------スペイン旅行記------

 2005年8月、ついに念願だったスペインへと旅立つ。
8日間という短期間だったが、見たかった作品、見たかった
建物をたくさん観ることの出来た旅だった。旅の思い出とし
て書き綴った日記と写真をもとにスペイン旅行記として記録
する。
その2(8/3)



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フェリペと一緒にはいチーズ!

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こっちはウィッキーさん。じゃなくてカルロス3世

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我が子を喰うサトゥルヌス

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これもゴヤ。見たことあるよね


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母乳をあげるヒゲ親父。おかしくないか、それ

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これはボスの作品。よく見ると何か変


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メロン。細長い


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2両編成のようなバスがけっこう走ってました


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ハモンイベリコ


8/3(水)----------------- マドリッド 晴れ


 明け方の4時頃トイレに起きる。ホテルの窓から見えるロータリーの街灯がオレンジ色に輝いている。人の気配は全く無い。再び眠る。

 6時半起床。外はまだ暗い。日本と比べ経度(緯度?)が高く、日の出日の入りが遅い。昨日暗くなったのは21:30頃だったか。シエスタがなけりゃ確かにやってらんないよなとも思う。7時を過ぎようやく彼方から空が明るくなってくる。8時になりホテル内のレストランで朝食、「ブエノスディアス」「オラ!ブエノスディアス」。朝食は写真の通り。謎の果物を二つ食す。洋なし、ソルダム。食べ終わる頃には周りには日本人ばかりになっていた。日本人タイム?

 準備をして外出。今日はプラド美術館ソフィア王立美術館を観る。ユウコさんのリクエストで今日はターバンを頭に巻いて歩く。心なしか通り過ぎる人々の視線が頭に向いている気が…。宿泊したホテルからはおよそ2km弱の距離。9時30分、気温は半袖半ズボンの身には肌寒い。途中、バス停の温度計では17℃。きっとこれから上昇するでしょう。空は青空。20分くらい歩きプラド美術館着。入館料は一人6ユーロ(840円)。カメラはフラッシュを使わなければOKとの事で何枚も撮る。暗くて多少ぶれてるのは仕方なし。

 まず、フェリペ2世と感動の対面。似てるなぁ。ティッツィアーノが描いたようです。ユウコさんがとても楽しみにしていたボッスはやはり変な人でした。よく知られた「快楽の園」の他にもわけの分からないのとかもあって、1500年の頃に、周りの人間がキリスト教的な絵を描いている中でこういった絵を描くというのはよっぽど度胸があるか、単なる変人だったのかのどちらかだよなぁと思う。スペインを代表する画家、ベラスケス、エル・グレコ、ゴヤの収蔵がこの美術館の特徴の一つでもあるようだけど、教科書で見たことのある作品を生で観られたというのは良かったけれど、それほどグッと来る事もなかった。プラド美術館が広すぎて、その作品まで辿り着くのにいろんな絵を観すぎたというのは原因の一つだと思う。ほとんどの作品がキリスト教的なものと、王族や宮廷貴族を描いた作品でものばかりで、さすがに飽きていたというのもある。どの作品も額が金ピカ装飾ゴージャスだし。・・・そうは言ってもゴヤの「我が子を喰うサトゥルヌス」は強烈でした。

 TIENDA(売店)で買い物をして、次はソフィア王立美術館へ向かう。途中、適当なレストランに入り昼食をとる。メニューが出てくる。読めねー。スペイン語をほとんど勉強してないのだから当たり前なのだけど。じっくり読んでみる。パスタ、ふむふむ、ガスパチョ、ふむふむ読める。サラダも読めるぞ。スペイン語も基本的にはアルファベットを使用した言語なのである程度は読めるのだ。しかしメインディッシュが全く読めない、意味が分からない。しばらくするとウエイターがやって来て、チキン、ポーク、フィッシュと英語で説明してくれた。チキンにする。ユウコさんはフィッシュ。「アグアoビーノ?」今日はビールじゃなくてワインにしました「ビーノチント」ランチに付くワインだからグラスワインと思っていたのにテーブルに運ばれてきたのはフルボトル一本。おい、こんなに昼から飲めないよ。周りを見るとけっこうみんな赤ワインを飲んでいて机の上にはフルボトルが乗っている。まっ、いいかたくさん飲めるし。ユウコさんはアグア(水)を頼んでペットボトル一本とグラス。

 一皿目、ラビオリみたいなパスタ、ユウコさんはガスパチョ(スペインの料理で冷たいスープ)。二皿目、ポテトと手羽先のようなチキン。うーん油っぽい…。ユウコさんは白身魚とポテトのソテー。ワインはボトル半分でやめた。周りの連中も残してたし。そーだよな、まっ昼間からボトル一本あけたりしないよな。安心したよ。きっとこのボトルワインもつぎ足しながら使っているんだろうと思う。食後のデザートはフルーツをチョイス。メロン。細長い…。スペインでメロンはとても安く、スーパーマーケットで見たら一個0.5ユーロ、約70円程度で売っていた。日本の10分の1以下だね。スイカも同じくらい。味もそこそこでサッパリした甘さでした。


