2002年1月5日(土)から15日(火)でタイのプラナンでクライミングしてきました。
このページは、その時の印象をもとに、独断と偏見で書いたものです。
何かの参考になれば嬉しいです。
今回のタイ・ツアーは、海岸の植民地的リゾートで行なう夢のような楽しいクライミングの日々でした。
滞在客のほとんどは欧米人のようです。
クライマーも、講習会の先生を除けば現地の人はほとんど見かけませんでした。
アプローチは楽で、壁も大きくキレイな所が多いです。
海風に吹かれながらのクライミングが楽しめます。
岩は石灰岩で、ガバのかぶったルートが主流です。
以下は私が登ったルートの印象です。
グレードは『KING CLIMBERS 3rd edition 99』のものを載せています。
星印は私の独断と偏見でつけています。
一日中日陰なので一日中登れる海岸の岩場。
下地は砂でたいら。
MUAI THAI の右側のルートはかぶっているけれど、それ以外は垂直からうすかぶり程度の傾斜。
講習会が開かれていて混んでいることが多い。
登りたいルートがあるなら、早朝からでかけたほうがいいでしょう。
バンガロー村に近く、物売りの人達がやってきます。
珍しそうに壁を見上げている観光客の人もいます。
初心者の人が多く、危ない人もよく見かけるので、事故に巻き込まれないように注意しましょう。
私たちの滞在中にも事故があり、グランド・フォールして担架とボートで運ばれていった人がいたそうです。
- Shadow Show 5 02/1/6 FL
- 大きなホールドの連続だけど、磨かれていてツルツルです。
- Nut Hin (Massage The Rock) 6A+ ★ 02/1/6 FL
- 一見ホールドが少なそうに見えるけれど、実はホールドが豊富で、裏切られることのないルート。
- Muai Thai (Thai Boxing) 6B+ ★★ 02/1/6 FLm
- どっかぶりの壁を大きなコルネを二つ使って登る。
三次元の登りになり楽しい。
- Chicken Head 6C+ ★★ 02/1/6 RP
- 出だしと最後のムーブがつらい。
かぶりも強く、全体的にパワフルなルート。
6C+ にしては辛いという話もある。
- Kratoy (Lady Boy) 6C ★★ 02/1/6 FL
- 洞窟のような下部を抜けてからコルネに沿って登る長いルート。
下部のボルト三本にクリップするならダブル・ロープで登った方がいいでしょう。
- Cash Flow 5 02/1/11 FL
- 最後が少しかぶっている以外はカバ連続の階段状のルート。
One Two Three からすぐの林の中のどっかぶりのエリア。
一見して汚く、壁も低く、日本的な岩場。
「タイまで来てここを登らなくてもいいかー」という気になるけれど、左側は明るく良いルートもそろっている。
林の中なので虫除け必携です。
右を登れば Hidden World、左を上に進めば Jungle Gym を通って The Keep、左を水平に行くと海岸に出て Castle Wall です。
- The Voice Of Doom 6C ★★ 02/1/12 RP
- ガバのどっかぶりのルート。
ホールドはガバしかないのだけれど腕がパンプする。
- Karaoke 6A 02/1/12 OSm
- やさしいガバのホールドだらけのルート。
- Top Knot 6B 02/1/12 OSm
- ガバだけれど、少しホールドが遠い部分がある。
Jungle Gym からフィックス・ロープを 5m ほど降りたところにある見晴らしの良い高い壁。
帰りは、このロープを登り返します。
取り付きは狭いけれど、ルートは長く、壁はきれいで、終了点からの見晴らしは最高です。
壁は垂直からややねた感じ。
楽しいルートが多く人気の壁です。
ガイド・ブックでは午後のエリアになっていますが、10:00くらいから十分登れます。
風さえあれば午前中でも登れるので早めに行った方がいいと思います。
- Medusa's Lover 6C ★★ 02/1/13 FL
- 岩の上からスタートする垂直程度の長いフェイスのルート。
- Babo Does Thailand 6C ★★★ 02/1/9 OSm
- カチからガバを登る長いフェイスのルート。
上部は快適。
振り返ると、思わず叫びたくなるような景色が目に入ってくる。
- Monkey's Bum 6B 02/1/9 FL
- コルネを登るルート。
このエリアのアップに良い。
見た目の通りの所が核心です。
長い 6B 程度のルートが三本ある小さなエリア。
潮が満ちてくると登れなそう。
潮が引いていないと登れない海岸のエリア。
ガイド・ブックでは午後のエリアになっていますが、右側は午後も遅くならないと日陰になりません。
壁は垂直から薄かぶり程度の傾斜です。
ここでは、帰り道のことも考えて、潮の様子を見ながらクライミングしたほうがいいでしょう。
- A Walk In The Park 6A 02/1/10 FL
- 以外と最初がいやかも?
