ケニア編−第21話 サバンナ最後の朝
  3月23日(金)

  とうとう、ケニア最後の日がやって来た。いつものようにレストランで朝食をとり、7時には
 ロッジをチェックアウトして、サファリへ出発する。これが、最後のゲームドライブだ。
  ハゲコウの群れを横目に見ながら、草原へと繰り出す。すると、マングースの群れに
 出会った。マングースは、アンボセリでも車の前を横切って行く姿は見たのだが、すぐに
 草むらに隠れてしまうので、よく見えなかった。ここでも、なんとか写真を撮ろうとするの
 だが、近づこうとしても、常に車から同じ距離を保ちながら逃げていくのでうまくいかない。
 結局、撮れないまま草むらの中へ走り去ってしまった。残念。

  次は、無線で情報の入ったライオンを見に行く。なんでも、食事中とのこと。しかし、車が
 着いたときは、2頭の雌ライオンが歩いており、食事を終えた後だったようだ。先ほどまで
 食事をしてたと言う茂みを覗いて見ると、奥の方に寝ている雌ライオンと、シマウマらしき
 肉がかろうじて見えた。う〜ん、ちょっと遅かったか。


ライオン特集へ
 仕方がないので、他の場所へ車を進めて行くと、チェゲが茂みの
中にライオンの子供がいると言う。かなり深い茂みなので、最初の
うちは見てもわからなかったが、よく見ると、かなり小さい赤ちゃん
ライオンが、お乳を吸っている姿が見えた。チェゲに聞いてみると、
生後1週間くらいだと言う。まだ、目も開いてないような感じで、
すごく可愛い。しかし、よくこんな奥深い茂みの中にいるのを見つけ
たものだ。チェゲ、でかした!

  この後、昨日に引き続き、またもやチーターと出会った。しかし、今日はハンティングを
 始める様子もなく、ひたすら大草原を歩いて行くのみ。やはり、狩りの場を見ることは
 かなり難しいようだ。そういう意味では、昨日はラッキーだったと言えよう。

チーター

  楽しかったサファリも、ついに時間切れ。そろそろ、ナイロビへ向け出発しなくてはなら
 なくなった。名残惜しいが、仕方ない。帰り道を進み始めた車の前を、小さな鹿のような
 動物が横切った。ディクディクだ。姿形は鹿にそっくりだが、その身体は小さく、小型犬
 程度。なんだか不思議な感じがする。臆病な動物と言うことで、このときもしばらく木陰で
 こちらの様子を窺っていたが、すぐに草原の中へ走り去ってしまった。わずかだったとは
 言え、最後の最後で、また新たな動物と出会うことが出来た。

ディクディク

  再び走り出してしばらくすると、急なカーブの直後に川を渡る小さな橋にさしかかった。
 橋は車が1台通れる程度の幅しかないのだが、向こう側からやって来た家畜のロバの
 群とはち合わせした。ぶつかる!と思ったが、ぎりぎりのところで車は止まった。そんな、
 こちらの心配なんて気にすることもなく、ロバの群はとぼけた顔で車の横をすり抜けて
 行く。最後の1頭が来たところでやっと通れるなと思っていたら、なんとこのロバ、口から
 鼻のあたりにかけて、木の枝が突き抜けている。一体どうしたのだろう? 不思議に
 思ったが、ロバはさっさと行ってしまったので、わからずじまいだった。

ロバ撮影ビデオ
『ロバ軍団のお通りだい!』
MPEG1形式 約2MB

車窓撮影ビデオ
『激走! ナイロビへの道』
MPEG1形式 約2.8MB

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  車はスピードを上げ、一昨日も通って来たナロックの町を目指す。道端で草を食む
 ガゼルやインパラ、ヌー達ともこれでお別れである。時折現れる動物達の姿も、次第に
 野生動物から、マサイの家畜に変わってきた。途中、この前寄ったみやげ物屋の近くの
 ガソリンスタンドでしばし休憩。

絵皿  ここにもみやげ物屋があったので、お祝いを
くれた人達へのおみやげとして、絵皿を買う。
最初、3枚で130ドルと言われたが、さんざん
値切った結果、マサイテクノロジー(?)で
卵型に削った石をおまけにつけて60ドルまで
下がった。この時は結構安くなったと思ったの
だが、後から冷静になって考えると、皿1枚に
つき20ドル弱という値段は、かなり高い。
 う〜ん、まだまだだなあ・・・

  休憩を終えて、再びナイロビへ向け出発する。ナロックを過ぎて、一昨日にナクル湖から
 来たのとは逆の方へ曲がり、グレート・リフト・バレーを横断しながら先を急ぐ。やがて、
 大きな谷を越えると、急な上り坂にさしかかる。重い荷物を積んだトラックが低速で走り、
 行く手を塞ぐ。坂道の途中、左手に、教会が建っているのが見えた。チェゲによると、
 1942年にイタリア人宣教師によって建てられたカトリック教会だそうだ。詳しくは聞かな
 かったが、有名な教会なのだろう。

展望地にて

  その少し先、標高2140mのグレート・リフト・バレーの展望地で、しばし休憩。みんなで
 最後の記念写真を撮る。きっと、大切な思い出の写真となることだろう。

チェゲを囲んで



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