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カトリック教会が説く人の道(モラル・倫理)


(最終補追日:2024年4月10日)


<1> 神は人間を神の似姿として造られた。それゆえ、人間は自分も他人も全て、一人一人がかけがえのない聖なる者、尊厳を持った者として生きている。公権も企業も教団も含めてだれもその権利を侵害できない。人は天の御父の前に、人種・民族・国籍・学歴・貧富・健常障害・老若・男女などに関係なく、等しく神の子であるから、その父のもとで互いに兄弟姉妹として尊敬し、助け合い、赦し合いながら、社会のなかでの役割を果たして生きる。(近年・現代のカトリック教会の総合的な大きな潮流の源になっているのは、「第2バチカン公会議」(1962〜1965年)である。

参考文献
(以下、文中にある「中央出版社」は、現在、「サンパウロ」と改称 http://www.sanpaolo.or.jp)

第2バチカン公会議公文書全集」(中央出版社刊ー初版昭和61年)、
自由の自覚 キリスト者の自由と解放に関する教書
教皇ヨハネ・パウロ二世使徒的書簡「女性の尊厳と使命」1988年(カトリック中央協議会刊)
教皇庁正義と平和評議会著「
教会と人種主義」1988年(カトリック中央協議会刊ー初版1990年
)、
教皇ヨハネ・パウロ二世回勅「真理の輝き」1993年(カトリック中央協議会刊ー初版1995年)、
M・シーゲル「
聖書が見る現代」1994年(ヨルダン社)
教皇庁国際神学委員会「人間の尊厳と科学技術」2006年(カトリック中央協議会刊)
,


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<2> 人は自分の命の発生において尊厳ある方法、つまり、夫婦の愛の実りとして出生する権利がある。人の命は受精の瞬間をもって始まる。従って、いわゆる体外受精のような人為的な生命発生手法は生れてくる側の人間にしてみれば不自然であるとする。また、一旦、受精した後、その命を故意に奪うような人工的な中絶や、その発育を阻む効果を生じさせるピル(避妊薬)は受容できないという立場をとる。

 参考文献
使徒的勧告 家庭 愛といのちのきずな


日本カトリック司教団教書「生命、神のたまもの 胎児の生命の尊厳についてのカトリックの見解


教皇ヨハネ・パウロ二世回勅 いのちの福音

堕胎に関する教理聖省の宣言


教皇庁教理省「生命のはじまりに関する教書〜人間の生命のはじまりに対する尊重と生殖過程の尊厳に関する現代のいくつかの疑問に答えて〜」1987年(カトリック中央協議会刊ー初版1987年)、

着床前の段階のヒト胚 科学的側面と生命倫理学的考

指針 人格の尊厳――生命倫理のいくつかの問題について

日本カトリック司教団「いのちへのまなざし」(カトリック中央協議会刊ー初版2001年)

教皇庁教理省、世界人権宣言75周年を機に、人権をテーマとする文書「ディニタス・インフィニタ」を発表(2024.4.8)
同上文書の全文(英語)Declaration of the Dicastery for the Doctrine of the Faith “Dignitas Infinita” on Human Dignity, 08.04.2024 "Declaration “Dignitas Infinita
生命尊重運動=http://japan-lifeissues.net/
カトリック学校の性教育=http://www.catholic-teachers.com/sub1.htm、
Sexuality Teaching in the context of Adult Responsibility= http://www.teenstarprogram.org/


キリスト教的道徳観に即した性教育の推薦テキスト:○ 著者=町田健一(国際基督教大学教授)・富永国比古(ロマリンダクリニク院長)、書名=愛するってどういうこと?〜新しい性教育ガイド〜(ISBN4-89222-302-6)、出版元=福音社、初版発行=2005年4月、税込み代金=714円 ○ 著者=富永国比古(ロマリンダクリニク院長)、書名=泣きながら夜を過ごす人にも(現代人のセクシュアリティ、性的トラウマ、新しい性教育論)(ISBN4-87395-444-4)、出版元=キリスト新聞社 電話(03)3260−6445初版発行=2005年7月、税込み代金=1,500円

