たらすな亜米利加西海岸珍道中2004

8/7
前日があんなにヘヴィだったのに6時過ぎに目が覚める。Y岡さんも起きていた。テレビの音をBGMに二人で朝食。んで、再びウトウト。8時過ぎくらいに集合して、モーテル裏の公園で練習開始。渡米前の練習で左親指を痛めていた僕は、アメリカに来てこの時初めてのこぎりを弾く。テーピングでガチガチに親指を固定しての演奏は、やはり勝手が違う。はやく慣れなければ。練習していて、つくづく「一人一人が上手に弾けるだけじゃ合奏にならない」と思った。心がバラバラというか、自分のパートに必死でお互いの音が聞けていない。だから悪いところが指摘 できず、なんとなく弾き続けているだけの繰り返し。カラオケを流すためのCDプレイヤーの調子がイマイチだったり、暑さで参りながら弾いていたので、余計にダメだったのだろう。ものめずらしげに様子をうかがっている人がちらほらいたので、キレイな音を鳴らしたかったなぁ。それにしても、この公園はよく手入れが行き届いているな。広くて、空気もきれいで。こんな僕たちの音でもそこそこ気持ちよく響く。



練習を終えて食事をしにダウンタウンへ行く。サブウェイのようなスタイルのサンドイッチ屋で具を一つ一つオーダーして作ってもらう。カウンターのお姉ちゃんは、髪の毛が紫色のショートヘアーでメイクもきつめなパンク娘(っぽかった)。最初はクールな対応だったが、言葉のコミュニケーションがスムーズに取れず、具を指差したり身振り手振りで意思疎通を図ろうとすると、にっこり笑ってくれた。可愛かった。サンドイッチは、やはりでかかった。セットについてきたサラダだけでも結構なボリューム。健康的なんだかなんだか・・・。食べ終わってTOMじいさんの像に向かうと、すでに多くののこぎり奏者が集まっていて、にぎやかにセッションが繰り広げられていた。話には聞いていたが、平均年齢が高い。アコーディオン、ウクレレが伴奏をつけ、カントリーのスタンダードをたくさん演奏してた。そこでK口さんにモーガンさんを紹介してもらう。モーガンさんは、IMSA(International Musical Saw Association )の代表者。立ってのこぎりを弾くひげの似合うカッコイイおじさんだ。



最初は、セッションを遠巻きに見ていた僕たちだが、そのうち日本語が上手な男性が「日本の皆さん、何か弾いてください」と声をかけてくれた。K本さんとY川さんが仕込んでいたネタ「きらきら星」を披露。ウケてる。僕はビデオを持っていたのでしばらく取り続けていたが、ふと「このまま記録係をしてると、僕の姿が映像に残らんやんか!」と思った。アメリカの人達とセッションして遊ぶのが楽しみやったのに!そんな気持ちが伝わったのか、Y岡さんが交代してくれた。サンクス☆普通に弓で弾くだけでなく、ギロったり叩いたり、にぎやかで楽しいセッションだ。「さくらさくら」など日本の曲も演奏してくれた。やっぱセッションは、知っている人が多そうな曲を大勢で好き勝手に弾くのが楽しいネ。そのうち、フィドルやマンドリンを持った人も現れ、さらに賑やかに。ここに載せている写真で1/100くらいは伝わるかな?11/12に開催するMSFJ2004のチラシも配った。めずらしそうに持っていく人も多かった。でも、日本にまではやってこないんだろうなぁ。