後は簡単。
- Low Tide 1p 6B ★ 02/1/10 OS
- 最初のコルネ登りが核心でしょう。
コルネ、コルネ、コルネの連続です。
RaiLay の西海岸から良く見える高い壁です。
垂直からかぶったルートまで、いろいろなルートがあります。
マルチ・ピッチのルートもあります。
午前中のエリアになっていますが、直接日が当たるわけではないので、風があれば午後でも十分登れます。
- Primal Scream 6A+ 02/1/7 FL
- 凹角状を登りテラスに這い上がる。
- Live & Let Thai 7A ★★★ 02/1/14 RP
- 中間部まではやさしく、アップに使える。
上部はカンテに沿って登る高度感抜群のルート。
TON SAI から右に歩いてすぐの海岸の壁。
TON SAI ほどはかぶっていないが、うすかぶりで綺麗なルートが多い。
午前中に日陰になっている時間は TON SAI よりは長そうな感じ。
- Rod Yaak (Difficult To Pass) 6B 02/1/9 OSm
- 私は最後で左に逃げてしまいましたが、右から行くのが本当らしい。
でも、そうすると、ちょっと遠い感じ。
- Pahn Taalod (Always Pass) 6A 02/1/7 OSm
- 小さい人には出だしが核心になってしまうかも。
このエリアのアップに良いルートです。
どっかぶりの海岸のエリアです。
ルートは良いのがそろっています。
午前中と午後遅くなってからの時間が日陰になります。
左のハシゴを登っていく二階のエリアもあります。
ヨッパライやラリッてふらふらしている人がいたりします。
取り付きには用をたした跡が残っていることも珍しくありません。
変な方の逆鱗に触れないようにした方が身のためだと思います。
- Stalagasaurus 6A+ ★★ 02/1/7 OSm
- コルネをうまく使ってどっかぶりの壁を登る。
二子の「悪魔のエチュード」のようなルート。
出だしを直上すると二度楽しい(?)。
- Babes In Thailand 7A ★★★ 02/1/7 OS
- どっかぶりのルートだけれど、足技をうまく使えばレストできる部分が多い。
オンサイトむき。
- Lal Bab 7A+ ★★★ 02/1/9 RP
- ガバの連続でオンサイトにむいている。
パンプに耐えれば、すごいガバが待っている。
このルートと「Babes In Thailand」との間にはガイド・ブックに載っていないルートができている。
- 行き
- 1/05 CI 107 TOKYO 09:05 -> TAIPEI 11:25
- 1/05 CI 645 TAIPEI 12:45 -> PHUKET 16:15
- プーケットからタクシー(料金は宿泊料に込み)でアオナン
- アオナンからボート(1人80B)でライレイに 1/05 の夜に到着
- 帰り
- ライレイからボート(1人50B)でアオナン
- 予約していたタクシー(1台 1800B=1人300B x 6)でプーケット
- 1/14 CI 646 PHUKET 17:15 -> TAIPEI 22:40
- 1/15 CI 100 TAIPEI 11:30 -> TOKYO 15:30
- 航空券は航空保険料こみで5.5万円ほどでした。
中華航空は座席も広くまあまあでした。
でも帰りの飛行機が急にゆれて、ビールとウィスキーを腰からお尻にかけてこぼされてしまいました。
- 中華航空は羽田から飛びます。
国内線ターミナルから国際線ターミナルまでは循環バスで100円です。
- 帰りのプーケットでは空港使用料が500Bかかりました。
- 1/14の夜は台北空港で寝ました。
台湾に入国したので、チェック・インの時に空港使用料として 300NT$=1200円 を円で払いました。
入国しないでトランジット・エリアで寝ることもできるようです。
- プーケットからアオナンまでは暴走タクシーで2時間半程度です。
行きも帰りもエアコン付きでした。
帰りのタクシーはライレイで二日ほど前に予約してもらいました。
- アオナンからライレイまではボートで10分ほどです。
