西川永幹

　東京出身。祖父は日本最初の生産組合「測機舎」を創設した西川末三、祖母は社会運動家、ロシア文学研究家の神川松子（共に同墓）。西川誠幹・曽喜枝（共に同墓）の長男として生まれる。
　東京大学卒業。米国のカリフォルニア大学バークレー校、英国のオックスフォド大学も卒業している。三井銀行に入行。英米豪に14年暮らしたグローバルな銀行マンとして活動。 1990(H2)三井銀行が太陽神戸銀行と合併し、さくら銀行（改称は1992）となり、グループ会社である株式会社さくら総合研究所の専務取締役に就任（さくら総合研究所は2001住友銀行との合併に伴い、日本総研ビジコンと合併しＳＭＢＣコンサルティング会社を経て、現在は日本総合研究所、略して日本総研となっている）。
　融資の際の一形態である「プロジェクト・ファイナンス」を得意とし、1997(H9)『プロジェクト・ファイナンス入門―現場経験者が説き明かす金融手法』を刊行。 また、自身の経験から、イギリス英語に着目した『イギリスの英語―紳士・淑女はどう話し、どう書いているのか』（1998）という著書を出すなど英語についての造詣が深い。
　1999銀行家から神戸大学大学院教授に転じ、金融に関して講じた。また就職活動の学生たちに「英語力」を説いたという。金融学者として歩み出した矢先に逝去。享年59歳。没後、「金融ジャーナル」誌に『故・西川永幹教授』の遺稿が掲載された。

＜西川永幹著者略歴など＞

＊墓石は南無妙法蓮華経と刻む五輪塔、台座に「西川家」。五輪塔の後ろに「西川家供養塔」が建つ。右側に墓誌があり、「西川永幹 父」と刻む。戒名は永覚院桃李日勉居士。妻は久美子（同墓）。

西川末三、 神川松子