夜明け前からぎゃあぎゃあ鳴く水鳥の騒々しさは最初の宿よりはるかに凄い。ロウソクはあるが、マッチがないので本も読めず夜明けを待つ。空が白み始めると、牛が一斉にモウモウ泣き出した。窓から除くと裏の牧草地に昨日の牛の大群が一塊になって寝ていた。三々五々立ち上がって用を足して遠くのえさ場を目指して歩きはじめる。夜間部屋の中に出てきたかえる達も寝床に帰ったようだ。水鳥や牛の騒々しさが一段落するとニワトリや犬猫の声がしてくる。空気、音、におい、まさに牧場の朝という感じだ。この日は6時朝食、6時半出発。準備をして出ていくと他の4人が双眼鏡でなにか見ていた。建物横の大木にHyacinth
Macawが5羽止まって朝食中だった。同じ樹にSouthern
Crested Caracara, Monk Parakeet, Golden-chevronted Parakeet,
Yellow-rumped Cacique等沢山の種類の鳥が同時に止まっていた。車で昨日の夕方と同じコースを探鳥にでる。Pale-crested
Woodpecker、Black-and-Gold
Howler Monkey等、昨日と同じ鳥とサルをみる。上空をJabiru、Roseate
Spoonbillが、低空をRinged Kinhfisherが飛ぶ。さらに、Roadside Hawak、Peach-fronted
Parakeet等を撮影し、道路脇の林の中にCrane
Hawak を見つける。白っぽい大型の美しい鷹だか、樹の枝に阻まれまともな写真は撮れず、残念。さらにScaly-headed
Parrot,
Rufous-tailed Jacamar,
Blue-crowned Trogon等を見て、昨日の湿原に出る。Wattled
Jacana,
この旅最初のセイタカシギ類とシギ類、Wite-backed Stilt、Solitary
Sandpiperを見る。Solitary
Sandpiperはアラスカでも見たことがあるが、こいつもアラスカ
かカナダから帰ってきたばかりなのか?再びトランスパンタナールロードに戻って、今度は道の反対側に広がる林の中に入って探鳥。林の中では、Rusty-fronted
Flycather, Brown-crested Flycatcher,
Graylish Saltator,
Buff-throated Woodcreeper,
Little Woodpecker,
Black-fronted NunbirdEuphonia,
MattoGrosso AntbirdHummingbirds等を見る。暑さに耐えられなくなった11時過ぎに探鳥終了。
昼食後はあまりに暑いので昼寝をする。午後の探鳥に出かける前に、敷地内を一回りしようと外に出るとC.C.さんが,
Monk Parakeetの巣を見たかと聞くのでノーと答えると、裏手の樹のそばに案内してくれた。丁度留守なので待つことにする。しばらくして番いが枝をくわえて帰ってきて巣作りを始めた。シカゴでもMonk
Parakeetが野生化していて、毎年これと同じようなカゴ状の巣を作るとのこと。Buff-necked Ibisが100m先の草地に降りて餌を捕り始めたので、撮影にいく。道路脇の枯れ木にはHyacinth
Macawがとまっていた。彼らが飛び立ったと思ったら、同じ樹にAmerican
Wood Storkがとまった。
3時半に午後の探鳥に出発。トランスパンタナールロードを南下し奥へ進む。鎌形の嘴が魅力的なRed-billed
Scythebillが現れるが、なかなかまともな写真はとれない。次にBarred
Antshrikeの鳴き声がするというので、停車。ブラウリオのMD作戦で見えるところに出ててきてくれるのを待つ。しばらくして鹿の子模様が美しい雄が出てきてくれた。さらに、茶色の雌も現れた。その後も何度か降車して探鳥しながら進み、360度、見渡すかぎり湿原が広がるこれぞパンタナールという感じの場所に出る。カピバラの背中にアマサギが乗っているのがみえたが、車が近付くと飛んでしまった。Roseate
Spoonbillが1羽だけ遠くで餌をとっていた。地上にいるベニヘラサギを見たのはこの旅でこれが初めてだ。インターネット等で読んだ日本人(どの著者も鳥屋さんではなかったが)の
旅行記には必ずと言っていいほど群れ飛ぶベニヘラサギのことが書かれており、テレビで見たことのあるベニヘラサギが樹にいっぱいとまているフロリダと同様の光景を想像していたのだが・・・。W.C.さんとMさんが後方の橋の上で何かの写真を撮っていたので行ってみると、20匹ぐらいのワニの群れのなかで、死んだワニが1匹白いお腹を上にして浮かんでいて、3.4引きのワニがそれを食べていた。うっかり、バランスをくずして、橋から転落したら自分もあのワニと同じ運命になりかねないと想い、ぞっとする。その時、橋の前に突き出た、枝の上にAmerican
Pygmy Kingfiserが止まっているのに気づいた。三脚をセットして1枚撮ろうとしたとき、ダイブして魚を捕って奥の方へ入ってしまった。他の人たちは先のほうへ歩いて行くが、この場所でしばらく待つことにする。15分程して、同じ枝に戻って来てくれた。しばらくするとGreen
Kingfisherも同じ枝の少し離れたところにとまった。200m程先を歩いていた5人に追いつくと、ここでもCapybaraの背中にアマサギが乗っていたが、シャッターを切る前にまたしても飛ばれてしまう。その後、Rufescent
Tiger-Heron等を撮影し、パンタナールに沈む夕陽を堪能した後、Nighthawk,
Nightjarを見ながら帰途につく。
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