2. 構造用集成材の特徴
構造用集成材の特徴を列記すると次のようになります。
- ラミナを接着前に所定の含水率に乾燥するので、長大材になっても各部の含有率の傾斜が少なく、割れ反り、曲がり、ねじれなどを避けることができる。
- 機械による仕上げ加工が施されているので、製品の寸法精度が高い。
- ラミナの段階で強度を低減させる節などを除去するとともに積層によりその分散をはかれば、強度性能の優れた、かつバラツキの少ない製品を生産できる。
- 製品の乾燥度が高く、耐久性の高いレゾルシノール樹脂接着剤が用いられているので、室内のような温和な使用条件下では、割れやはくりなどの障害が起こる事は極めて少ない。また、屋外や床下などの苛酷な条件下でも、集成材に防腐剤や防蟻剤を塗布又は加圧注入すれば、必要な耐朽性を確保できる。
- 湾曲、テーパーなど任意の形状、長さをもつ部材の製造が可能。
- ある一定以上の大断面の部材では、燃焼の際表面の炭化によって部材内部への燃焼拡大が抑制されるので、かなり高い耐火性能をもっている。
- 集成材の強度は、一般的な1級の集成材とすると、普通の木材の約1.5倍となる。ちなみにRCの強度は、集成材の1.5倍で、RCのはりの断面は、集成材のはりの3/4程度となるが、RCの比重が集成材の約4倍であって、重量は約3倍となる。したがって単位体積あたりの強度から見ると、集成材のはりはRCはりの約3倍の性能を有することになる。
木は、他の構造部材とは違った性質(乾燥する等)をもつ構造部材のようです。自然に作られるものである為、品質もまばらです。同じ樹木でも良いものか悪いものかの選択ができなければ良い設計及び監理ができないのではと思い始めました。
また、他の構造部材に比較しても見せる構造にする事が出来るためもっとも部材寸法に敏感になる必要のある構造部材だと感じました。
最後に集成材の性質を書いてみました。最近集成材の物件に関わる事ができました。25.0mスパンの建物のフレームを集成材で設計したのですが、梁、柱とも800mmの成(幅は150mm)となりました。柱と梁の境は湾曲した部材を用いました。図面上でも、そんなにおかしい形ではなかったので、今後の出来あがりが楽しみです。
いままでの木造建築物は優秀な職人さんが過去の経験を元に木造の構造部材の大きさを決定してきました。今後は、我々構造技術者がそれを受け継ぎよい木造建築物を残していかなければと思います。