31cmF4.5 鏡筒製作(2)


 

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いよいよ【素人】FRP作業に入ります。

まずガラスマットを裁断します。使用マットは#450です。
マットの展開は、筒のような単純形状では計算で出しますが、架台などは現物合わせ
で型紙を作ります。

筒は1周を2枚のマットに分け、継ぎ代を1cmとることにしました。
筒両端は硬化後に切り落とす様に2〜3cm長くします。

服装は長袖、長ズボン、マスク、保護メガネ、ビニール手袋着用です。

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FRPの準備をします。

上は右から手付きビーカー(1L)、硬化剤(100g)、アセトン(1L)、容器(1L)※1、
ポリエステル樹脂(4L)※2、スポイト(10cc)、茶筒に分けた洗浄用アセトンです。

手前は右からFRP細巻きローラー(75mm)、キャタピラローラー(25mm)、鉄ネジ
ローラー(50mm)、豚毛刷毛(50mm)です。
他に時計、温度計、新聞紙、割り箸、ウエスを準備します。

※1 容器には目盛りが付いているのでビーカーは不要でした。
この容器は樹脂が硬化すれば綺麗に剥がれるので、何度でも再使用出来ます。

※2 ポリエステル樹脂はノンパラタイプを使いっています。
大一化学さん(リンク集参照)の樹脂は促進剤入りですのでパーメック(硬化剤)のみ
加えればOKです。

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積層作業は必ず日陰で行ないます。

樹脂に硬化剤を約1%(これは温度により調整)加え割り箸などで良く攪拌します。
ローラーで木筒に樹脂を塗りガラスマットを乗せ、さらにマットが透き通るまで塗ります。
少しするとマットが軟らかくなるので、鉄ネジローラーで脱泡して余分な樹脂はローラー
で吸い取ります。
この作業は硬化剤を入れた後、20分程度で終わらせますが、簡単なようで難しいです。
最初は脱泡が上手くいかず、細かい気泡がたくさん残りました。色を塗れば見えなくな
りますが。
約600×700mmを2枚(0.84u)で樹脂700cc程使いました。
作業中はビニール手袋をしますが、樹脂でべとべとになるので、マット裁断用とは分け
ておきます。作業を終えたら新聞紙等で刷毛やローラーの樹脂を絞り出し、アセトンで
洗います。

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積層を終えたら日当りに置くと短時間で
硬化します。

はみ出したFRP※はグラインダーで切り
落とし、粗目のヤスリで削ずります。
このときすぐに目が詰まるので水を付け
ながら作業します。

※はみ出したガラスマットにも樹脂を塗っ
ておくと、グラインダーで切り落とすときに
楽です。金鋸でも簡単に切れます。

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マットの継ぎ目は盛り上がっているので
削ります。このような面を削るのはヤスリ
よりも金鋸の歯を使ったほうが目詰まり
せずに良く削れます。

この作業は次ぎの積層前に必ずします。
でないと継ぎ目の段差に空気か入ってし
まいます。

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【ここは失敗例です】

筒先にもマットを貼ります。

継ぎ目と端はちぎってあります(左)。

角のRに沿わせて貼りたかったのですが
浮いてしまいました(右)。

16 ガラスマット2層と筒先積層が終わった
ので、筒先を寸法に仕上げます。

定規をコンパス代わりにしてケガキます
(左)

小穴を開け、金鋸の歯で切り落とします。
後はヤスリでケガキ線まで削ります。

FRPは穴あけ、ヤスリがけも楽です。

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鏡筒内の補助リングを取り外しました。

#450を2層でもかなりしっかりしています。
重さは3.5Kg(2個で7Kg)程度ですから満足です。

この後、ガラスクロスを1層張ります。

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ガラスマット2層積層した上に、ガラスクロスを積層します。

マットのみでも剛性は十分な気もしますが、クロスを張ることで表面の仕上がりが
綺麗になります。でも使った最大の理由はクロスの張りも経験したかったから・・・。
クロスはマットのように正確には裁断できません。編み目が角に引っかかって伸びたり、
ひし形に変形します。ハサミで編み目に沿って切るのがよさそうですが、どうしても変形
しますので、大きめに切って使います。助手がいれば積層の途中で余分な部分を切り
落としてもらのが良いと思います。

クロスの位置を決めたらローラーで樹脂を塗り、脱泡します。
含浸はクロスを延ばすようにローラーをかけます。

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筒先はガラスクロスに切り込みを入れておき、中心側に折り曲げて貼り付けます。

心配してたよりも綺麗に貼り付つきました

 

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