レポート 投稿 マスコミ
地域生活応援誌 Juntos [ふんとす] vol.30 連続掲載【1回目】 2006.06.01発行
発行:全国コミュニティライフサポートセンター(CLC) 

幸せで楽しい生活を「1」「ファミリー・ライフ・エジュケーションってなあに?」
第1回「ファミリー・ライフ・エジュケーションとの出会い」

 はじめまして。富士山の麓、静岡県富士市を拠点にファミリー・ライフ・エジュケーターとして家族サポート活動をしています。
 
 皆さんはファミリー・ライフ・エジュケーターという言葉を耳にしたことがありますか?和訳すると「家族・生活・教育者」となります。カタカナでもわかりづらいし、漢字にしても家族に関した固い教育者のように聞こえたりしませんか。そして、結局のところ何者?という感想をもたれるのではないでしょうか。 

  幸運なことに、今回から5回に渡って、ファミリー・ライフ・エジュケーション(家族生活教育)について紹介させていただく機会を「フントス」編集部の方が作ってくださいました。そこで、ひとりでも多くの人にファミリー・ライフ・エジュケーションを知っていただき、教育・福祉の世界にどんどん広がっていくことを願っています。
地域生活応援誌
Juntos [ふんとす] vol.30

 私がファミリー・ライフ・エジュケーションに出会ったのは、アメリカの大学で勉強していた時です。以前、子どもに水泳や英語を教える仕事に携わり、子どもと接していくうちに子どもたちの態度、表情がとても気になり始めました。元気がなかったり、悲しそうな顔をしてくると、「今日、学校でいやなことがあったのかな?」「親にしかられたのかな?」と彼らの日々の生活環境が気になり始めました。

 そして33才の時、再度アメリカへ留学しました。これは自分への質問、「子どもたちの笑顔をいつも見ていたい。それには私たち大人は何をすればいいの?」の、答え探しの勉強でした。なぜ?アメリカへ?これは25才のとき短期語学留学しただけで、行きたかった大学にいかずにいた自分の夢を達成させる為でもありました。子どもの笑顔みたさと自分の夢の為と一石二鳥の渡米でしたが、勉強に没頭した実りの多い6年半でした。
 
 大学では、まず、前から学びたかった幼児教育を専攻しました。教員実習で子どもたちと接する日々はとても幸せな日々でした。物を作ったり、踊ったり、おやつを食べたりと楽しい思い出がいっぱいです。そして、次に家政学部にあった子ども発達と家庭(家族)生活を専攻しました。これは家族サポートのスペシャリストとして社会に役立つ人材を育成するクラスです。家政学部で学んだこのクラスが私の探していた答えをだしてくれる場所でした。
 
 授業でライフサイクル(幼児期、少年期、青年期、中年期、老年期)ごとの心身の成長や、社会性の身につけ方、親子、夫婦、世代間の人間関係の多様性や、家族構成によって違う家族のニーズや、家庭内暴力、虐待の起きる原因など家族問題につても学びました。そして、子どもたちが笑顔でいられるのは彼らの家庭生活が安心で安全であることはもっとも大切なことだと心から思いました。

 自分の経験からも、家庭が円満であることは大切なことと感じていますし、家族が心身健康でいることを望んでいます。けれども、以前は各家庭の営みや家族の多様な人間模様を理解することが家族サポートの専門家として成り立っていくことが結びつくことがありませんでした。

  学んだことは、子どもも大人もみんなが元気に暮らせるように、誰ひとり除くことなくすべての人を、そして、家族に関わるすべての生活環境をトータルで見れる知識がサポートすることに役立つことです。それは、みんなが家族の一員であり、意識的でも無意識でもお互いに影響しあっているからです。たとえば、子どものことを大事にし、育てるには、親自身が心身とも元気でいられることが大切なこと。また、お年寄りを大切にケアするには、ケアする人の心身のケアができていなくてはみんなで疲れてしまうことになりかねません。

 アメリカには実際にたくさんの素晴らしい家族サポートサービスがあり、いろいろと見聞し、それが私の行いたいことだと思いました。これがファミリー・ライフ・エジュケーションであり、現在、自分のことをファミリー・ライフ・エジュケーターと名乗ることになったのです。
ファミリー・ライフ・エジュケーションは、家族や個人の悩みを改善し、よりよい生活が送ることができるようにサポートするスペシャリストとして、アメリカでは公共・民間・学校機関で活かされています。特に、予防・防止教育として、これからもっとも重要視されてくる分野であると思います。

 次回は、ファミリー・ライフ・エジュケーションの実例を紹介したします。 

一覧へ戻る
ページトップへ