レポート 投稿 マスコミ
地域生活応援誌 Juntos [ふんとす] vol.32 連続掲載【3回目】 2006.10.01発行
発行:全国コミュニティライフサポートセンター(CLC) 

幸せで楽しい生活を「3」
第3回「小学生の子をもつ親対象のワークショップ」

 今回は、日本に帰ってきてから取り組んでいるワークショップを紹介します。今までに、一回、二回、六回シリーズ社会人向け、親向けワークショップなど、いろいろな形で行っています。 

◆ワークショップの準備に
1】依頼された地区家庭教育部のファイルを読ませていただく
(その地区で大切にしていることや、ネットワークを理解するため)
2】事前の質問アンケートをとる
 
(参加者の興味やニーズを知るため)
 
子どもの心身の成長・親の役割(乳幼児時から青少年へ)・コミュニケーション(家族、親同士)・人間関係・時間にゆとりがない・おこる回数が多い・ゲーム欲しがる・片付けしない・子のけんかに親同士がどうすればいいのか・反抗期・環境・親子関係・しつけなどの質問がありました。
地域生活応援誌
Juntos [ふんとす] vol.32
◆参加者 地区家庭教育懇親会にて、小学生・中学生を持つ親(母親)15人
◆時間 2時間
◆内容  会場は公会堂の和室で、輪になって座り、テーブルなしです。皆さんが静かでしたので、場を和ませるように、「人の輪ゲーム」をしました。何気に人と手をつなぎあうので、リラックスするし、グループでお話しながらゲームを進めていくので、コニュニケーションにも役立ちます。
 次は自己紹介です。自分の好きなところを教えてくださいね、と始めました。このワークショップに限らず、「え〜そんなこと考えたことない」とあわてる人もいます。大抵はしばらくすると、少し照れながら「明るいところが好きです」とか、「人に気をつかい、人を和ませる努力をする自分が好きです」と、にこにことした笑顔がみることができます。ときどき、「何もありません」とおっしゃる方もいます。悩みが解決できないでいる自分に葛藤があり、好きになれないようです。自分が好きなことは前向きに物事を感じ取っていくためにも大切なことだと思います。ですから、そのときの参加者の言葉と態度を心に留めて、ワークショップの進めていきます。
今回のアンケートから次のことを盛り込みました。

1. 小学生の心身の成長について(からだ、感情、知性、社会性について)
2. 子どもの自尊心と大人の自尊心に大切な事柄
3. 子どもとおとなの日常会話のロールプレイ
4. 親が子育てを楽しむ大切な8要素
 小グループでのデイスカッション、全員で意見交換を含めて進めます。ロールプレイでは、ごねている子どもが本当のことを言いたくなってしまう大人の話しかたをロールプレイしてみました。
  結構、子ども役をやるほうも難しいらしく、大騒ぎしながらのロールプレイです。ロールプレイに気が進まないときは、テーマにそった自分の体験など個々にお話したりしています。
 最後のトピック、「楽しむ要素」のころには5つ6つと参加者の方から次々と答えが出ます。いつもの生活で体得していることや、なぜうまくいかないのかなあと考えてみて思うことが要素の中にはいっているようです。
  私は「子ども発達と家族生活」を専攻時にこれらのことを学びましたが、知っているといざというときにあわてずに対処できてくるのではないでしょうか。ファミリー・ライフ・エジュケーションが予防・防止の教育といわれる所以です。
 講座では、いくつか例を出しますが、参加者の方々は少し感じ方を変えてみれば、よいアイデアがでてくるので、いつも感心します。お遊びの延長のようなワークショップですが、参加者の方が帰るときに笑顔いっぱいに帰っていかれる顔をみることが嬉しいです。これは、子どもに教えていた時代と変わらず、私がいつも求めている人々の表情のような気がします。
◆参加者の感想
★自分の思っていることや、実生活の体験などを話すことによって、改めて自分を見つめ直すとともに、アドバイスを聞き、自分で考え解決のヒントを得ることができよかったです。
★時間はあっという間に過ぎてしまいました。もっと色んな話を聞きたいです。
★ いろいろなことを自分で考えてみようと感じました。

 上記のワークショップはよくまとまった例ですが、上手にいったり、失敗したりと、一喜一憂の連続です。失敗したなあ、と思うときは大抵が主催者側と、しっかりとコミュニケーションがとれていない場合や講座対象者のニーズがしっかりと把握できておらず、講座の展開のしかたが対象者にあっていない場合があります。

 一度お年寄り対象に行ったとき、講座内容に対して、人数が多すぎ、一人ひとりに行き届くワークサポートができませんでした。10人ぐらいでよいところを40人にも行ってしまい、ワーク作業の見回りが一人ひとりに十分に行き届きませんでした。また、書くことを普段行わない人たちには、書く行為も楽しいことではなかったようでした。ここにも出し方の工夫が必要でした。ゆっくり昔話を含めながら、少しずつ進めてと・・・、いくらでも次回への工夫案がでてきます。関係者とのコミュニケーションを十分にすることをこれからも努めていきたいと思っています。

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