MS-07B GOUF グフ
 ジオン公国軍 陸戦用量産型モビルスーツ
グフ
 ジオン軍の地球降下作戦に伴うMS-06Jの実戦投入データをもとに新たな陸戦用MSが計画され、MS-07案とMS-08案がメーカーから提出されたが、後にZEONIC社案が採用されて計画は統合され試作機YMS-07を経てMS-07が量産された。
 一見して分かるようにザク系の外観を引き継いでいるが、胴体内部のジェネレーターとコクピットの配置を変更し、ザクでは胸部にあるコクピットが腹部に移った。開発当初からドダイYSとの連携を想定し頭部ブレードアンテナを標準装備とし、脚部動力パイプの内蔵・関節カバーなど地上戦を意識した装甲強化を行っている。また、各部分の小型軽量化により内部容積に余裕が生まれたことから右腕ヒートロッドや左腕5連装マシンガンといった固定武装、脚部にサブスラスターの内装が可能になった。
 生産に当たってはザク用の生産ラインが転用された。A型として32機が生産された後、両腕に固定武装を装備したB型が主に生産されたが、マシンガンを廃止しヒートロッドを長距離タイプにしたB3型(グフ・カスタム)などのバリエーションが確認されている。エースパイロットが搭乗するケースが多く、中でも有名な「蒼い巨星」ランバ=ラル大尉が搭乗した機体はB型の試作機YMS-07Bを改装したものであるとされる他、地上軍司令のマ=クベ大佐にも専用機が用意されていた。
 また、ザクよりも基本コンポーネントが軽量化されていることから飛行試験タイプ(H型)の研究・開発のベースにも使用されており、ZEONIC社からライセンスを受けて委託生産していたZIMMAD社によって試験機MS-07C5が改造され、陸戦型MSの完成型であるMS-09のテストベッドとなった。

グフ:内部構造
内部構造 (制作途中に撮影)
RYOKAN's Impression
 グフです。漢のマシンです。名台詞を吐ける男しかこのMSには乗ってはいけないのです。だからこそ青いのです(ほんまか)。「ザクとは違うのだよ、ザクとは!!」に始まり「戦いに敗れるとはこういうことだ!!」迄数々の名台詞を残した"蒼い巨星"ランバ=ラル「アイナ様、自分は死に場所を見つけました」ノリス=パッカード「あれは良い物だ!!」マ=クベ。(え?) …いや彼には「ジオンはあと10年は戦える」てな名言もありますが(ハズれたけどな)。それはともかく、ランバ=ラル隊の構成(部下はJ型ザク)や司令官の乗機にされているところから考えると、宇宙空間用MSにおけるMS-06Sの立場と陸戦用MSでのグフの立場はよく似ているような気がする。
 どうでもいいけど資料を読むとランバ=ラルが上の名言を叫びながらガンダムの掌で自爆して死んだとき享年35歳なのね。てっきり40〜50代だと思ってました。ハモン様ともたいして齢が違わなかった訳で、更にいえば「逆襲のシャア」のシャアより1歳上なだけ。…見えん…(汗)

 さて、MGグフは期待よりかなり遅めに登場し、内部構造もMGザクから一新して脚はもちろん腕まで完全に内部フレームを再現、いってみればザク系のVer.2といった様子で出てきた。なにしろヒートロッドだの左手が5連装マシンガンだの元々の設定がリアルからは離れているため(笑)、デザインリファインにはかなり苦労したのではないかと。「08小隊」登場のノリス大佐のグフ・カスタム(B3型)がカトキハジメ氏のデザインだったし、細部を除いてカスタムのデザインに近くなったのは当然の帰結か。実際、その後に登場したMGグフ・カスタムでも頭部と内部パーツは共用。カッコいいんでそのうち作ろうと思っていますが。
 ザク同様に動力パイプはビーズ状パーツを芯に通していくのだが、ザクと違って単純な円筒形パーツだけでなく角度の付いたパーツも入っていて、曲線を描く動力パイプに隙間が出ないように工夫されている。そのかわりパーツを芯に通す順番を間違えられない。また、ザクでは芯とビーズの間に存在した密巻きスプリングが廃止されたのは残念。そして期待しつつ無理だろうと思っていたヒートロッドにも同じ構造が採用されて、嬉しかったけど作るのは大変。これだけでビーズ状パーツが50個以上というとんでもなさなのよ。たしかヒートロッド作るだけで4日かかったな…。その点カスタムは単純なリード線だけのタイプだから楽だろうけど。
 MSVの時には飛行試験型がキット化されたし、「08小隊」のキット(HG)ではグフ・クラフト(MS-07H8)がカスタムからのパーツ流用で出たけど、クラフトくらいはいつかMGでも出るのかしら。カスタムと違うのは膝から下と肩くらいだから意外に簡単そうではあるのだけど。

■MGシリーズで発売中のMS-07系キット
・MS-07B グフ 2000.10
・MS-07B3 グフ・カスタム 2001.2