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ハドソン川の奇跡が天国でも起こりますように!

2009年1月15日午後3時30分頃(米国現地時間)、ニューヨークのラガーディア空港を離陸したアメリカの国内線機が離陸し上昇中の1分32秒後、2つのエンジンの両方に鳥を吸い込み(バード・ストライク)、数分間の滑空可能の状態で、チェズレイ・サレンバーガー機長(ニックネーム:サリー)は最寄り空港に着陸を試みた場合、滑空可能時間の不足や、地上に墜落して飛行機のみならず地上に大惨事を起こすことを恐れ、眼下にあるハドソン川に緊急水面不時着を決断しました。(当時の外気温はマイナス6度、水温2度) 乗客150人と乗組員(機長+副機長+客室係3人)全員が沈みつつある飛行機から救出されたことは「ハドソン川の奇跡」https://ja.wikipedia.org/wiki/US%E3%82%A8%E3%82%A2%E3%82%A6%E3%82%A7%E3%82%A4%E3%82%BA1549%E4%BE%BF%E4%B8%8D%E6%99%82%E7%9D%80%E6%B0%B4%E4%BA%8B%E6%95%85と言われ、「ハドソン川の奇跡、原題: Sully)、2016年 米国製作」https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%8F%E3%83%89%E3%82%BD%E3%83%B3%E5%B7%9D%E3%81%AE%E5%A5%87%E8%B7%A1_(%E6%98%A0%E7%94%BB)

にもなり、NHKテレビがその再現映画と「アナザーストーリー」という番組でこの8月に放映していました。

不時着水した機は分解を免れたものの、後部の破損個所から浸水が始まり、70トン弱の機体は徐々に沈み始めました。この事故にいち早く気づいたハドソン川の通勤渡し船の船長は、すでに数名の客が乗船して待機していたのに、直ちにその飛行機に直行し、翼の上や水中にいる乗客を救助しはじめました。フェリーの乗客もそれに協力し、近くにいた船も次々と救助にやってきました。もしそれを見た民間人がやがて消防や警察が来るだろうと見ているだけだったら、全員の救出は無理だったでしょう。そして、最後に機から脱出したサリー機長は全部で何人救出されたのかの報告を待ち、155人全員だと知らされ、安堵しました。

すべての人命が死ぬことなく、自分に託された全員が救出されたことに安堵した機長の気持ちの中に、私は天国の永遠の命の救いを眺望します。この世においても、すべての人命が尊厳をもって大切にされるべきです。しかし、死の向こうの永遠の命の救いに到達できなければ、いくらこの世で幸運だったとしても意味がありません。私たちは神父・家庭人・職業人・病人・要介護人などとして、永遠の命の救いのために互いに奉仕する責任があり、各自がこの世の命を終え、主イエスの前に立つとき、「私が直接関わった人々、直接は面識がなく、名前も存じ上げないけれども祈ってさしあげた人々、私のために祈っていただいた方々は救われていますか?」と王であるキリストにお尋ねし、「全員救われていますよ」と喜びを共にできることを切に祈ります。マタイ・マルコ福音書にある主イエスの最後の晩さんのお言葉、そしてミサで司式者が唱える、「これは私の血の杯、あなたがたと多くの人のために流されて、罪のゆるしとなる新しい永遠の契約の血である」の「多くの人」が「全ての人」のためであることを心から願い、そのために奉仕しあい、赦しあい、和解しあい、祈りあい、神が「全ての人」に死後の永遠の喜びの命をお与えくださり、そして新しい天と地が創られ、復活させていただき、神の慈しみを終わりなく讃えることができますように。
(カトリック膳棚教会会報「ともに」2020年9月6日配布の草稿)

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