女子総合学園における性的マイノリティに関わる課題
IT革命に対応するホームページ作成の試み
****中高教諭 成田文広
IT革命と学校教育
NTTドコモがiモードの携帯電話を発売して以来、インターネットによる情報は女子中高校生の間でも急速に浸透し、メールによる情報交換も当たり前のように行われている。学校教育の場においても、次の指導要領では情報科の設置が決定されており、全国の小・中・高等学校ではコンピュータの設置だけでなく、各教室からのインターネットへの接続や、学内LANの開設などが急速に進んでいる。
本学園でも、女子大の現代社会学部を核としたネットワークの整備が進んできている。しかし、中・高等学校ではコンピュータールームの更新はされ、職員室にインターネット接続用のパソコンが設置されたものの、未だに学校独自のホームページを持つこともなく、教員や生徒が自在に様々な情報とアクセスし、学習をダイナミックに構築するには程遠い状況である。国語の授業でレポートの作成の課題を与えても、書籍や新聞と並んで、インターネットのホームページを参考資料とする生徒が珍しくない状況において、この立ち後れは京都市内の他私学と比較しても深刻である。
ITは単なる電子技術ではなく、人と人との関り方や、教育の在り方そのものを変質させていく可能性を持っている。また、アクセスできる者とできない者との間に大きな情報格差を産み出し、「貧富」の拡大をもたらすと危惧する声もある。さらに、情報の莫大な量を分別・処理する力や、その即時性に振り回されないような価値観が育っていかなければ、誤報や情報操作に支配されかねない。
こうした不安は、かつてラジオやテレビが世に出た時にも指摘された。しかし、これまでの情報は国や大企業が発信し、大衆が受信するという構図だったのに対し、インターネットは、「見えない個人」間の相互情報ネットであるという点が大きく異なる。受信者である誰もが発信者となりうるネット社会は、主体的な表現の場となりうると同時に、無責任かつ不確実な情報が飛び交う場ともなる。
2000年12月22日付京都新聞朝刊には、「IT新世界/第6部―情報民主主義―/育つか批評する力/試行錯誤する学校」という記事※1が掲載され、情報教育の可能性や問題点が指摘されている。
※ 1 記事要約
2000年8月の調査で、全国の公立小中高等学校約4万校の内、インターネットができる学校は54.4%に過ぎない。パソコンはほぼ全校にあるものの、一校あたり平均28.4台しかない。さらにIT教育に地位手の決まった指導方法もない。
富永英義早稲田大学理工学部教授は教室に閉じこもる形でのパソコン教育法に次のような疑問を投げかける。「ITを使うというのは、付き合う人間の距離が延びるということ。学校の仲間同士でやっていても意味がなく、競争して延びる意欲がある時に世界や文化を超えて能力を高め合える」「今までの教育体制とは違う仕掛けを作れるという発想が必要だ。」
兵庫教育大学学校教育研究センターの成田滋教授は、「ITがあれば、米国の子どもが優れている『クリティカル・シンキング(批評する能力)』を日本の子どもでも発達させられる。ネットを使って自分が知りたいことを主体的に調べ、表現することにつなげられる」と、これまでの教師から生徒への一方的な指導方法に対するアンチテーゼとしてITの有用性をあげる。
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「学校五日制」「ゆとり教育」「総合学習」「情報教育」と、この10年ほどの間に文部省から示されてきた教育の方向性は、拙速さや紆余曲折はあるもののほぼ一貫している。それらに対して「学力低下」「理数系教科の危機」「受験対応の困難」などの批判の声も上がり、「ゆとり教育」見直しの論も出ている。
こうした議論の中で、優先されがちなのは「これまでの学校を支えてきた現状」を如何に維持しうるかという視点であり、抜け落ちがちなのは「生徒達が生きている現状」の分析であり、生徒自身の主体性の保障である。教育をどうすべきかの議論に学びの主体である生徒達を参加させることを忘れ、企業や学校を生き延びさせるためには何が必要かといった視点での議論を繰り返すことは、「教育の荒廃」に拍車をかけることでしかない。
次に紹介するのは、「よみうり教育メールvol.110」(2001年3月20日)に掲載されていた、清泉女学院中学高等学校教諭土屋至氏(53)のコラムである。「情報教育」が単なる技術教育ではないことを、ここから学びたい。
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【2】「そこが明るいからそこを捜す」ことになっていないだろうか?
