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聖書の神・キリスト教の神・私が信じる神
(以下の小文は寺尾の旧友たちが主宰する途上国支援グループの会報に寄稿したものを本サイト用に加工したものです)
現在、新型コロナウイルスに振りまわされ、自分自身・家族・だれでもいつ感染するか分からない情況下にあります。この小文の読者の方や関係の方に感染された方がおられましたらお見舞い申し上げますと共に、コロナ禍であれその他であれの医療にあたっておられる方とその他の分野で深刻な影響を受けておられる方々に思いを馳せたいと思います。
さて、私は来年80歳になり、この世の人生の旅も終盤になり、死後のことにますます思いを馳せます。まず、死によって「私」は消滅するのか、死後もなんらかの形とか姿で生き続けるのかについてですが、当然、私は後者の立場を信じます。その根拠はイエス・キリストの復活とイエスが説いたことを信じるからです。さらになにを根拠にそんなことが信じられるのかについては、イエスの直弟子たちが命を懸けて証言したことを信じ、2千年たった現代までもこの宗教が存続していることです。これが作り話なら、そんなイカサマ宗教は続かないと思うからです。もちろん、これらのことは死んでみなければ判明しませんが全面的にそう信じます。(注:この小文に関する事柄は、すでにお読みになった方も多いと思いますが、気圧の単位になっているブレーズ・パスカル(1623~1662年)のパンセ(塩川徹也訳=岩波文庫など、数人の日本語訳あり)が深い洞察と示唆に富んでいると思います)
次に、聖書の神、キリスト教の神はどんな神なのか、まとめてみたいと思います。旧約聖書、詩編62の12~13節で「神は一つのことを語られ、私は二つのことを聞いた、「① 力は神のものであり、② 慈しみもまた、あなたのものである」とあります。
① なにもない処から、素材や原料や材料なしに宇宙万物を創造された力、それらの被造物に緻密な構造や法則と目的を与え、統制・制御可能な力と権力を手中に保持しておられる神。最近、小惑星探査機「はやぶさ2」が小惑星のリュウグウから砂を地球に持ち帰り、その分析から宇宙や生命の起源の解明に役立つと伝えられています。確かにそのなにがしかが解明できても、その発生起源や進化の方向、そして神の似姿であるヒトが出現することになったことは第一原因が存在しなければならないことは論理的にもそうであるはずですが、聖書ではその第一原因が神であると述べています。
② 慈しみについては、紀元前1800年ごろ、イスラエル民族がエジプトから集団脱出させてもらい、約800年後、落ち着き先のパレスチナでイスラエル王国を繁栄させてもらったことを直接体験した人々は、神の側から「数ある民族の中からエジプトで奴隷であったイスラエル民族を選び、救出、繁栄させてくださった神の恩寵に痛み入ったことでしょう。しかし、その民の子孫はその神の慈しみを忘れてしまったので、歴史を超越し、歴史を導く神はその民に罰として異民族に支配させることを許し、回心を促し、メシアを待望するように預言者たちを通して語りかけました。そして、メシア(キリスト)としてイエスという三位一体の神の一位である神自身をイスラエル民族に送り込んでくださり、その民族だけではなく、すべての人間を罪の束縛から解放して、永遠の命と幸せを与えるために、神と和解するために十字架上で犠牲になられました。つまり、神の慈しみ、憐れみ、慈悲を見せつけてくださいました。
クリスチャンは「使徒信条」「ニケア・コンスタンティノープル信条」にある神を門切り型に信じるだけではなく、その三位一体の神との親しい個人的な交流が可能です。つまり、人間同士が愛しあうように、それ以上に神との交流、神を敬愛し、慕うことです。偉大な音楽家・作曲家であるルートヴィッヒ・ヴァン・ベートーヴェンが洗礼を受けたドイツのボンの教会の洗礼台帳によれば、彼は1770年12月16日誕生と記されているので、本年は生誕250年を迎えます。彼は音楽家でありながら聴力を失い、自殺まで考えますが、神と個人的に深い交わりを経験し、それに基づいて、作曲の才能をいかんなく発揮しました。日本のクラッシック音楽の演奏会においても、彼の作品が一番多く演奏されていると言われています。それは彼が神との個人的交わりを通して作り上げた作品が宗旨に関わりなく、多くの人々の魂を揺さぶるからではないでしょうか。ベートーヴェンは神が与えた音の美しさをこの世に遺し、今なお称賛されていますが、当の本人はあの世で、時間と空間にしばられない音の美しさ・視覚的美・味覚・その他の楽しみなどこの世で感じた心地よさや歓喜とは全く異質の甘美な喜びに浸っているに違いありません。しかも、ベートーヴェンのみならず、すべての人の生涯は山あり谷ありだと思いますが、どのような情勢や情況にあろうとも、力と慈しみの源である神の中で生きていることを心したいと思います。
私に、そして、すべての人に憐れみと慈しみの神がこのような秘策、場合によっては奇策にも思える方法で用意していてくださる「新しい天と地」と称されるところと状態で、今度は利己心、虚栄心、煩悩、離別、争い、貧困、育児、加齢、食事―排泄、容姿、服装、病気、心労・疲労、悩み、苦しみ、災害、傷害、事故など一切の心配無用の状態で、三位一体の神の愛の美しさを絶賛して生きさせてもらえるように、この世での残り少ない年月をふさわしく生きることに努めたいと思う次第です。
それでは、来る2021年が地球家族に幸せをもたらす年となりますようお祈り申し上げます。
(2020年12月14日記、同年12月21日加筆アップロード)
(参考サイト)
パンセ:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%91%E3%83%B3%E3%82%BB
使徒信条 :https://www.cbcj.catholic.jp/2004/02/18/7456/
実演例:https://www.cbcj.catholic.jp/wp-content/uploads/2017/04/410ae4c046f1459d78bef379dc240c26.m
上記の伴奏楽譜:https://www.cbcj.catholic.jp/wp-content/uploads/2017/04/701b2c769663a51f7684090b512da480.pdf
ニケア・コンスタンチノープル信条 : https://www.cbcj.catholic.jp/2004/02/18/7451/
実演例: https://www.cbcj.catholic.jp/wp-content/uploads/2017/04/641cf16ba17a43f3436e9afd77198720.mp
上記の伴奏楽譜: https://www.cbcj.catholic.jp/wp-content/uploads/2017/04/nicea_2_accomp.pdf
ベートヴェン 荘厳ミサ曲、クレド(使徒信条)の実演例:https://www.youtube.com/watch?v=xCZspj1YtzU
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http://www6.plala.or.jp/pax-terao/sub-CarloAcutis.html
白血病のため、15才で帰天したコンピューター少年、 福者カルロ・アクティス(Carlo Acutis)から学ぶこと
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http://www6.plala.or.jp/pax-terao/sub-mayallbesaved.html
ハドソン川の奇跡が天国でも起こりますように!