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なかじま ようじろう

中島洋次郎

なかじま ようじろう

1959.7.16(昭和34)〜 2001.1.4(平成13)

平成期の政治家

埋葬場所: 9区 1種 2側 3番

 祖父は「中島飛行機」(現・富士重工業)の創業者で代議士でもあった中島知久平(同墓)、父の源太郎は文相を務めた代議士、その二男として生まれる。
 慶応大学商学部卒業後、1982(S57)NHKに入局。静岡放送局勤務を経て、「国際的なジャーナリストになるため」と、英国オックスフォード大留学。 帰国後、衛星放送のキャスターとして活躍。特に開発途上国の問題には熱心で、局内外の評価も高かった。 ボクシングなどの格闘技が得意な一方、夏にはヨットを楽しむスポーツマンで、絵にかいたようなエリート御曹司。
 92(H4)父の死去に伴う旧群馬2区の補欠選挙に、後継とみられていた兄に代わって担ぎ出され初当選。 旧三塚派(現森派)に所属した。政治家に転身後も順風満帆な道を歩み、祖父の影響から、防衛政務次官、自民党国防部会長を歴任。 国防族の若手として期待され「群馬県に海を持ってくる」と都心臨海部と同県をつなぐ北関東自動車道構想をぶち上げるなど、活動も派手だった。
 その一方、「政治の裏を知らないお坊ちゃんだ」と世襲議員のひ弱さを指摘する声も上がっていた。
 座右の銘は「政は正なり」。しかし、海上自衛隊の救難飛行艇開発をめぐる汚職事件で受託収賄罪などに問われ、1、2審で実刑判決を受け、エリート街道から転落。 保釈されていたが、自ら起こした事件のショックから立ち直ることができず、“挫折したエリート”は自ら死を選んだ。

<国会議員名鑑>
<産経新聞訃報記事など>


墓所

*広大な墓所に中島知久平と中島家の大きな墓石が二基のみ建っている。 建立者は長男で代議士の源太郎であり、裏面に名が刻む。右側に墓誌があり、知久平・源太郎・洋次郎の名が刻む。


<逮捕後の経緯>
1998.
10.29東京地検特捜部に政党助成法違反容疑等で逮捕され自民党を離党
11.1996年の衆院選をめぐり公選法違反容疑で再逮捕
12.15海上自衛隊の救難飛行艇開発に絡む受託収賄容疑で3回目の逮捕
12.28受託収賄罪などで起訴
1999.
1.7公選法違反初公判で起訴事実認める
1.12議員辞職
1.22第2回公判で受託収賄罪なども認める
7.14東京地裁で実刑判決
2000.
9.28東京高裁でも実刑判決
10.11最高裁に上告



≪国会議員の自殺アラカルト≫
2009年永田寿康(1969.9.2〜2009.1.3)
元民主党衆議院議員。過激な発言より懲罰動議を4回も受けた「平成の爆弾男」。国会でライブドアの堀江貴文のメールを取り上げたが、メールが本物との証拠を出せず、民主党から半年間の党員資格停止処分を受けた。これにより議員辞職。その後は鬱を患い、飛び降り自殺。
2007年松岡利勝(1945.2.25〜2007.5.28)
自由民主党衆議院議員。安倍晋三内閣の農林水産大臣。現職閣僚として初めての自殺。農水省所管の独立行政法人「緑資源機構」の談合事件など「政治とカネ」をめぐり追及の渦中、赤坂の議員宿舎にて首つり自殺。
2005年永岡洋治(1950.12.24〜2005.8.1)
自由民主党衆議院議員志帥会(亀井派)。衆議院本会議では派閥の意に反し郵政民営化法案に賛成票を投じ自身の意志を貫く。世田谷の自宅にて自殺。遺書は見つかっていない。
1998年新井将敬(1948.1.12〜1998.2.19)
自由民主党衆議院議員(復党)。証券取引法違反容疑で国会へ逮捕許諾請求が出ていた矢先に、ホテルパシフィック東京にて首つり自殺。
1991年名尾良孝(1917.3.18〜1991.5.6)
自由民主党参議院議員。議員宿舎から投身自殺。病苦とされる。
1983年松本幸男(1926.3〜1983.1.28)
社会党衆議院議員。自宅にて首つり自殺。病苦とされる。
1983年中川一郎(1925.3.9〜1983.1.9)
自由民主党、福田内閣で農林大臣。死の前年に総裁選で惨敗。札幌パークホテルのバスルームにて首つり自殺。当初、死因を心筋こうそくと発表したため自殺の原因について諸説が乱れ飛んだ。
1945年近衛文麿(1891.10.12〜1945.12.16)
第34、38、39代内閣総理大臣。公爵。GHQからA級戦犯として極東軍事裁判で裁かれる際の巣鴨拘置所への出頭命令の最終期限日に、自宅にて青酸カリを飲み自殺。
1943年中野正剛(1886.2.12〜1943.10.27)(12-1-1-2)
衆議院議員。東條内閣倒閣企図のため検挙され釈放後、自宅にて割腹自殺。


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