セッションも終わりモーテルに一旦戻る。前夜祭の準備をして車で出発!モーテルから2〜30分ほどで着く予定だった。しかし、ここでもK口さんの迷ナビで大回りするハメに。ただ、しっかりと会場(蒸気機関車が走るキャンプ場)近くのスーパーにたどり着き、前夜祭でみんなで食べるパンや惣菜を買えてしまうところがスゴイ。K口さん、すごいよ・・・。スーパーでの買い物にもだいぶ慣れた。システムわからなかったら聞けばいいだけさ、そういうこと。前夜祭用に女性人陣は浴衣、甚平を着ていたが、スーパーで和服(?)は結構目立っていた。レジでお金を払うとお札は手渡しだったが小銭をくれない。Y岡さんが尋ねると、レジのおにいちゃんが面倒くさそうにレジの後ろにある機械を指差した。あ、小銭はココに出てくるから自分で取ってね、ってことね。効率の悪いシステム!先に買い物を済ました男性陣は、念のため地図でキャンプ場をチェック。大雑把な地図なのでキャンプ場が載ってるはずも無かったが、概ね進む方向は間違いなさそうだ。スーパーを後にし、5分くらいでキャンプ場に到着。良かった、よかった。


前夜祭と聞いていたから、もっと大々的にやってるのかと思ってたのだが会場となっているのは、キャンプ場の駐車場だった。すでにテーブルが並べられ、そこにみんなそれぞれに用意した食材がダイナミックに並んでいた。遅ればせながら、僕たちがスーパーで買っていったものも並べた。片言の英語で自己紹介しながらたくさんの人達とコミュニケーションをとる。自分の名前を冠したミュージカルソウも売ってるおじいちゃん(Charlie Blacklock)、鼻に何でも乗せるバランス芸のおっちゃん(Heage)、街角セッションでリゾネータウクレレを弾いていたCraig、平均年齢をグっと下げていた17歳の娘さん(Caroline)などなど、ステキな人達がいっぱい。もっと英語が話せたらなぁ、とつくづく思う。たそがれ時のアメリカのキャンプ場で、片言英語ではしゃいでいると不思議な気分だ。



ひとしきり前夜祭を楽しんだ僕は、一足先に会場を出る。2日遅れでアメリカに到着するサキタさんをサンフランシスコ国際空港まで迎えに行くためだ。K口さんと一緒に・・・。車を走らせてすぐ、サキタさんから電話が入る。かなり遅れているようだ。ま、空港で待ってればいいやって感じで、そのまま走る。しかし、運転はK口さん。山を抜けてフリーウェイに入り空港へ向かうはずが、なんで海沿いを走ってんだぁ!やっぱ、隣で地図を見ておかないといけないか・・・。そうこうしているうちに濃い霧が発生してきた。15mほど先がなんとか見える程度で、前を走る車のテールランプを頼りに距離を図りながら走らないとヤバいくらい。手に汗にぎる霧の海岸線を途中で山道に入る。空港に着いたらもうクタクタ。とりあえず、サキタさんが乗っているはずのエアカナダのカウンターに遅れ具合を確認しに行く。英語はK口さんに任せよう。どうやら、既に到着している模様。あれ?どんなに見積もっても30分以上、こっちが早くつくはずなのに、と思って荷物が出てくるところでサキタさんを探すが、居ない。表示板を見ると、聞いていた到着していなかった。違う飛行機会社の便に振り返られたのかな?などと考えながら2時間待つ。12時を回った。もしかして到着ターミナルが違うのかも?だだっぴろい空港内を走り回って、やっとサキタさんを見つけた。やっと会えた!しかし様子が変だ。ナント、大事な荷物(のこぎり)が届いていないらしい。大急ぎでK口さんを呼んでくる。係員に確認してもらうと、荷物はサキタさんが乗り継いだバンクーバーにあるらしい。なんてこったい!飛行機トラブルで到着が遅れた上に、荷物不達で追い討ちをかけられ、疲れまくっているサキタさんをリアシートに載せ、サンタクルーズに向かう。しかし、まっすぐ帰れない。ある程度道に迷うのは慣れたが、今は状況が違う。はやくモーテルについてサキタさんを休ませてあげないと、フェスティバルは明日(いや、数時間後)なんだから。グネグネと回り道し、セブンイレブンで道を聞き、山道をタイヤ滑らせながら(ヒヤヒヤ!)モーテルに着いたのは、朝の4時。Y岡さんは起きて待っていてくれた。サキタさんが到着したら乾杯しようと用意していたビールを開けて、3人で乾杯!

写真協力:K本さん、Y川さん

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