阿部平輔

　宮城県出身。1909.5.27(M42)陸軍士官学校卒業（21期）。同期に冨永信政(後に大将)、石原莞爾(後に中将で板垣征四郎らとともに柳条湖事件を起し満州事変を成功させた首謀者)、木谷資俊(後に中将：9-1-19)、塩田定市(後に中将：9-1-19)、岡宮夙夜(後に少将：9-1-20-15)、田中毅一(後に少将：12-1-13-5)、長崎守一(後に少将：2-1-7-8)、前野四郎(後に少将：16-1-11-12)らがいた。同.12.25歩兵少尉に任官。
　'26.3.2(T15)少佐、'31.8.1(S6)中佐、'33.3.18近衛歩兵第4連隊附として学習院服務・学習院御用掛を務める。'34.3.5(S9)熊本陸軍教導校学生隊長を経て、'35.8.1大佐に昇進。'36.12.1関東軍下士官候補生隊長、'38.2.19関東軍附、'38.3.25第8国境守備隊第2地区隊長を歴任し、同.12.10少将に進級。同.12.25第8国境守備隊長に就任し、ノモンハン事件に参戦。
　'40.8.1盛岡陸軍予備士官学校長となる。'41.7.28留守第20師団長に転じ朝鮮に赴任。同.8.25中将に累進し、太平洋戦争が勃発。'42.7.1第41師団長に親補され華北に赴任。同.11 師団はニューギニアに転用され、ニューギニアの戦いに参戦。翌.6.10 ウエワクの地でマラリアにかかり戦病死。従5位 勲3等 功3級。享年56歳。没後、阿部率いる第41師団の司令部を置いていたウエワク地区内のボラム岬を阿部平助に因んで「阿部岬」と名付けられた。戦後、この阿部岬に「戦没日本人之碑」が建之されたが、現在は東セピック州ウエワクの平和公園内に移動している。

＜帝国陸軍将軍総覧＞
＜日本陸軍将官総覧など＞

※人名事典の中には没年月日が6月10としているのがあるが、墓誌には6月11日と刻むため、こちらを採用し掲載する。

木谷資俊、 塩田定市、 岡宮夙夜、 田中毅一、 長崎守一、 前野四郎