでいった。1種はSaffron Toucanetだったが、もう1種はわからなかった。他にはリスが道路脇で木の実を拾っていたぐらいで、サルには会わなかった。1時間位歩いてやっと、遠くに目的のHotel Ypeらしき建物が見えてきたがまだ小1時間程度かかりそうなので残念ながら引き返すことにする。Hotel Simonの近くまで戻ってきたとき、Red-breasted Toucanが見やすい枝にとまっているのを見つけ、20分程じっくり観察する。オーナーの家の庭では見なかったハチドリPlanalto Hermitを見てホテルの庭に戻り、Magpie Tanager等を見た後、もう一度オーナーの家の庭に30分程お邪魔して、ブラジルでの鳥見を締めくくる。昼食後、タクシーとバスを乗り継いでリオの国際空港に向かう。

余談ではあるが、アメリカの同時多発テロからちょうど1年ということもあり、空港ではアメリカ行きの便については厳戒態勢だった。(ちなみに、クイアバの空港では航空券のチェックのみで、人も荷物も検査されなかった。)通常のX線で人と持ち込み荷物のチェックを受けた後、空港の職員に入念なボディチェックと荷物の中身のハンドチェックをうける。さらに出発時刻の1時間以上もまえにボーディングが始まり、早いなと不思議に思っていると、飛行機のドアの両脇に軍の兵士が待構えていて、一人あたり5分近くかけて、入念に手荷物検査を行っていた。まいったなーと思いながら検査の列に並ぶと、お前は向こうに行けと少し離れた机の所に一人だけ行かされる。イス付きのVIP席(時間がかかりそうな奴専用席)でボデイチエックの後、靴を脱がされ入念にチェックされる(底の厚い登山靴を履いていたのがあだになった)。さらに小型のデジカメ1台と一眼レフ2台、レンズ3本の動作確認、ガイドブックと会話本のページの間、空港で買ったお土産の置物の箱に詰められたパッキングなど15分程かけて入念に調べられた。ともかく、無事に帰国でき何よりだった。

(ブラジル探鳥記:終)

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