たらすな亜米利加西海岸珍道中2004

8/8
眠た〜い目をこすりながらも、さわやかな朝の空気に意識がハッキリしてきた。いよいよ本番当日。部屋で全員そろって軽く通し練習したあと、チェックアウト。会場に向かう。昨日知り合った人たち、初めて会うのこぎり弾き、キャンプを楽しみに来ている家族。駐車場からキャンプ場入口のゲートを抜け、広いひろいキャンプ場の中をどんどん歩く。寝不足なので、普段なら歩くのもイヤなコンディションのはずなのに、気分がいい。自然の中のおいしい空気のせいか?ステージ近くに並んだテーブルの幾つかを陣取り、荷物を置いた後さっそくグッズ売り場へ。ピンバッチやIMSAの会報、のこぎり弾きたちのCD、そしてもちろんミュージカルソウも。日本では2万円以上 のタグが付けられるブラックロックが30ドルちょっと(5000円程度)。しかしソフトケースは、別売りで16ドル。安いんだかなんだか・・・。30インチを買う。普段使っているスタンレーと比べると柔らかく親指が痛くない。サイズが大きいので低い音が楽に出る(ような気がした)。甘くやさしい音色。音程をコントロールする曲げ具合がスタンレーとは異なるが、少し弾いているとすぐに慣れた(ような気がした)。個人エントリーの課題曲「蛍の光」は、コレを使おう。


午前中は、メインステージから少し離れた場所にある大きな木下に作られたサブステージでコンテスト。日本から来たメンバーも含めて20数組のエントリー。課題曲+自由曲の2曲を弾いて1・2・3位と特別賞を決める。無伴奏のおばあちゃん、歌詞を配ってみんなで歌うよう盛り上げたおじいちゃん、手回しオルガンを日本人の奥さんが伴奏しノコギリ以外でも楽しませてくれた大道芸人、トイピアノの伴奏で不思議な演奏をした若者は、非常に暑い会場でネクタイ&ベストという井出達で登場。K本さんの演奏には会場にいた全員がサキタさんは、例によって借り物のノコギリと弓でもすごい演奏。


サウスポーの美人のお姉さんは、マイケルヘッジスとレコーディングもしたことがあったそうだ。ステージ横ではノートパソコンで表彰状を作りながらモーガンさんが演奏を聴いている。キャンプ場内を走る蒸気機関車が汽笛を鳴らしながら走り去る間演奏を中止する楽しいハプニングもあったり、本当にバラエティーに富んだコンテストだった。自分の演奏は醜すぎて思い出したくもない。弾いている写真を見るのは好きだけど(笑)。ちなみに伴奏用のCDやテープをかける機材は、ステージ脇に置かれたウォークマンで行ったのだが、途中から操作するお兄さん(ブラックロックの義理の息子)が消えたので、なぜか僕が操作することになった。なんともかんとも・・・。時間が経つにつれて日陰の面積が小さくなり、暑さと戦い体力を消耗させながらも全員の演奏を楽しんだ。

午後からは、メインステージへ場所を移す。ちょうどモーガンさんの演奏が始まったところだった。素晴らしい。背が高く足が長いから立奏しても絵になる(いや、やはり滑稽か・・・)。何組かの演奏が続いた後、午前中のコンテストの結果が発表された。1位はサキタさん(さすが!)。2位は地元のお姉さん、3位は東京から参加、ゴッドファーザーを正確な音程で弾ききった木元さん。特別賞は、大道芸人のGUY&K本(!?)。参加者全員が一人ずつ名前を呼ばれ、賞状を貰う。

いったん全員がステージを降りて、金メダルのサキタさんが曲を披露。その後、ヘッジの掛け声で全員がステージに集まりゆる〜いセッションが始まる。誰かが何かを弾きはじめて、それにみんなが合わせていくから、曲を間違える人もいたりして途中でどんどんずれていく(笑)・・・。収拾がつかなくなって(爆笑)、ハイごくろうさん(大爆笑)。その後はいよいよ「SAWHAPPY」の演奏。新撰組のギザギザハッピを羽織って数曲演奏。お客さんの目には、日本から来た酔狂な面々と映ったのだろうか。演奏は大うけ。最後の曲「ブラジル」で僕は客席に飛び込んだ。とても楽しかった。

その後もステージ上では素晴らしい演奏が繰り広げられ、中でも僕が釘付けになったのは、8歳(!)の男の子がギターを弾いているブルーグラスバンド。高価なサンタクルーズのギターは、「僕のものだ」と言ってた。バックステージで「何か弾いてよ」と言うと、すごい早弾きを披露してくれた。手がオートマチックに動いているという感じではあったが、この子がこのテクニックをさらに向上させギターが歌うようになったら、とんでもない事になるだろうと思う。こんな子供を宝石の原石というのだろう。世界は広い。時間は過ぎ、大阪メンバーが各々気に入った人達にハッピをプレゼントし、写真を沢山撮っているうちに、惜しまれながらフェスは終了。80歳のおじいさんの乗ってきた車は、超オンボロ。60歳から乗っているそうだ。ヘッジはビッグバイクで、モーガンは自転車で(あれ、キャンピングカーだったっけ?)、みんないろんな足で会場に来ていた。サヨナラ、ノコフェス。

僕たちはサンフランシスコに向かう。もちろん、K口号とは別々に(笑)。フリーウェイから見えるパノラマはアメリカそのもの。広大だ。都会へ向かうのが煩わしくなる。途中、真西に向かって車を走らせたときは、ちょうど太陽が沈む直前ときだったので、サングラスをしていてもまぶしい。こんな悪条件の道を高速で走っていくアメリカン。事故が起こらないのが不思議だ。サンフランシスコ国際空港を越えたあたりで道を間違え(ホントにアメリカの道路標識はわかりにくい!)余計な道を走ったが、1時間半ほどで無事にモーテルに到着。レストランで(高い!)夕食をとった後、K口さんとガソリンを入れにいく。アメリカのガススタンドは、セルフサービス。K口さんは満タン入れようとするが、どう考えても明日一日で走りきるわけが無いので、半分ほど入れる。部屋に戻ってビデオカメラの小さな液晶モニタでフェスの模様を軽くチェック。あー、終わっちゃったのネ・・・。明日は、サンフランシスコ市内の観光。さぁ、どうやって市内まで移動しようか・・・
写真協力:K本さん、Y川さん

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