ケニア編−第11話 地球の割れ目は、ふるさと〜!
  2時15分、レストランを出発して、今日の目的地ナクル湖国立公園を目指す。市街地の
 中心部は相変わらず混んでいて、また渋滞につかまってしまった。国立博物館の近くで
 停まっていると、対向車線にパトカーが何台も通って行く。それを見たチェゲが、大統領の
 車が通るかもしれないと言う。しばらく待っていると、パトカーに先導されて、上に旗をつけた
 大きな外車が通って行った。真っ黒なフィルムが窓に貼ってあるため中は見えなかったが、
 大統領であることは間違いないようだ。

  やがて渋滞も抜け、軽快というか、かなりのスピードでぶっとばす。疲れがたまっており、
 ちょっとウトウトして目がさめたら、突然、左手の視界が開けた。大地溝帯(グレート・リフト・
 バレー)である。

グレート・リフト・バレー

  グレート・リフト・バレーは、西アジアから東アフリカを南北に走り、ケニア、タンザニアを
 抜けインド洋へ至る断層線上に存在する、幅数十kmにもわたる地球の割れ目である。
 約1000〜700万年前に発生したプレートの移動により、アフリカ大陸は、今もこの長大な
 割れ目から東西に分断されつつあるそうだ。遙か昔には、これにより、激しい火山活動や
 地殻隆起が起こり、グレート・リフト・バレーに沿って4000mに達する山脈も形成された。
 この山脈は、アフリカ大陸に大きな気候変化をもたらした。それまで、熱帯雨林に覆われて
 いた広大な地域が、この山脈の影響により東側は極端に雨量が減少してしまい、やがて
 サバンナへと姿を変えた。この頃、樹上では我々の先祖である類人猿が生活をしていたが、
 樹木の減ったサバンナでは、その生活を続けることは困難であった。やがて、多くの類人猿
 たちが絶滅していく中で、地上での生活に適応できた一部の種族が現れた。彼らは、二足
 歩行を獲得し、その子孫が人類へと進化していった。つまり、グレート・リフト・バレーは、
 人類のふるさとなのだ。

グレート・リフト・バレーに点在する湖

  延々、何千kmも続くこの谷は、対岸が遥か彼方と言うほど壮大なもので、まさに地球の
 割れ目と言う表現がぴったりである。ところどころ大きな湖があり、ある湖の近くでは取れた
 塩を大きな白い袋に入れたものが、道路脇に並べられていたりする。そう、この辺りの湖は、
 塩湖なのだ。おそらく、流れ込む川ばかりで、流れ出す川がないのだろう。

ゲート(右はKさん)

  4時40分、ようやく国立公園のゲートへ到着。昼食以来のトイレ休憩と言うことで、ぼくと
 Tさんがトイレに行くことになった。トイレは、2つ個室がついている建物が2つあり、それぞれ
 別の建物に入ってみることになった。ぼくが入った方は洋式の便器があるのだが、これが
 むちゃくちゃ汚い。蜘蛛の巣が張り巡らされているし、便器は泥だらけの上に汚物がこびリ
 ついている。溜まっている水も腐ったような感じだ。当然と言えば当然なのだが、水が流せ
 ないからであろう。便器の上にタンクがついているのだが、レバーがないのだ。と言うより、
 どう見ても水道がひかれているようには見えない。まあ、「小」の方なので使用に差し支え
 ないが、あまりの悪臭に鼻が曲がりそうだった。ところで、Tさんの方はどうだったのか尋ねて
 みると、アフリカ式と言うのか穴が開いているだけの、いわゆる「ポットン便所」だったそうで、
 問題なく使えたらしい。彼女が洋式の方に入っていたら、困ったであろう。

サファリカー
ぼく達が乗ったサファリカー(ランドクルーザー/トヨタ)
屋根を開けるチェゲと、中央Tさん、左Kさん



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