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BRAZIL 旅行記


 

Chapada (DAY02)

 

朝5時過ぎ、暗いうちから鳥の声がするので出てみると、ドアのすぐ前の樹にGuira Cuckooが止まり、芝の上にはSouthern Lapwingがいた。5時半からの朝食を早めに済まし、6時の出発まで、Guira Cuckooを撮影。Pantanalの最初のホテルにもいたが、近くには来てくれなかった。ここのは、人を全く気にせず、しかも5,6羽で群れている。ホテルから車で10分ぐらいの草原で探鳥を開始。はじめに、そこだけ砂地でまばらに1m位のたけの草がはえているところでブラウリオがほんの30秒位の短い間だけMDをかけると、1分もしないうちにCollared Crescentchestが囀りながら、薮から出てきて我々の足元まで寄ってきた。声も容姿もかわいいが、近すぎて撮影できず、かといって離れると草にかくれ見えない。手持ちの300付きのカメラは部屋に置いてきてしまった。近くに見える他の鳥達と交互に見ながら、少し離れてくれるのを待つ。鳥にもっと近くに来てくれと願うのはいつものことだが、離れてくれとうれしい悲鳴をあげるのは年に数回しかない。15分位待って、少し離れてくれたところをなんとか撮影できたので、先程から近くの杭に止まっていたCurl-crested Jayの撮影に移る。他にWhite-rumped TanagerやWhite-banded Tanager, Aplomado Falcon, Black-throated Saltator等を同じ場所で見る。30m程移動したところで、Red-wing Tinamou をしばらく狙うが、ほんの一瞬姿を見せてくれただけだった。近くにRufous-winged Antshrikeが飛んできたので、諦めそちらの撮影に移る。主観だが、中南米の鳥のなかで、Antshrike類は極彩色の鳥達たちと比較してもけして退けをとらない魅力をもっていると思う。そのうち、パンタナールでは遠くを飛ぶ姿を一度目にしただけのWhite Woodpeckerが100m離れた樹に止まったので40メートルぐらいまで近付いて2, 3枚撮影する。飛び去った後、みんなに合流してしばらくすると今度は向こうからやって来て、30メートルぐらいの近さの樹に止まってくれた。その後、1羽が10メートルぐらいの近さの樹まで挨拶に来てくれた。遠くのWhite-eared Puffbirdを撮影した後、そっくりのChapada FlycatcherとCampos Flycatcherを見る。見た目の違いについてはブラウリオも明確な説明ができなかったが、鳴き声やディスプレイ飛翔の微妙な違いを説明してくれた。最近のDNA研究から、亜種から別種に変更されたそうだ。再びRufous-winged Antshrikeが番いで現れてくれた。その後、Pale-breasted Spinetail, Rusty-backed Antwren, Antbird, Yellow-headed Caracara等を見るうちに9時を過ぎかなり暑くなってきた。

 車でさらに奥へと向かう。途中、White-eared Puffbirdが道路脇の杭に止まっていた。先程樹の枝にいたのと同じ鳥にはとても見えない。すぐ近くにBURROWING OWLも出てきた。15分位走ってから、車を降り、テーブル状台地の縁の展望のよい場所へ向かう。素晴らしい景色に、鳥のことも忘れ、20分程リラックスタイムに入る。そのうちにブラウリオがYellow-billed Blue Finchを見つけてくれたので、飛んでいった方に移動して1枚シャッターを切った。すぐに崖の下の方に飛んでいってしまったが、囀りは聞こえている。5分ぐらいに1度の頻度で、崖の上の見える所まであがって来てくれるが、すぐにまた崖下に隠れてしまうので、その後かなり粘ったが、1枚もシャーターをきれなかった。崖の縁沿いの道を数百m、景色を眺めながら歩いて、断崖絶壁の岩の割れ目にあるRed-and-Green Macawの巣が見えるポイントへ移動する。距離が相当あるので、撮影はあきらめ、ブラウリオのプロミナで観察する。そのうちに、番いで飛び立ち、大峡谷を大きく回り込んで消えて行くまでの1分弱の間、双眼鏡で追う。今度のブラジル探鳥旅行で見たなかで、最も美しく、印象に残った光景だった。コンゴウインコ類は飛翔姿を上から見下ろすのが1番だということを知る。同じ地点で3種のコンドル、Black, Turkey, Lesser-Yellow-headed Vultureが舞う渓谷の景色をながめた後、帰路につく。

 昼食は昨夜と同じシャパダのレストランに行く。ランチはここも重量制で、トレーを秤にかけ、テーブルの番号が書かれた紙片を係の人に渡し、重さを記入してもらい、好きなドリンクをもらう。食後、お土産物屋さんを見て回る。ありきたりの土産物に混じって、食指の動く工芸品があったが、荷物になるので買わなかった。かわりに食料品店でダイエットコーク2本とスナック菓子を1袋買う。50円ちょっとぐらいだったと思う。ホテルに戻り、プールに入ろうか、アナホリフクロウをまた見に行こうか迷うが、結局昼寝をする。目覚めた後、出発時間まで時間があるのでフクロウを見ようと外に出ると、カケス大で褐色のからだの一部が鮮やかな黄色の鳥が飛び去るのが一瞬目に入った。何か判らないがこれは見に行かなければと思い飛んでいったほうへ向かう。正体はキツツキCampos Flickerだった。その後、柵にとまったBurrowing Owlを撮影する。今日は子供たちは出てきてくれなかった。(ちなみに後程聞いた話では、自分が昼寝中に見に行ったC.C.さんは子供たちを見たそうである、ちょっと後悔)そこへみんなが載った車がやってきたので、乗り込み、夕方の探鳥に出発する。シャパダの町を越えて10分程走ったところで、降車して草原を横切り、林に入る。声はすれども、姿は見えずでストレスがたまる1時間強の時間であったが、それでも薮のなかにいるSuffron-bikked SparrowやWhite-backed Fire-eyeが枝のすき間から見えた瞬間、証拠写真をとることができた。写真に移っているブラウリオのレーザーポインターの助けもあり、どうにかこうにかこの2枚だけ種がはっきりと特定できる写真がとれた。これ以上の成果は望めないなと諦めかけていたとき、Mさん、KさんのミネソタコンビがYellow-ringed Toucanを見つけてくれた。この鳥は先程から、断続的に鳴き声を耳にしていたし、姿も何度か目にしたが、枝が邪魔して写真がとれるような状況ではなかった。二人のおかげで、若干ケラが入ったものの、全身がよく見えた極く短い時間を物にすることができた。

林を出たときには薄暗くなってきて、Burrowing Owlが何羽か飛びまわっていた。このChapada一帯はBurrowing Owlの宝庫なのだと感じる。

我々の車の横に他の車が2台止まっていた。ここは遠くにクイアバの街の灯が見渡せる夜景ポイントだそうだ。綺麗な夜景がみれるにはまだ時間が掛かりそうなので、残念だが帰途につく。

 

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