レポート 投稿 マスコミ
地域生活応援誌 Juntos [ふんとす] vol.33 連続掲載【4回目】 2006.12.01発行
発行:全国コミュニティライフサポートセンター(CLC) 

幸せで楽しい生活を「4」
第4回「家政学と家庭科教育」

 ファミリー・ライフ・エジュケーションは、私たちが生まれてからずーっと、ついてまわる日常生活の事柄や人付き合いを取り扱う世界です。場合によっては空気のように当たり前すぎて、「気をつける」「大切にする」ことを忘れがちになってしまう事柄でもあります。

 でも、あたり前のように存在することなので、これらが崩れてくると生活も乱れるし、人間関係もおかしくなるし、健康も脅かすことにもなります。これは大きく木が成長するための土や、陶芸でどんな形のものを作るために必要なしっかりとした土台に似ています。スポットライトは浴びないけど、これなしでは何もできない。これなしでは成長できないものなのです。

 ファミリー・ライフ・エジュケーションの基本となるものは日本でも存在します。それは大学では家政学、中学校、高校では家庭科教育です。それが家族サポートとどういう関係があるの?と、反応を頂きます。それほどこれまで、本当の価値を見過ごされてしまってきたのです。
地域生活応援誌
Juntos [ふんとす] vol.33
◆こんなときありませんか?
* もっと子育てのアイデアがほしいな。
* 思春期の子をもっているのだけれど、どう接したらいいの? 
* 子供の成長のこともっと知りたい
* 子供と一緒に自分ももっと成長したい
* 生徒のことで父兄と親子の生活について話をしてみたい。
* もっと、子供、親子関係の知識をいれたい。
* 親が仲が悪い。どうすればいいの。

 私が学んだ大学家政学部の授業は、毎回が興味の連続で充実していました。結婚前の、子を持つ前に学べてよかったと思っています。あとは結婚するだけです。(笑)

 また、早く知っていれば、家族のごたごたをもっとスムースに解決できていたと思っています。私の両親はとてもエキサイティングな人たちで、お互い同士で2回離婚し3回結婚しています。何十年も家庭不協和だったのです。両親も心身共にたいへんだったと思うけれど、こどもの私たち(妹がいます)も、自分の成長段階において苦しかったのです。だから、授業で学んだことは家庭で嵐のように起こった出来事を振り返り、「あの時、あーすればよかった」「なぜ、あーなったのか、わかる」と、すべての家族問題の解決の糸口が見えたのです。

 他人の家のことに口をだすことはと躊躇し、親切も中途半端になったり、家庭不和などあれば、人が去っていくことさえあるのです。本来、人が困っているときは手をさしのべることがいいと思います。それと同時に、一人ひとりが他を頼ることなく自立した人間になることも大切だと思います。いつも自分のことをどうしていいのかわからず、どうにかして〜と、人に依存したら、もっと苦しくなっていくでしょう。

 自立し、人を大切にして、社会生活を送るためにも、生活の知恵、人付き合いが楽しくなるアイディアがいっぱいの家庭科を中学校、高校で充実して欲しいと思っています。そして、現在の家族サポートや学校教育に携わる人たちがファミリー・ライフ・エジュケーションの土台である家政学の知識をもっていたら、家族、家庭生活の事柄が今まで以上に良く見え、サポートがもっと充実していくと思います。こんなことを大学や、学会で熱く語っています。
 
 学んで本当によかったと思う授業内容をここではすべては紹介しきれませんが、いくつか載せておきます。「会話の仕方と対立の関係」「恋愛関係:デート・相手選びと自尊心・デート暴力・ホモ・ゲイ・レズビアン」「世代別の性のあり方:セックスの種類・性病」「妊娠・出産・親になって」「世代別に変わる結婚のあり方」「親子関係」「DV/虐待」「親と子の精神状態と離婚・別居」「再婚・シングルペアレント」「家族のモラル・家族と社会」などです。
どうでしょうか?これらのことはとても関心があるテーマではないでしょうか。思春期のデートでは、初体験はいつが正しいのか?男の子にもてる女の子の容姿は?なんてクラスディスカッションがあり、面白かったです。

 私の講座では自分自身が経験した楽しい授業をもとに、参加した人たちが、自分なりの応用がきくようになって、生活に活かせていただけることを願い、開いています。ひとりでも多くのみなさんによく伝わるようにがんばります。

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