N値はその大きさによって、土の硬さ等を表現します。またテルツァギーという人の提案した式にこのN値を当てはめる事により地盤の支持力を計算します。
N値は、粘性土と砂質土では、扱いが異なり同一の支持力であれば、粘性土のN値のほうが、砂質土のN値より小さくなります。(N値だけで地盤の強さは判断できません。)特に礫が混入している場合は、地盤の強さを過大評価してしまう恐れがあり注意が必要です。
土質柱状図には、N値のほかに、土質、記事、10cm毎のN値が記載してあります。「土質」により粘性土か砂質土かが判り「記事」によりその層の特色が読み取れます。10cm毎のN値は、N値が均一なものであるかどうかの判断材料になります。
2. 標準貫入試験
戸建住宅など小規模な建物には、比較的調査の簡単なスウェーデン式サウンディング試験がよく採用されています。標準貫入試験に比べ調査費用も安くてすみます。
スクリューをつけたロッドの上におもり(50N(5kg)から1KN(100kg))をつけ、人力で上部のハンドルを回転させ土へ25cm貫入した半回転数を測定する。25cmあたりの半回転数を1mあたりの半回転数に換算します。(Nsw)
標準貫入試験のN値との関係は下式によります。
スウェーデン式サウンディング試験は、浅い支持地盤の調査には有効ですが、ある程度の深さになると小さい礫などにあたって貫入不能になるなど深い基礎(2m以上)には不向きであると思われます。また試料の採取が出来ないためその層が砂質土が粘性土かが判断できません。したがって目視で確認する以外は、前述のN値との関係式に代入はできません。
「標準貫入試験と併用して使う」という様にすれば、そういった欠点を補えるかもしれません。
今回は土についてまとめてみました。地盤調査はたしかにお金がかかります。
ただし建物の基礎の設計をする為には非常に大事な資料となります。地盤調査をする事により、基礎のボリュ−ムを減らすことで全体のコストが安くなることもあります。
1度沈下してしまった建物の補修には、新築の時の基礎工事費より比べものにならないくらいの費用が必要です。
試験をする業者の選択にも考える必要があります。構造設計者は、標準貫入試験の結果で基礎の設計をおこないます。N値の間違い、土質の間違いは命とりになります。ただ安いだけの業者ではなく、その地域で実績のある地質業者にお願いすることが大切かと思います。