プラナンではなくライレイと言わないと通じません。
法外な料金を取られたという人もいます。
必ず事前に料金を確認し、納得した上で乗りましょう。
夜になると少し高くなるみたいです。
Railay Bay バンガローに9泊し、一部屋を三人で共有し、部屋代として3万円ほど払いました。
インターネットで予約できるバンガローも多いので、予約していった方が安心だと思います。
ライレイの超高級ホテルを除けば、RaiLay Bay は高めの所です。
しかし、それだけのことはあります。
エアポート・ピック・アップ(行きのタクシー)、バイキング形式の朝食、エアコン、温水シャワー、洋式水洗トイレ、冷蔵庫、毎日の掃除とベッド・メイキングとシーツ/タオルの交換、1日二本の無料のミネラル・ウォーター、など、普通のホテル並みのサービスです。
朝食は11:00まで食べられるので、午前中しか登れないエリアに早朝から出かけ、
10:00過ぎに帰ってきて、昼食として朝食バイキングを腹一杯食べるということもよくしました。
朝食メニューは次の通りです。
パイナップル・ジュース、オレンジ・ジューズ、コーヒー、紅茶、ミルク、
シリアル、おかゆかスープ、フライド・ライス、フライド・ヌードル、
煮豆、ソーセージとハム、パン、イチゴジャムとバター、ポテト、スクランブル・エッグ、
目玉焼き、フルーツ(バナナ、パイナップル、スイカ、マンゴー、ライチなど)。
- ロープ
- 25m 以上のルートもめずらしくないので 60m ロープがいいと思います。
- チョーク
- どうしても使用量が増えるので多めに持っていきましょう。
現地でも購入できます。
- ガイド・ブック
- 『KING CLIMBERS ROUTE GUIDE BOOK』が現地のクライミング・ショップで購入できます。
まだ 3rd EDITION 99 しか売られていませんでした。
- 日陰のエリア
- 直射日光が当たる岩場は登る気にならないでしょう。
ガイド・ブックに午前のエリアと午後のエリアの表が載っています。
同じ時期に実際に行ったことがある人のアドバイスを聞くのが一番でしょう。
- アプローチの履き物
- 日本の岩場へ行くことを思えば、アプローチはないようなものです。
海岸のエリアもあるのでスポーツ・サンダルが便利です。
でも海水に濡れて砂がつくと、足がすれて痛いかもしれません。
林の中のエリアならジョギング・シューズなどが歩きやすいでしょう。
磯を歩く時には、すべって足や手を切らないように気をつけましょう。
足の指やかかとを切ってしまったという話は良く聞きます。
レストランが何個所かあります。
経験者のお勧めで夕食は Ya Ya で食べていました。
タイ料理から洋食までいろいろなメニューがあります。
タイ料理は安くて、私にはとてもおいしかった。
フライド・ライスが 50B〜90B、ステーキが250B〜300B程度、ビールは50B〜70Bで少し高めでした。
コーラなどの炭酸飲料やビールは私の感じだと冷え方がイマイチです。
バナナ・シェイク45Bが冷たくておいしく、私たちの間では人気でした。
- パイナップル
- お店や物売りの人から買えます。
一個の半分で15Bくらい。
新鮮でみずみずしく、本当に芯まで食べられます。
- バナナケーキ
- 屋台で焼いてくれます。
25B〜30Bくらい。
何も言わなくてもチョコレートはかけてくれるようです。
バナナ以外のものもありました。
シーズンでないのか、ココナツが試せなかったのは残念です。
- やきとり
- 屋台で焼いています。
20Bでした。
クライミングの後、夕涼みしながらビール片手に焼き鳥もいいものです。
- ごはん
- 竹の筒に入っているものや、バナナ(?)の葉に包まれているものなどが屋台や物売りの人から買えます。
5B〜20B程度。
上に卵やココナツが乗っていたりします。
お店で買うパンはイマイチで、こういうごはんの方がおいしかった。
- 両替
- 当然のことながら空港でできます。
プラナンの現地でもできます。
空港で替えた時は、1円=0.326B くらいでした。
