久保昌二

　東京府駒込（豊島区）出身。父は漢詩人の久保天随（同墓）、2男として生まれる。弟に物理学者の久保亮五（同墓）がいる。
　1932(S7)東京帝国大学卒業。'38理学博士。台北帝国大学、東京帝国大学の各講師を務め、京城帝国大学教授、一高教授となる。'40日本学術会賞。'48(S23)名古屋大学教授となる。
　分子の電気能率および磁気能率に関する研究で、'59日本化学会賞。'71東レ科学技術賞。'73アメリカ化学会ＣＡ賞受賞。ＣＡとはChemical Abstracts（ケミカル・アブストラクツ）で化学の研究に不可欠な巨大データベースとして世界中で利用されているアメリカ化学会の下部組織CASが発行している化学および関連分野の文献抄録誌である。
　'74名古屋大学停年退官、名誉教授。'83勲2等瑞宝章受章。著作に『強電解質の理論』『量子化学概説』『化学史』『大学教養課程のための化学概論』（共著）などある。享年83歳。

＜講談社日本人名大辞典＞
＜20世紀日本人名事典など＞

＊墓石は和型「久保家墓塋」。左右に墓誌が建つ。

久保天随、 久保亮五