○ 著者=長谷川はるひ(3児の母、養護学校・小学校特別支援学級などでの補充講師)、
書名=性について話そう
(ISBN4-901095-50-1)、出版元=株式会社アルム(http://www.arm-p.co.jp/)  電話(052)332-0861、 初版発行=2004年8月、税込み代金=840円


 <3> 人は出生した後、親の愛情のもとで、やがて社会に貢献するための育児、教育を受ける権利がある。結婚は神ご自身がつくられた制度として尊重される。結婚は一人の男と一人の女との間で、いずれかが死ぬまで保持しなければならない不解消の愛の絆である。この結婚の契約は相互の合意があって成立する。夫婦愛の表現としての性的な交わりは尊重され、生物学的にはその行為を通して新しい生命が誕生する可能性を秘めている。他方、夫婦愛の表現以外の、婚前・婚外におけるような性の行使はその目的に沿わないという立場をとる。人は家庭を築き、次の世代を残していく権利があるが、それは強制されることではない。各夫婦は新しい生命を愛の実りとして受け入れ、責任を持って養育する使命があり、社会はそれを支援する。責任ある出産・養育には、計画的に産児の調節をする立場の夫婦と、何ら調節手段を使わないで神に委ねる立場の夫婦がありうる。前者の立場をとる夫婦は、計画的な出産(いわゆる受胎調節)をするに当たって、神の道に適った手段・方法、(それは当然、夫婦の尊厳に適ったものでもある)でなければならない。パウロ六世は回勅「フマーネ・ヴィテ〜適正な産児の調整について〜」において、それに適合する方法があるとすれば、それは妻の周期を利用する方法だとした。その教説に対してカトリック教会内で多くの異論が出され、現在では、それに従っている人々、それを無視する人々、その教説に従いたくてもそれができないで良心の呵責を感じている人々、カトリック信者ではないがそのよさを評価している人々に大別されるようである。さらに、現在では、妻の周期の中で、いつが妊娠可能日か不妊日かの識別が本人自身によって簡単にできるようになったので、人工的な方法を使っていた夫婦もこの方法を習得し、実践しているケースも多い。

参考文献
ピオ十一世回勅「カスティ</U><U>・コンヌビー〜結婚の倫理〜」1930年サンパウロ刊
パウロ六世回勅「フマーネ・ヴィテ〜適正な産児の調整について〜」1968年サンパウロ刊
,教皇庁教理省「性倫理の諸問題に関する宣言」1975年カトリック中央協議会刊ー初版1987年)、
婚姻の尊厳 教区裁判所及び諸教区合同裁判所が婚姻無効訴訟を扱う際に遵守すべき指針
教皇ヨハネ・パウロ二世使徒的勧告「家庭〜愛</U><U>といのちのきずな」1981年―付録「家庭の権利に関する憲章」1983年(カトリック中央協議会刊ー初版1987年)、
教皇ヨハネ・パウロ二世「家庭への手紙」1994年(カトリック中央協議会刊ー初版1994年)、
教皇庁教育省「人間愛についての指針〜性教育のための指針〜」1983年(カトリック中央協議会刊

日本カトリック司教協議会家庭委員会編「家庭における性教育」(カトリック中央協議会刊)
;H.P.ダン著「愛と性と結婚生活〜産婦人科医が説くその実態〜」サンパウロ刊―初版1996年、
松本信愛著「いのちの福音と教育〜キリスト教的生命倫理のヒント〜」サンパウロ刊(関連ホームページ=http://www2u.biglobe.ne.jp/~shinai/)
、上智大学新カトリック大事典編纂委員会編「新カトリック大事典」Uの[計画出産]の項目−研究社刊ー初版1996年、E・ビリングズ/A・ウェストモア共著「ビリングズ・メソッド〜自然な受胎調節(排卵法)解説書」サンパウロ刊(旧称=中央出版社)ー初版1986年



ビリングズ・メソッドの開発者、ジョーン・ビリングズ博士死去のニュース(英語)
http://www.boston.com/news/globe/obituaries/articles/2007/04/04/john_j_billings_89_founder_of_a_family_planning_method/
http://www.lifesite.net/ldn/2007/apr/07040304.html


