前田の算数

前 田 の 算 数  実 践 事 例
ケアレスミスをなくす 3つのアイディア
「しっかり見直そう」では、もミスはなくならない!

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 ケアレスミスをなくす3つのアイディア
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テストでのうっかりミス。
せっかく分かっているのに間違うのは、もったいない。
「ここは間違えやすいから気を付けてね!」
「早く終わった人は、たしかめ算をしましょう!」
「問題をしっかり読もうね!」
「見直しをしっかりしようね!」
などと、子どもたちに呼びかけてはみるものの、なかなかミスはなくならない。
そもそも、うっかりミスをする子に限って、
先生の忠告も、うっかり聞き逃しているのである。
ここでは、ケアレスミスをなくすための、3つのアイディアを紹介したい。



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 @ 間違いを予言する!
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1つ目のアイディアは、間違いを予言することである。
「こんな間違いをする人が、必ず3人います!」
などと予言しておくのである。
子どもたちは間違う何人かの中に入りたくないから、
間違えないように必死になるのである。

例えば授業の中でテストで間違えそうな内容が出てきた時、
「長方形を直方形って書く人が必ずいるんです。
きっと、今度のテストでも直方形と書く人が2人いますよ」
などと予言しておく。
例えばテストをする直前に
「最近テストが続いて疲れてきましたね。
今日は、きっと単位を書き忘れる人が2人いますよ」
などと予言しておく。
さらに
「きっと先生の予言は当たりますよ。当たるかどうか勝負しましょう」
と付け加えれば、楽しく盛り上がる。
子どもたちは間違う何人かの中に入らないように必死になる。
予言が外れても構わない。
「先生の予言が外れました。賢いクラスです」
と褒めてやればいいのである。

詳しくは、こちらのページ

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 A たしかめ算の指導をテスト直前に!
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2つ目のアイディアは、たしかめ算の学習をテストの直前にすることである。
「今から、明日のテストで絶対に満点をとれる方法を教えます」
そう言って、たしかめ算の学習を行う。
すると子どもたちは切実感をもって授業に臨む。

たしかめ算は、計算ミスがなくなる魔法の計算である。
例えうっかり4+2=7と計算してしまっても、
たしかめ算をすれば7−2=5となって間違いに気付く。
ポイントは、子どもたちがたしかめ算をするかどうかである。
たしかめ算を「面倒だな」ではなく、「便利だな」と思わせるようにしたい。


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 B 「しっかり」の中身を示す!
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3つ目のアイディアは「しっかり」という言葉の中身を伝えることである。
我々教師は「しっかり」という言葉をよく使う。
例えば
「しっかりと問題を読みなさい」
「しっかりと見直しなさい」
といった言葉である。
しかし、「しっかり」と言われても子どもはどうしていいか分からない。
「しっかり読むとはどのように読むことなのか」
「しっかり見直すとは、何をどのように見直すことなのか」
それを明確に子どもに示すことが大切だと思う。

例えば、
「しっかり読むとは、大切なところに線をひきながら読むことですよ。
分かっていることと尋ねていることに線を引くんですよ。」
「しっかり読むとは、1文節ずつ区切って読むことですよ。
1文節ずつイメージしながら読み進めるんですよ」
と教えておく。

また、
「しっかり見直すとは、次のことを見直すことです」

1 解き忘れはないかな?

2 聞かれた通りに答えているかな?
 ※「記号で」「2つに○を」など、文末をよく読もう。

3 単位の書き忘れや書き間違いはないかな?

4 計算ミスはないかな?
 ※たしかめ算をしよう。
 ※文章問題の計算も忘れずに見直そう。

5 文章問題の式は合っているかな?
 ※図にかいてみよう。
 ※かんたんな数におきかえて考えてみよう。
 ※答えが妥当な数字か確認してみよう


と教えておく。

こうした見直しの観点は、「テスト見直し5箇条」などとして、
模造紙に書いておくと便利である。
1度作ってしまえば、テストの度に使うことができる。

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 おわりに
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たかがミス。されどミス。
目くじらを立てて指導する必要はないが、
楽しく、しかし確実に、指導していきたい。

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