病気の時、家庭での対処 |
吐 い た 時 | ||
嘔吐は下痢と同じく家庭での対処が大切です。家庭で最初の対応を上手くしないと 嘔吐が続き水分が摂れず脱水になり、点滴をしなくてはならなくなることもでてきます。 吐いた時の対処法も是非、マスターして下さい。 1.吐いたらみんな病気? 嘔吐はカゼや胃腸炎の時にみられる症状ですが、 赤ちゃんの場合は、胃の入り口の筋肉の発達が未熟なため、咳やミルクの飲みすぎで 吐くことがあります。この場合吐いても一度きりで、機嫌がよい場合は 心配ないくてもいいことがほとんどです。 ただし何度も吐く場合や下痢や熱を伴っている場合、顔色が悪い場合は治療が必要です。 2.嘔吐の時の注意点 @吐き気があるうちはなにも与えない 吐いた時に最も大切なことは、”胃を休ませて、空っぽにする”ことです。 こどもは吐いてすっきりすると飲みたがり、そこで飲ませると吐く ということを繰り返すことがあります。 飲んだものだけを吐くならいいのですが、胃液も一緒に吐いてしまって 次第に吐き気が強くなるという悪循環を起こし脱水に陥ることがあります。 吐いた後最低1時間、通常2〜3時間程は何も口にしないのが基本です。 A吐き気が落ち着いたら少しずつ水分を与える。 嘔吐の時の基本は「少量を頻回に」です。 吐き気がある程度落ち着いたら、極少量の水分補給から始めます。 まずはスプーン一杯からおちょこ一杯ぐらいの水分を与えてみてください。 この時も飲みたがるといって一気に飲ませるとまた吐くこともあるので注意してください。 このように少しずつ与えると胃に水分がそれほどたまらないので 吐き気があっても一部しか吐かずに70%は小腸に達すると考えられます。 こうして早目に脱水を防ぐことで、重症化を防げます。 Bまず水分がとれることを確認 吐き気がなくなったら、乳児では15cc、1才以上では30ccくらいを目安に 水分を20分おきくらいに1、2時間与えます。 嘔吐がなければ、10〜20ccづつ増量し、 6〜12時間後くらいからは欲しがるだけ飲ませてください。 C水分が足りているかはオシッコを目安に 吐いている時は水分がどれ位摂れているか、脱水になってないかがポイントです。 少しずつ水分をとっていると実際どれ位水分が足りているか 不安になることがあります。 この時目安になるのがオシッコの量です。 いつもと同じ量オシッコがでていれば、水分は足りています。 もしオシッコの回数や量が減っていれば、水分の量を増やしましょう。 増やす時も1回量を増やすのではなく、回数を増やしてあげるほうがよいです。 D吐かなくなったら、下痢の時の食事に準じて消化の良いものを少しずつ 与えてください。 →「小児科の部屋:病気の時、家庭での対処:下痢の時」を参考してください。 家庭で作れる経口補液剤
吐いている時や下痢の時の水分は「電解質=塩分」と「糖分」を補うことも必要です。 アクアライト、アクアサーチなどの「乳幼児イオン料」や上記のような飲み物が適しています。 またうどんの汁や味噌汁などを交互に飲ませることでも塩分は補充できます。 Q&A 吐き気止めの使い方を教えてください 吐き気は何回か吐くと大部分の場合は、落ち着きます。 吐くことで改善することも多いので、極力使わないほうがよいです。 しかし、何度も吐いてすっきりせず嘔気が続いて、水分を摂らせようとしても吐いてしまう時は 吐き気止めの座薬を使用してください。 使った時の注意は、薬が効くまで時間がかかります。そして吐き気が落ち着いても 水分を少量頻回を基本に水分を与えてください。 また当院では吐き気止めの座薬は 8時間あけて1日2回までの投与をお願いします。 咳き込んで吐いてしまう時吐き気止めを使ってもいいですか? 咳き込んで吐くときは、吐き気止めを使っても効果はありません。 この場合は水分をとり、痰を切りやすくすることで改善はします。 次のような時は早目に小児科に相談しましょう。 @吐き続けて、ほとんど水分がとれない時 Aぼんやりぐったりして顔色が悪くて、ほとんど水分がとれない時 B高熱がでている時 Cお腹が張っている時 |