野生図鑑 鳥を訪ねて南へ北へ
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BRAZIL 旅行記


 
PANTANAL(DAY01 After Lunch)
 

ランチではみんなビールを頼んだので、シエスタだから良いかと思い自分もつられて頼む。一口で、よく冷えた”南極ビールのファンになる。ブラジルでは瓶ビールは必ず保冷容器付きで出てきた。日本もこの習慣は見習って欲しいものだ。値段も日本の10分の1。窓際の木の花にハチドリがきている。他の人達はちゃんと双眼鏡を持ってきている。自分もこの心掛けに学ばねばと気を引き締める。さらに頭の真っ赤なYellow-billed Cardinalが枝に止まる。これは、シエスタで昼寝なんかしていてはもったいないと考えを改め、食事もそこそこに農場のすぐ前を流れる川へ行ってみる。サギ類が5種ほどとカイマンがいっぱい見える。大型のカワセミRinged Kingfisherが大きな声で啼きながら向こう岸の樹の枝と川の中央を行き来している。日本のヤマセミにクマゲラを少し混ぜたような声だ。計3羽いるようだが、こちら側には来てくれない。その内にAmazon Kingfisherがこちらの岸辺の柵にとまる。 "アマゾン" の写真をとっていると、イノシシが走り寄ってきて私の足に顔を擦り付けてくる。ひとに馴れているようなので、ここのペットなのだろう。イノシシが去ると、今度はToco Toucanが足元まで近寄ってきて、愛嬌を振りまいてくれる。

小鳥が頻繁に両岸を行き来して、水浴びをしたりしている。Yellow-billed Cardinalだ。

庭の方に廻ると、芝生の上に餌が蒔かれているのだろう、沢山のY-B. Cardinal、Saffron Finch, Toco Toucan, Unicolored Blackbirdなどが群れている。

表の方に行くとRuddy Ground-Dove, Picui Ground-Dove等が芝生の上にいる。ホテルと牧草地の間の柵のワイヤーに深紅のVermillion Flycather が止まっているのを発見。

その他に、牧草地でPlumbeous, Buff-necked, & Green Ibis, Southern Crested Cara-cara, Wattled Jacana, Guira Cuckoo 等を見て、もう一度川辺に戻るとRinged Kingfisherが杭に止まっていた。距離が非常に近いのと30分以上いてくれたので、あっという間にフイルム1本分 撮ってしまう。

4時から、ボートクルーズにでる。出航前から、サギ類、カラカラ、ヘビウが見える。出港してすぐに 最初のCapybaraに出会う。

ボートから目にする鳥のなかで圧倒的に多いのがRinged Kingfisherで、常に1個体以上が視野の中に入っているといっても過言ではない。Amazon Kingfisherも10分に1羽ぐらいの割で目にする。それだけ、餌の魚が豊富と言うことなのだろう。日本のヤマセミのなわばりの大きさとはエライ違いだ。 多くの水鳥を見ながら進み、お目当ての1つSunbitternに出会う。

羽を広げると見える、英名のSunや和名の蛇の目鳥の名前の由来となった日の丸模様をぜひ撮りたいと思っていたのだ。魚を捕るときにサギがやるように水辺で羽を広げて影をつくる光景を何度も見せてくれ、ヘビの目玉もバッチリ拝ませてもらうが、カメラからの角度があまりないので写真はあまり満足できるものではなかった。船が大きく蛇行した辺りを過ぎるとオレンジ色のライフジャケットを来た観光客を7,8人乗せたボートが止まっている。乗っていた客に見覚えのあるひとがいるので、我々のホテルのボートとわかる。我々のバーダー仕様のボートとは違い屋根付きで背もたれ付きのイスがついていて二回り大きい。魚を水の中に投げ込んでいる。Giant Otterを観察しているのだ。その名の通り、Giant だ。幻のニホンカワウソはみたことはないが、北米のカワウソの数倍もの大きさだ。うなり声もトドやオットセイのそれに近い。餌の魚がなくなったのと暗くなり始めていたからであろう、先客たちが引き上げて行った。我々の船頭さんも魚を持ってきているようだ。ブラウリオが写真を撮りやすい様に指示してくれたのだろう、魚をGiant Otterのいる水中ではなく、中洲の小さな島に投げた。すると、それを見ていたSavanna Hawakがあっという間にかっさらっていってしまう。2匹目の魚はSouthern Crested Cara-caraの物となる。今日カラカラの写真は何枚も撮ったが、今のが一番近い。

3匹目の魚をとりにGiant Otterが上陸する。魚をくわえると凄い勢いで水中に戻っていく。

その後、ブラウリオが、枝が密集して薮状になった奥の方にAmerican Pygmy Kingfisherを見つけるが、我々には見えない。数分後、ブラウリオのMDの囀りに誘われ表の方に出てきてくれる。

すぐ近くにGreen-and-Rufous Kingfisherも見つかり、初日にして南米5種を制覇する。だだし、こちらはMD作戦は通用せず表の方には出てきてくれなかった。ボートが引き返すころには、陽は沈み川の上を沢山のNighthawkが飛んでいる。飛翔姿はNightjar(日本でいうヨタカ)とは大分違い、向きを変えるときにコウモリの様に羽ばたく以外はHawkそっくりだ。種の違いを識別しやすい様に、ブラウリオが尾羽にサーチライトを当ててくれる。Band-tailed & Nacunda NighthawkとPauraqueの3種を確認。次に南米のサギ類のなかでは最も魅力的で、かつ最も見るのが難しいZigzag Heronのポイントへ。パンタナールの後に訪れるアマゾンのCristalino川にいると聞いていたので出会いを楽しみにしていたのだ。ここはブラウリオが今年の5月に来た時に初めて見つけたポイントだそうだ。MDをかけながらボートの位置をいろいろ変えながら、20分ぐらいトライして、見ることができた。

冠羽を立てる瞬間を逃さない様にカメラを構えて待つが、ボートは少しずつ流され、決定的なシャターチャンスが訪れた時には前に枝が入ってしまい、悔しい思いをする。上陸後、今度は牧草地でNightjarを探す。MD をかけてちょっと時間をおいてから、サーチライトで照らし確認すると言う作業を続ける。Spot-tailed & Little Nightjarの2種が観察できたが、もっとも近付いた時でも40メーターぐらいで、目の前までは来てくれなかった。8時ちょっと前にホテルに帰り着く。この辺りはマラリアの汚染地域ではないが、蚊にいっぱい刺され気味が悪いので2錠しか持ってきていないマラリア予防薬の1錠を飲んでしまう。夕食後、皆で鳥合わせ行う。他のひとは110台。自分は写真に夢中で見逃した種が何種類かあったので、110にはわずかに届かず。しかし、1日で100種以上の鳥を見たのは初めての経験で、おそらく今後、2度とないであろう。

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