私は空港で 2万円=6534B 両替しましたが、使い切れなくて、買い物が好きな友人に2000Bほど引き取ってもらいました。
- 電話
- 公衆電話のようなものは現地にはありません。
テレフォン・サービスをやっているツーリスト・インフォメーションなどで番号を言ってかけてもらいます。
日本まで 1分=80B でした。
- インターネット
- メールやホーム・ページの閲覧などが現地でできます。
お店によって設定が違っていたりするようです。
日本語表示できるようになっている所もあるようです。
時間制で料金を取られます。
- 洗濯
- もちろん自分で洗うこともできます。
ランドリー・サービスをやっているお店もあります。
私は使いませんでしたが、たくさん出しても数十バーツ程度だそうです。
- 水
- 水道の水は飲めません。
お店でペット・ボトルの水を買いましょう。
タイのものは安く、日本でもおなじみの輸入物は少し高いです。
- トイレ
- 外で使えるトイレはタイ式です。
現地の人は紙など使わないそうで、おいてありません。
手でお○○をキレイにして、ためてある水を使って手を洗い、う○○もその水で流すということのようです。
濡れたお○○はすぐに乾くので問題ないです、ハイ。
現地の人と同じようにできない場合は紙を持参し、使った紙はトイレに流さず、そばに置いてあるゴミ入れに捨てましょう。
トイレはたいてい水びたし状態です。
- マッサージ
- タイ式マッサージとオイル・マッサージがあります。
タイ式は 1時間=200B でした。
2時間コースもあるそうです。
足から始まり、手と腕、背中、顔と頭まで全身をもんでくれます。
感覚的には、無防備なままオバチャンにかけられまくる女子プロレスの技の数々という感じです。
クライマーとしては、もう少し背中に時間をかけて欲しい気がしました。
でも私は気に入って二回も行ってしまいました。
オイル・マッサージは試しませんでした。
1時間=250B だそうです。
- 海や砂浜
- 砂浜でゴロゴロし海でジャブジャブするなら Phra Nang Beach がいいです。
潮が引いていれば Happy Island にも歩いて行けるそうです。
昼頃からは観光客で混雑しますが、午前中はすいています。
トップ・レスのおねーさんもいます、サングラスを持っていった方がいいかも?
- シュノーケリング
- ランチがついて 1日=400B前後 のツアーがあります。
ヒレやメガネも借りられます。
1日は長すぎるというのであれば、ボートの人と直接交渉して、1〜2個所のポイントだけ行ってもらうという手もあるそうです。
- 下痢止め
- 現地について二三日すると下痢に苦しむ人が多いようです。
私も含めて、程度の差こそあれ、ツアーに参加した全員がやられたようです。
私にはセイロガン糖衣が効いたようでした。
- 虫除け
- 風通しのよい海岸のエリアでは不要ですが、林の中のエリアでは必携です。
バンガローの中やレストランでも刺されます。
日本から持っていったものはあまり効き目がないようでした。
現地で60Bで買ったものはまあまあ効いたようです。
ただ、ベトベト、スースーする感じで、人によっては嫌かもしれません。
- ゴザ
- 砂浜でのクライミング時の敷物としてナイロンのゴザを使っている人が多いです。
泳いだりする時にもなにかと重宝です。
三つ折で小さくたためるようになっているものを110〜120Bで売っています。
- 保険
- クライミング中の事故もカバーする保険を 7a でかけていきました。
障害治療400万、疾病治療280万くらいで、保険料は7千円ほどでした。
通常の旅行傷害保険ではクライミング中の怪我はカバーされないので注意しましょう。
- 航空券: 5.5万
- 宿代: 3.2万
- 現地での食費など: 1.5万
- 保険: 0.7万
- 合計: 10.9万
楽しいクライミングでしたが、植民地的なところが少し気になりました。
たまたま日本に生まれ落ちただけで、こういう贅沢をしてもいいのかという気にもなります。
ツアーの準備から最後まで、溝口さんには本当にお世話になりました。
ここであらためてお礼を述べたいと思います。
本当にありがとうございました。