2. 引張りに弱い
コンクリートが純粋に引っ張られた時に壊れる強度がコンクリートの引張強度です。引張強度は圧縮強度が高くなるほど大きくなりますが、圧縮強度の1/10〜 1/13程度と極めて小さいものです。
3. 収縮によりひび割れを起こす
硬化したコンクリートは、吸水によって膨張し乾燥すれば収縮します。乾燥収縮の基本的な因子はセメントペースト自身の収縮とされていますが、このスピードは初期に急速に進み時間がたつにしたがいゆるやかになってきます。長時間にわたって継続しますが、通常1年以内に多くは、収縮し、その量がひび割れの発生を大きく支配しています。
コンクリートが乾燥収縮した場合自由に収縮できるとひび割れは発生しません次図の様に拘束されて収縮が妨げられると発生します。
収縮ひび割れの防止法として、次の方法が考えられます。
- 水量の少ない配合を考える。
- 散水養生を実施する。特に、硬化初期(0〜7日)のコンクリート表面に対する散水および常時湿潤状態に保つための作業は不可欠。
- 誘発目地の設置 等
4. 中性化する−炭酸ガスが性質を変える
コンクリートは、本来アルカリ性で鉄筋コンクリートとした場合鉄筋の防錆に寄与しています。しかしながらコンクリートは、空気中の炭酸ガスの影響を受けて、コンクリート中の水酸化カルシウムがしだいに炭酸カルシウムになり、次第にアルカリ性を失ってきます。この現象を中性化といいます。
[Ca(OH)2+CO2→CaCO3+H2O]―中性化の化学式
密実なコンクリートほど中性化の速度は遅くなります。鉄筋コンクリートでは、中性化に対しては、密実なコンクリートとすることとコンクリートの必要な被り厚さを確保することが重要です。仕上げも効果的です。