北原鉄雄

　福岡県出身。父・長太郎、母・シカの3男として生まれる。詩人の北原白秋(10-1-2-6)は兄。弟の北原義雄（4男・1985.11.11歿 同墓）は美術系を専門とした出版会社のアトリヱ社の代表。 従兄弟の北原正雄は玄光社（主に映像や写真に関する雑誌や書籍の出版。1931創業。北原家関連の出版社で唯一現在も運営）を興した。 北原家は江戸時代以来栄えた商家（油屋また古問屋と号し、海産物問屋であった）で、当時は主に酒造を業としていた。
　慶応義塾大学中退。1915(T4)兄の北原白秋と阿蘭陀(オランダ)書房(のちのアルス)を創立。芸術雑誌「ARS」や日本初の写真雑誌「CAMERA」を創刊。 「日本児童文庫」シリーズや、文芸・美術一般書、写真関係書、『白秋全集』をはじめとする白秋の著作の大半を出版した。
　戦時中の出版統制により、弟の北原義雄が代表を務めていたアトリヱ社と合併して、北原出版株式会社となった。 戦後は社名をアルスに戻し、美術雑誌「アトリヱ」を復刊し共同事業を継続していたが、'51(S26)アトリヱ社を再び分離独立させた。享年69歳。甥（白秋の子）に禅哲学者の北原隆太郎(10-1-2-6)がいる。

＜講談社日本人名大辞典など＞
＜森光俊様より情報提供＞

＊名前は「北原鐵雄」が正しい。

北原白秋、 北原隆太郎