農業風景の日常詩
あぜみち・80
   

5/10付
春のこくぼ農園の様子
 菜種は花が終わって、実がふくらんできました。今年春からミツバチを飼い始め、授粉がうまくいったのか実入りも順調な気がします。
そして、稲の種まき真っ最中です。まず、コシヒカリの種まきですが、今年も1粒蒔きです。ポット苗というものを作っていて、448個のポットがつながった苗箱を使います。1か所に一粒だけ、機械を使って448か所を一度に蒔きます。田植ももちろん、1か所に1本だけ植えます。結果は秋にご報告します。
 野菜もいろいろ育ってきました。キャベツ、ブロッコリー、レタス、ジャガイモ3種(1種は足尾の「船石イモ」という品種)、サトイモ5種、ニンジン、インゲン類各種など、まだまだ増えそうです。量はたくさん作れませんが、種類は数えていませんが、食べたいものは作りたいと思っています。いうまでもなくすべて無農薬、有機肥料、除草剤無しです。
 それから、イチゴをつくりました。孫たちがイチゴ大好きですが、いちご狩りのイチゴの農薬の事を知り、連れて行くのをやめました。そのかわり、露地で柔らかくておいしいという品種を作っています。柔らかいので流通には乗りにくいがおいしいとのこと。実際5歳、8歳の孫、1歳の姪は大好きです。市販のイチゴは一口かじって要らないと言います。
手前味噌の話ばかりで申し訳ありません。味見したい方は一声かけてください。
 しかし心配事があります。以前にも書きましたが、種苗法改正で自家採取が原則禁止となった影響です。私も自家採取して作り続けていますが、来年以降なんと違法で罰金や懲役もあるとのこと。あまりにもひどいことと思います。小麦の品種は国の機関が開発したものです。今政府はその種の権利を農業競争力強化支援法に基づき民間に渡そうとしています。将来的にそれを引き受けた民間企業が儲けられるようにする魂胆が見え見えです。(國母)




5/24付
 梅雨入りしたのだろうか。毎日、くもり、雨。
昨年は梅雨明けが遅く困りました。今年は長引かないでほしいと願います。
茄子、ミニトマト、すいか、まくわうり、坊ちゃんかぼちゃ、モロヘイヤ、きゅうりなどの苗を植えました。楽しみです。
 ブロッコリー、スティックセニョールの収穫。中心を取っても、あとからあとから子供が出てくる。もしかしたら孫までも―。いつまで成り続けるのだろう。これもまた、楽しみです。
(柏崎)




5/31付
 皆さんこんにちは。本日は、牛蒡について説明させて頂きます。牛蒡はキク科の多年草で、アジア・ヨーロッパが原産と考えられている。日本へは平安時代に中国から薬草として伝わったと言われている。料理は、きんぴらゴボウ、ゴボウの煮物、ゴボウサラダ、天ぷらのかき揚げなどがある。
 大まかな牛蒡生産作業工程について
1)前年度より、緑肥や麦を播いて畑造りをしておく。
2)窒素・リン酸・カリの三要素を含んだ肥料並びにPH(ペーハー)改善として苦土石灰の事前散布をしておく。
3) 作付け畝作りを3月上旬から5月下旬に掛けて、仮堀作業をする。これは、牛蒡が地下へ真っすぐに育つ様にする為に、大型トラクターにトレンチャーと言う掘削機を取付けて、約1.1〜1.2メートル位の深さ迄、土をキメ細かく柔らかくする作業を行う。まるで亀がゆっくりと歩くスピードで作業する為、時々眠くなります。
4) 種まき3月中旬から6月上旬に掛けて、種まきをします。これは、細い糸に5〜7cmに1粒ずつ牛蒡の種を編み込んだシーダーテープと言うロール状になったものを、手押しの播種機に取り付けて、人が押しながら播いていきます。品種としては、「常豊」と「柳川理想」の2種類になります。
5) 草との闘い、牛蒡の株元の草むしり及び管理機と言う機械で畝間(牛蒡と牛蒡の間)を攪拌して草退治予防を図る。・・・一寸でも油断すると畑一面草だらけで物にならなくなります。
6) 病害虫との闘い、a) アブラムシ⇒葉が黄色く変色して萎縮して生育不良となる。b) ゴボウゾウムシ⇒根に虫の食害が出来品質低下となる。c) 黒斑病・萎凋病⇒葉が枯れてなくなる。根の芯が黒くなる。・・適期に指定農薬散布。
7) 収穫作業は、播種から140〜160日を経てスタートします。モアーと言う機械で牛蒡の葉を跡形もなく刈り取った後、大型トラクターにディガー(ゴボウ掘り取り専用機)を取付けて土の中から牛蒡をゆっくりとした速度で掘り上げて行きます。収穫の早いものは、9月上旬から始まり、12上旬から正月向けを最盛期に、翌年の3月上旬頃までが収穫作業となります。掘り取った物は専用の機械に掛けてゴボウ茎を5mm程残し、長いもので90cmの長さにカットします。其の後、太いものから極細サイズ迄を、Aランク、Bランク、Cランクに選別し、栃木県産小山牛蒡として、産直センター経由で、皆様へお届けさせて頂きます。
(渡辺)
追記:6月全体の誕生花は「バラ」です。言葉は「美」、「愛」




6/14付
菜種の収穫  菜種の収穫をしました。もちろん無農薬、有機肥料で小鳥にも大人気、競争で収穫しました。昨年は競争に負けて、ほとんど収穫できませんでした。菜種が熟す直前が好きなようで、毎日来て2~3割は食べられてしまいました。本来は実が熟して、莢が乾燥してから収穫ですが、それまで待っていては、こちらの取り分が無くなってしまいます。少し未熟の実が混じっているので、よく乾燥してから搾ります。油の色は本来は黄金色ですが、少し緑がかった、まさにオリーブ色になり、味も良いと思います。搾り方は単純圧搾で、揚げ物、炒め物、ドレッシングなど万能です。てんぷらなどすると、美味しそうな黄色に仕上がり、油臭さが無くて、いくらでも食べられそうです。
 市販の油も菜種油(キャノーラ)が主ですが、溶剤抽出で微量成分、旨味、ビタミン類などほとんど除かれてしまい、かえって傷みやすい油で、さらに原料菜種は遺伝子組み換えの可能性が高いです。こくぼ農園の油、試してみたい方は早めに声をかけてください。(國母)




6/21付
 田植えも終わりやっと一段落した所ですが、今年は米価が暴落するのではとの見方がもっぱらです。コロナの影響で外食産業の需要が減ったことも要因の一つかもしれませんが、生産農家としては、毎年減反面積や飼料米を増やしているのにどうして?と言いたいです。
 それでなくても若い人は米作りをやりたがらない上に、高齢化や機械の更新が出来ないという理由で米作りを止める人が増えている事を考えると、近い将来、米も他の食品同様、安い外国産米に頼らざるを得ないことになりかねません。
(塚原)




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