鷲頭山
西伊豆にあり、冬でも暖かい南向きの小さな岩場です。
壁の傾斜は垂直以下です。
『岩と雪 No.94(1983年4月号)』で発表された「メイズ」、「ETハング」、「コズミック・ダンサー」などは今登っても楽しくて難しいルートです。
主なルートの核心部分はステンレス・ボルトに打ちかえられていますが、クラックを登るルートではフレンズなどが必要になります。
メイン・ウォールの下は広場になっていて、日が当たり、居心地も良い。
伊豆半島や海や街並みを眼下に見ることができます。
小さな岩場でルートの数は少ないけれど、メイン・ウォールには長いルートが多い。
目次
ルートの紹介
以下は私が登ったルートの印象です。
ルートのグレードは『日本100岩場 B伊豆・甲信』のものを採用しています。
星印は私の独断と偏見です。
メイン・ウォール
クラックに沿って雨が流れるようで雨後の渇きはあまり良くない。
- 最左端ルート 01/2/17 OSm
- 階段状でやさしい RCC ボルトのルート。5.4程度か?
- マンボウ 10a 01/2/17 OSm
- 真ん中のテラスに上がるまでが登りにくい。
- メイズ 10d ★★ 01/2/17 OSm
- シン・クラックに沿ってすっきりしたスラブ登る。
右のクラックを使わないという限定はちょっと不自然に感じた。
だんだんフット・ホールドがとぼしくなって手に負担がかかってくる。(上の写真)
- ETハング 11a ★★ 01/3/10 RPm
- ETの顔のように見えるハング下をトラバース気味に左斜上する。
抜け際のホールドが少しあまくてパンプする。
ハングの下までは 10b/c 程度?
一本目のボルトが遠いと感じたら、テラス上のフレークにナチプロを決めましょう。
- 北嶺ダイレクト 10a ★ 01/3/10 OSm
- やさしいフェイスを登り、ステンレス・ボルトが三本打ってある浅い凹角状のフェイスを直上する。
この部分が核心でしょう。
その後で左斜上してクラックに入り終了点まで登る。
クラック部分のプロテクションは錆びたリング・ボルトしかないのでナッツやフレンズを使った方が安全です。
下部が少し汚いけれど、長くて変化に富んでいて面白い。
- コズミック・ダンサー 11d ★★★ 01/4/14 RP
- ハングの部分以外は細かいホールドが連続する 20m を越える長いルート。
ムーブ的には下部がポイントだが、ハングの上部も休める所はなく、通して登るのはなかなか難しい。
カッチン・ロック
林の中の暗いエリアで居心地は良くない。
あまり登られていないようで苔むしているルートもある。
メイン・ウォールに向かって左に進み、
苔むして汚いサンキュー・ロックを回り込むと、リング・ボルトのある傾斜のゆるい岩の前の小さな広場にでる。
ここから岩に向かって左下に降りる踏み跡を赤テープを目印に30メートルほどたどると到着する。
- おすましミーちゃん 10a 01/3/3 FL
- 出だしが核心でしょう。
あとは階段状だけど見た目よりは難しいかも?
- ボビー 5.9 01/3/3 OSm
- ガバばかりで簡単。
しかし、ぐらぐらするホールドが多く薦められない。
- キティー 11b 01/4/7 RP
- 穴とカチの指が痛いルート。
上部がきたないけれど私には面白かった。
中間部のテラスまでがポイントでしょう。上部は簡単な所を登った。
- ミセス・ロビンソン 11a 01/3/10 OSm
- 簡単そうに見える二本目のボルトの左を登ったら10aくらいしか感じなかった。
二本目のボルト付近を左右にでないで真っ直ぐ登るルートのようです?
右も登れますが、やはり10a程度です。
- メリールウ 10a ★ 01/3/3 FL
- クラックのへりを使って登るアウト・オブ・バランスのルート。
カッチン・ロックの中では、すっきりしていて見た目もまあまあ良い。
サンキュー・ロック
メイン・ウォールに向かって左側にある小さな岩にルートが数本造られている。
あまり登られていないようで汚い。
- Pong3 10c 01/4/14 RP
- 下部も登りにくいけれど最後のボルトにクリップしてからが核心でしょう。
ボルトに沿って真っ直ぐ登ったら、私にはかなり難しく感じられた。
円形劇場
礫のある前傾壁。林の中にあり、一日中ほとんど日はささない。
しみだしのある時期は「陽のあたる舞台袖」以外は登れそうにない。
- 陽のあたる舞台袖 12a ★★ 12/3/11 RP
- かぶった壁にあるガバ、穴、カチをつなげる短めのルート。思いのほかパンプした。
最後のボルトが岩ごと取れてしまったそうで、最後はランナウト気味。
しみだしで濡れていたせいもあり、終了点に長いスリングをつけ、それにクリップして登った。
Copyright 1997-2012 Hirosawa Makoto