前田の算数
算 数 コ ラ ム | |||
算数の楽しさって何? 楽しさの奥は深い! | |||
エピローグ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 楽しさの奥は深い ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ここまで、お話してきたことを、おさらいしましょう。 黒板にまとめてみますね。
さて、みなさん、今日の講義を聞いて、 楽しい算数の授業の作り方がお分かりになったでしょうか。 きっと分からなかったことでしょう。 なにしろ、私にも分からないんです(笑) ほんと、授業って研究すればするほど、奥が深いなあって思います。 「こうすれば楽しい授業ができる」という方程式なんて、ないのかもしれません。 私が今日お話した「算数の楽しさ」は、 「算数の楽しさ」の中のほんの1部にすぎません。 「算数の楽しさ」については、人ぞれぞれ、いろんな考え方があります。 昔、同じ小学校で勤めていた先生に魅力的な先生がいました。 その先生は、工業高校出身の先生だったんです。 その先生が言うには、 「理論値が実際値にぴったり合うことが快感なんだ」 と言っておられました。 なるほど、工業の人らしい発想だと思いました。 その先生は、重さの足し算や引き算の問題では、 実際に体重計を使うんです。 A君は23㎏、B君は19㎏、合わせて何㎏という問題をやるわけです。 答えは42㎏と計算したところで、実際に2人に乗ってみさせます。 体重計を見た子どもたちからは、 「やっぱり42㎏だ」と歓声があがるんです。 また、立体の体積を求める問題では、 実際に1平方㎝の積み木を使って模型を作られるんです。 計算で答えを求めたところで、 なんと、その模型を崩して、水の入ったメスシリンダーに入れるんですね。 体積の分だけ水位が上がりますよね。 メスシリンダーに答えが現れるんです。 それを見た子どもたちからは、 「やっぱり○平方㎝だ」と歓声があがるんです。 例えば、比の勉強では、紙1枚の厚さを求めるんです。 もちろん、紙1枚の厚さは測れません。 ですから、100枚の厚さを測って、それを100で割るんです。 計算で答えを求めたところで、なんと、さすがは工業科の先生です。 特殊な計器が登場するんです。 紙1枚の厚さも測れる計器を持っているんですね。 その特殊な機械で実際に測ってみる。 「理論値が実際値にぴったり合うことが快感」 私にはなかった発想だったので、なるほどと思いました。 そうかと思えば、全く逆のことを言う人もいます。 私が高校の時の数学の先生は、 「生活に生かせるような数学は、低俗だ。」 「実生活とかけ離れた数式こそエレガントだ」 と言っておられました。 なるほど、そう言われれば、そうかなあとも思います。 「算数の楽しさ」についての考えは、人それぞれ違うんです。 また、先程の私の話の中で「あれ」「どうして」が「算数の楽しさ」だと言いましたが、それと全く逆のことを言う人もいます。 「まずは、理屈抜きで機械的にやり方だけを徹底的に教え込む」 「できるようになれば、分かるようになる」 「できるからこそ楽しいんだ。分かるからこそ、楽しいんだ」 というのです。 なるほど、そう言われれば、そうかなあとも思います。 さて、算数の楽しさって、一体何なのでしょうか。 それは、答えのない問いなのかもしれません。 授業って研究すればするほど、奥が深いなあって思います。 でも、だからこそ、やりがいがあるんです。 「楽しい授業をしたい」 これを私は生涯の課題にしたいと思っています。 みなさんも、自分なりの「算数の楽しさ」について考えてみては如何でしょう。 楽しい算数を! ドラマある授業を! ご静聴ありがとうございました。 |
|||
目次へ | TOP | ||