武田玲子/吉田由布子共著「ピルの危険な話」東京書籍刊ー初版2000年(関連ホームページ)


<4>
 人は社会において、ふさわしい経済的・政治的・社会的に貢献していく権利と義務がある。労働は人格の表現として扱われなければならない。人は以上のような社会を築くため、各々の立場において政治・経済・社会的活動に参与する。人は命の発生の時から、死に至るまで、自分の命も他人の命も、かけがえのないものとして、生存が保障され、尊重されなければならない。さらに、その命は永遠の命に通ずる人格を持ったものであるが故の尊厳に高められなければならない。だが、人間は利己心、利己欲に傾きやすく、他人のことは無関心に陥りやすいので、人権の侵害、差別、不正、犯罪、争い、戦争といったことの危険に曝されている。このような個人と個人、個人とグループ、個人と公権力、グループとグループ、グループと公権力、国家間などに正義の均衡が崩れれ場合、そこに正義、秩序、平和が回復されなければならない。公権力や国際機関はそのための重大な任務を負っているが、個人そして様々なNGO(非政府組織)も正義と平和の実現のために関わっていく必要がある。要するに、人は生命の発生・誕生から死に至るまで、個人において相互に尊ばれなければならないと同時に、そのような社会を建設するために貢献しなければならない。

参考文献

レオ十三世回勅「レールム・ノバールム〜労働者の境遇〜」1891年(中央出版社刊),
ピオ十一世回勅「クアドラジェシモ・アンノ〜社会秩序の再建〜」1931年(中央出版社刊)
,ヨハネ二十三世回勅「マーテル・エト・マジストラ〜キリスト教の教えに照らしてみた社会問題の最近の発展について〜」1961年(中央出版社刊)
,ヨハネ二十三世回勅「パーチェム・イン・テリス〜地上の平和〜」1963年(中央出版社刊)
,同じ回勅が「地上に平和を〜ヨハネス23世の道〜」という書名で春秋社刊)
,パウロ六世回勅「ポプロールム・プログレシオ〜諸民族の進歩推進について〜」1967年(中央出版社刊),パウロ六世書簡「オクトジェジマ・アドヴェニエンス〜回勅「レールム・ノヴァールム」公布80周年を迎えて〜1971年(中央出版社刊)
,教皇庁正義と平和委員会「教会と人権」1975年(中央出版社刊) 
部落差別の克服をめざして 部落問題に関するカトリック教会の基本姿勢
指針 移住者へのキリストの愛
教皇ヨハネ・パウロ二世回勅「働くことについて」1981年(カトリック中央協議会刊)
教理省「自由の自覚」1986年(カトリック中央協議会刊)、
教皇ヨハネ・パウロ二世回勅「真の開発とは〜人間不在の開発から人間尊重の発展へ〜1987年
アメリカ・カトリック司教協議会「万人に経済正義を」1986年(中央出版社刊)、
M・シーゲル「聖書が見る現代」1994年(ヨルダン社)、
西山俊彦「カトリック教会の戦争責任」2000年(サンパウロ〉
教会の社会教説綱要(カトリック中央協議会刊ー初版2009年)

回勅 ラウダート・シ――ともに暮らす家を大切に
フランシスコ教皇回勅(2015年)「ラウダート・シ ともに暮らす家を大切に」(全文日本語訳・音声で聴取可)


 <5> 人は病気や障害や老齢に際しては、ふさしい支援を受ける権利がある。

参考文献

高齢者の尊厳と使命
障害の重荷をともに担える日をめざして
祖先と死者についてのカトリック信者の手引

教皇庁教理省「安楽死に関する宣言書」1980年 
松本信愛/ダニエル・ロワリィ共著「安楽死に関するカトリック信者への指針」中央出版社刊
松本信愛(http://www2u.biglobe.ne.jp/~shinai/)「いのちの福音と教育〜キリスト教的生命倫理のヒント〜」サンパウロ刊


ローマ教皇や教皇庁の各庁、世界各地の司教たちは、時宜に応じて、全般的または個別的な問題について、教書(回勅)・使徒的書簡・声明などを出している。

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