「こう暑いとさすがに参るなー」 といいながら、熊はなぜか南へ南へと向かった。止めても進路を変えず、こいつ暑さでやられたんじゃないか、と思ううちに、海沿いの村についた。 そのころには自分も暑さに慣れてしまったせいか、強い日差しを楽しむ余裕もできていた。諦めたともいう。 熊が勝手に小屋を借りる算段をしてきた。 「ここでしばらく夏休みにしよう」 酒も食い物も旨いから、といい、どちらも堪能するとさっさと昼寝に入った。 まあそれも悪くない。しばらく懐も持つだろう。自分も納得した。諦めたともいう。 朝起きて食事をして午前中の昼寝をして、昼食を取って午後の昼寝をして、夕食の後夜遊びして遅くに戻って寝る。 自堕落を絵に描いたような生活だ。今も熊は樹の間に張った布を寝床に、昼寝している。 表情はあくまで太平楽だ。 「・・・・・・」 こんなに一つところにいるのは久しぶりだ。最初は気になって眠れなかった波の音にもすぐなれた。熊のいびきにはもう耐性ができている。 しかし熊はともかく、自分はそう寝てばかりもいられない。 本でも読むことにした。他にすることがないので、やたら読書が進む。気づくと日が暮れているか、本を読み終えてしまう。次の本にとりかかる。 仕方がない、といいながら、何もすることのないこの生活が、自分にも苦ではなくなっている。諦めた、わけでもないような。 そんなわけで数日が過ぎた。 昼の食事時かな、と本から目を上げると、聞き慣れた腹の音とともに熊も起きあがった。 そうして食事を終えると、また寝床に戻ろうとする。こいつまさかこの暑いのに冬眠してるつもりじゃなかろうか。 樹林さんちから残暑見舞いv いただきましたv ありがとうございましたv うへへ。
・・・更新遅くてすみませんでした。 以下蛇足でおまけ。 (030905) |
樹林コメント 押し付けた残暑見舞いにおまけを戴いてしまいました! いや、期待はしてたんですがね(おいこらー!) たまにはのんびり過すのもいいですよねぇ。 素敵な夏休み、有難う御座いましたですー |
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