ケニア編−第14話 横断! グレートリフトバレー
  チェゲは今日も変わらずサファリカーをかっ飛ばし、マサイ・マラを目指す。途中ガソリン
 スタンド併設のドライブインで休憩。どうやら給油のためではなく、車の調子が良くなかった
 ので、点検のために寄ったらしい。詳しいことは聞かなかったが・・・その時間を利用して
 トイレに行ったのだが、ここも外国に多いタイプの便器がやたら高いところにあって、やり
 にくい。確かに、マサイの人はみな細くて背が高いので、丁度良いのだろうが、アジア系の
 背が低いものにとっては、ちょっと不便だった。
  売店に入ってみると、食料品の他、タバコもあったので、職場のおみやげの一つとして
 買ってみた。ぼくが買ったのは、「CHAMPION」と言うおじさんがガッツポーズをしている
 絵が描かれている銘柄で50kshだったが、中には30kshのもあったらしい。タバコは、
 比較的安いようだ。みいはポテトチップを買ったのだが、これは130ksh。日本円に直すと
 220円程だから、かなり高い。どうも、物価がいまいちつかめない。

スクールバス

  みいが買ったポテトチップを食べながら休憩していると、スクールばすがやって来た。
 バスからは制服を着た子供達が降りてくる。通学にしては時間が中途半端だし、遠足か
 なにかだろうか? どこの国でもそうだが、子供達の笑顔はとてもいい。

制服を着た女の子とピンボケチェゲ

石垣の上で・・・  そんな学生達とは違って、石垣の
上で朝からのんびりしている子供達
もいる。ケニアの就学率については
全然わからないが、学校に通って
いる子供なんて言うのは恵まれた
家庭の一部だけであって、多くは
そんな余裕もないのかもしれない。

 また違う方に目を向けると、こちら
には新聞売りのおじさんがいる。
やはり地元の人達にとっても暑い
のか、日陰で休憩中だ。
 ナイロビの市街地でも交差点の
周辺で新聞売りを見かけたが、
儲かるほど売れているのだろうか?

 今回の旅では、ケニアの人々の
普段の生活に触れる機会が
なかっただけに、このドライブイン
での休憩は貴重なものとなった。
新聞売り

  再び走りだした車は、グレートリフトバレーを横断する。そのためか、長い坂道を上り下り
 することが多くなった。とは言っても、日本のような急な坂道と言うよりも、緩やかでやたら
 長い坂道である。当然、上り坂では、重い荷物をつんだトラックがノロノロ走っているので、
 今まで以上に追い越しが激しくなった。チェゲも、連日の長距離走行とゲームドライブで
 疲れているようだし、大丈夫だろうか。ちょっと心配になる。しかし、グレートリフトバレーを
 走っているとは言え、見える景色は荒野と低い山ばかりで、特別良いと言うわけでもなく
 次第に眠くなってきた。すでに3人の女性陣はすやすやと眠っている。ぼくも時折うとうと
 してしまうが、それでもせっかくのケニアの風景を見たいという思いと、時々チェゲが話し
 かけてきたり、道が悪いところにさしかかって車が大きく揺れたりしたときにミラー越しに
 笑いかけてきたりするので、あまり寝ることはなかった。やっぱり、チェゲも1人で運転して
 いるのは淋しかったのだろうか?

  11時頃、途中の町ナロックに到着する。みやげ物屋でしばし休憩。みんな、おみやげを
 買うのに(値切るのに?)夢中で、1時間近く費やしてしまった。
  ちなみにぼくは、友人のおみやげにマサイダンスの絵が描かれた皿1枚、木彫りの
 キリン2頭、店員曰くマサイのスーパーテクノロジーで製作された(?)蛇のからくり箱
 2個を買った。当初70ドルだったのを25ドルに値切ったのだが、よくよく考えてみると、
 それでもかなり高いと思う。他の店でもそうだが、みやげ物がとても高いのが、ケニアの
 特徴の一つだと思う。

みやげ物屋とサファリカー

  12時過ぎ、再びマサイ・マラへ向け走りだした車は、12時50分頃、未舗装の道路へと
 入った。ガタガタ道でも、あいかわらずチェゲはとばしている。ロッジの昼食の時間が終了
 してしまうのを気にしているのかもしれない。みやげ物屋で少し時間を取り過ぎたようだ。
 その証拠に、別の車に乗っている岩城さん達は、先に出発していた。アンボセリのロッジ
 では昼食は14時30分までだったので、ここでも同じなら、ゆっくり食べる余裕がないかも
 しれない。
  そんなことを考えながらも、途中でマサイキリンの群れに遭遇すると、ついつい見るのに
 夢中になってしまう。他にも、ガゼルやヌー、シマウマを見ながら進み、ようやく今日から
 2泊するマラ・シンバ・ロッジに着いたときには、13時50分になっていた。幸い、昼食は
 15時までだったので、ゆっくり食べることが出来た。チェゲ、お疲れさん。

ロッジにて4人揃って昼食

  と、食事にありつけたのは良かったのだが・・・ぼく達とKさん、Tさんの4人のテーブルに
 ついてくれたウェイターがサラシと言うのだが、彼がやたら話し好きなのだ。最初のうちは
 楽しかった会話も、次第にうっとうしくなってくる。彼は、いったい、なにをそんなにアピール
 したかったのだろう?



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