南アフリカ編−第1話 先行き不安なことばかり
  定刻より早く、ヨハネスブルグへ到着。どうやら、南アフリカ航空のフライトスケジュールは、
 かなり余裕を持たせているらしい。毎回、早着か遅れて離陸しても、到着時間は定刻に近くに
 なっている。
  再度、ヨハネスブルグで南アフリカへ入国し、国内線出発ロビーへ移動する。どうやら、一番
 端から端までの移動のようで、かなり遠い。
  ケープタウン行きのチェックインを済ませ、手荷物検査を通る。出発便の案内板を見ると、
 表示されているうちの半分がケープタウン行きだ。どうやら、15分おきくらいに出てるらしい。
 さすが、ケープタウンは首都の1つだ。
  「首都の1つ」ってなんのこと? と思われるかもしれないが、南アフリカの首都は3つある。
 三権分立制度により、それぞれの機能を分散しているのだ。行政府の首都はプレトリア。
 立法府がケープタウン。司法府がブラームフォンテンである。
  搭乗時間になったので、ゲートへ移動する。国際線のとは違い、ゲートの前が狭く、通路が
 あるだけで待ち合い所を設けていない。通路の端にはムービングウォークがあり、ぼく達は
 それで行ったのだが、その降り口まで客があふれている。仕方がないので、降り口の僅かに
 空いていた隙間に立ったのだが、あと2〜3人くれば、もう降りる余裕もない。しばらくして、
 2人増えた。そろそろ、やばいなあと思っていたら、ようやく搭乗開始。なんとか間に合った。

  ケープタウン行きのSA347便は、定刻の15時を少し過ぎた頃、滑走路に出た。エンジン
 音が高鳴り、いよいよ離陸かと思ったら、すぐにエンジン音が小さくなり、速度も低下。離陸を
 中止してしまった。機内アナウンスでなにやら状況説明をしているが、よくわからない。結局、
 そのまま搭乗口の方へ戻ってしまった。シートベルト着用のサインも消え、ぼく達はただ待つ
 しか出来ない。それから20分ほど経った頃、再度アナウンスが入り、機内の電源を落とすから
 エアコンも停止するようなことを言っている。どうやら、これは時間がかかりそうだ。まもなく
 エアコンも停止し、機内は暑くなってきた。これは、ダメかなと思い始めた頃、再び電源が入り、
 しばらくして滑走路へ向け移動を始めた。こういうことは以前にもバンコク〜カトマンズ便で
 経験したが、嫌なものだ。いくら大丈夫と言われても、不安は残る。それでも、SA347便は、
 否応なしにケープタウンへ向け離陸した。50分程度の遅れである。
  ヨハネスブルグの近くでは、いつものように激しく揺れる。きっと、いつもと同じ程度だとは
 思うのだが、あんなことがあった後では、ちょっと揺れ方がおかしいんじゃない?などと悪い
 方向に考えてしまう。それでも、正常に飛び続けた飛行機は、40分ほどの遅れで、無事に
 ケープタウンに到着した。良かった、良かった。

  現地係員(英語)に迎えられ、ウォーターフロントのホテルへ移動。ヨハネスブルグほどでは
 ないが、ケープタウンも治安が悪化しているらしい。そんな中で、このウォーターフロントは、
 まだ良い状態が保たれているそうだ。
  車の中で、現地係員から「ケープタウンにはいつまでいるの? 明日からの予定は決まって
 るの?」と聞かれる。もちろん、明日も明後日も、ちゃんと観光の予定は組まれている。この
 おっちゃん、知らされてないのか? 旅行社のしおりには、明日からの観光については、現地
 係員に尋ねるよう書かれているのだが・・・。一応、ケープタウンでのスケジュールは、以前、
 ヨハネスブルグで泊まったときにもらった予定表に記載されているのだが、集合時間に変更が
 ないか確かめたいのに、これでは役に立たない。実際、明日の集合時間と場所について尋ね
 てみたが、「私は何も知らない」との返事。ただ、この人、良い人みたいで、そういう案内は、
 フロントにメッセージを預けてあるのが一般的だということで、一緒にフロントへ言って話をして
 くれた。すると、封筒に入った資料が渡されたが、明日からの観光についてはなにも書かれて
 いない。このツアー、ケニアについてはほとんど問題なかったが、ビクトリアフォールズ以降、
 どうも情報が抜けていたり、不備が多いようだ。

  とにかくチェックインし、既に19時をまわっているので先に食事に出る。すぐ近くに大きな
 ショッピングセンターがあるので、安心だ。みいの希望で、ステーキの店に行く。出てきた肉は
 日本と違って、とてもでかい。でも、値段は日本より少し安い。焼き方も良いのか、ウェルダン
 だがとても柔らかい。ナイロビ以来、ずっと同じような食事が続いてきただけに、こういうのも
 いいものだ。

ウォーターフロントの夜景

  ホテルに戻り、明日の予定について、電話でケープタウンの現地手配会社に問い合わせて
 みる。幸い、日本語が話せる人がいるので助かる。みいが話したのだが、この人は、とても
 丁寧な対応をしてくれたようで、これで明日は大丈夫だろう。
  10日ぶりにネットにつなげてみる。KさんがHPのURLを教えてくれていたので、遊びに
 行ってみると、そこには、旅行中とは一味違ったKさんがいた。



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