−スペインワイン事情−
スペインは世界有数のワイン生産国です。イタリア、フランスに次いで実に世界3位。ブドウ作付け面積は世界1位なのだそうです。しかしそのほとんどは国内で消費されてしまい、海外への輸出はそれほど盛んではないらしい。スーパーマーケットでは2ユーロ(280円)程度のボトルがズラリと並び安い物では1.25ユーロ(175円)と滅茶苦茶安い。もちろん高いワインもあって、そんなものは鍵の付いたガラスケースに飾られている。スーパーマーケットなので、庶民が日常的に飲むワインが置いてあるのだからそれ程高価なワインは置いて無かったけれど、ビールと共にアルコール飲料がリーズナブルなとても良い国だと思いました。


 ソフィア王立美術館は、先に見たプラド美術館と違い、現代の作品を収蔵・展示している美術館だ。プラドがゴヤ、ベラスケス、エル・グレコという中世のスペインを代表する画家の作品を展示しているのに対し、ソフィアはピカソ、ミロ、ダリ、タピエスなど現代スペイン絵画を代表する画家の作品が展示してある。僕個人としてはこっちの方が好きなので「やっぱ、いいわ」と観る。日本人の客がほとんどいなくて、それもまた良い。プラドは団体客などがけっこういた。この建物の2階と4階が常設店展で、3階でやっていた企画展も観た。誰だったかは忘れた。やっぱりタピエスが良かったですよ。何で好きなのか自分自身分かんないんだけど良いんだなぁ。適当に貼り付けたり引っ掻いたりしただけなんだけどなぁ…。学生の頃に新潟まで行ってタピエス展を観たこともあって、今回はバルセロナにあるタピエス美術館にも行くつもりでいる。

 作品を観て行くと前方に人だかりが。そこにはピカソの、かの有名な作品「ゲルニカ」。そうこの美術館にはゲルニカが展示されているのだ。作品についてはここで述べるまでも無いだろうので割愛−ここを読んでいる人には釈迦に説法というものだ。大きい作品が多いソフィア王立美術館の中でもひときわ大きい作品で、観ている人達も多い。スペイン、スペイン人にとっても歴史的な意味で含む物が多い作品だと思う。しかし僕にとっては、画集や教科書などで何度も見たことがあって、時代背景も知っていて、自分自身の中で消化されている作品だけにグッと来るものはあまり無かった。前知識として知っている事は、ある意味では不幸な事かも知れないと思う−逆に作品を深める事ができる場合もあるけれど。ピカソの隣の部屋にはジョアン・ミロの作品が展示されていたんだけど、観てる客はまばらだった。ま、そんなもんだよな。ここの売店ではガラスの灰皿とポストカードを買う。ユウコさんはくにゃくにゃ定規を買ってました。

 立ち疲れ、歩き疲れたので帰りは地下鉄(メトロ)でホテルへ。旅の本やインターネットでは「旅慣れない旅行者には危険、利用しない方が無難」とあり、ユウコさんは敬遠したがっていたのだがレッツトライ!外国人の旅行者がけっこう利用しているのに、日本人という理由だけでスリや強盗に狙われるから止めておこうなんてとてもシャクじゃないか!GoGo!

 メトロの利用法はいたって簡単。入口で1ユーロのキップを買い、自動改札を通して電車に乗る。市内は一律1ユーロ。路線図の見方や乗り換えもとっても分かりやすく便利。かなり警戒しながら乗ったけど結局無事に地上へ。確かにアンダーグランド(正にその通り)な雰囲気はあったものの、やはり自分で確認してみるもんだ。明日も利用するよ。少し緊張するけど。

 ホテルに到着、昼寝後外へ。昨日とは違う汚いバルでビールを一杯飲んで、昨日行ったバルへとはしごする。カルロス(と勝手に命名した店員)は今日も働いていて、ウノカーニャって言ったのに2杯持ってきやがった。飲むからいいけど。今日はクロケッタとハモンセラーノ(生ハム)を食べる。ジェスチャーでタパスで無いのか聞いたら無いと言われ皿でもらう。スペイン語でカルロスがイベリコと何とかどっちにするか聞いてきたのでイベリコを注文する−前にイベリコの生ハムは最高級品と読んでいたのだ。一口目、うめー、うめーよイベリコ。パクパク・・・ビールも進む。グビグビ。最後はでもしょっぱくて食い飽きた。まそんなもんだよな。メニューを見るとけっこう高くて16ユーロ(二千円ちょい)うーん、イベリーコー。

 ホテルに帰る。10:30。疲れすぎて即寝る。
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