ある男が街頭の下でなにか捜し物をしている。警官がその男に聞いた。
「いったい何を探しているのか?」
その男が応えた。
「財布を落としちゃって」
「それでその財布は確かにそのあたりに落としたのかね?」
「いや、どこかわからないのだけれど、ここが明るいからここを捜しているんだ」
私は生徒によくこの話をする。「情報教育」はこの男のやっていることと同じようなことをやってしまいがちであると思うからである。
「情報教育」は「何を(どのような情報を)」「何のために(どのような目的のために)」「いかにして(どのような手段を持って)」発信していくかを学ぶことでありたい。
ところが現実には、「いかにして」という部分だけが急速に発達してきた。つまり「ここは明るい」ので「捜しやすい」つまり教えやすいし、学びやすい。
ところが「何を」「何のために」というところは依然として暗く「捜しにくい」のである。本当はそちらの方に「捜し物」があるのに。「そこが明るい」からといってそこばかり捜しても、「捜し物=メッセージ」は見つからない。
コミュニケーションはメッセージ(伝達内容)とメディア(伝達手段)とから成り立っているのに、メディアが肥大化すればするほど、メッセージが先細っていないだろうか?
「情報教育」はメディアの教育よりも、本当は発信する価値のある情報の中身を創造することであるはずである。「コンテンツ」をどうつくるのかということである。
「何を」「何のために」発信するのかということが明確であれば「いかにして」発信するのかを考えることはそんなに難しいことではない。ひとりでに身に付くといっても言い過ぎではない。
itaru@seisen-h.ed.jp http://izumi.seisen-h.ed.jp
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押し寄せる情報化の波を乗り切る力と技を生徒達に付ける。それは、生徒達の主体性と自己決定権を保障し、その権利を有効に行使しうる力を育成することでもある。「教師が必要な情報を提供し、生徒はそれを効率よく学ぶ」といった学習システムの見直しが求められているのである。選択・決定権は教師にではなく生徒にあり、生徒は学ぶ客体ではなく主体である。従順に言われたことを覚え指示通りに動くのではなく、鋭く的確な批評精神を発揮する表現主体でもある。こうした発想がなくして、ITを教育現場に生かすことはできず、また生かすことのできない学校は社会的な存在価値を認められなくなっていく。
「情報教育」への消極的な姿勢や無関心は、生徒主体の教育システム作りへの不安や忌避の裏返しであるかもしれない。今もっとも必要とされているのは、教師自身がその不安に打ち勝ち、新たな教育システムを生徒と共に模索する決意と、それを金銭的に保障する経営・管理者の理解ではなかろうか。
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性と情報教育
伝統的にテレビのワイドショーや週刊誌、スポーツ新聞に欠かせないのが性情報であり、それらの多くは扇情的なものである。概して、新しい情報伝達技術が開発された時、真っ先に活用されるのは性にまつわる情報においてである。レンタルビデオの興隆の基礎はアダルトビデオであり、インターネットの初期の普及に力となったのは猥褻画像である。性に関する法の目が厳しくなるほどに、風俗事業者は「テレクラ」、「ツーショットダイアル」、「出会いサイト」を開発してきた。「援助交際」を支援したのも、プッシュホン、ポケベル、ピッチ、ケータイと進化してきた電子通信機器である。
学校教育における性教育が多くの学校で行われるようになってきたのは、最近のことである。しかし、未だに女子だけを集めて養護教諭が生理の処置について話をするだけの小学校や、理科や家庭科といった教科の枠内での「科学的」な知識だけを教えるにとどまっている中学校もある。
その一方で、生徒達は意図的にゆがめられた情報を雑誌やビデオから受け取り、誤った情報を口伝えに交換しあっている。不安や無用のコンプレックスを抱えた生徒は、身近な大人に相談することもできず悩み続けたり、時には危険な性情報に乗せられて心身を傷つけていることも多々報告されている。生徒達が「性の自己決定権」を有効に行使できるよう、正確かつ多様な情報と容易にアクセスできる環境を作ることが急務である。
また、性を「性行為」や「生殖」に限定して捉えるのではなく、個人の人権と人格形成の課題、他人との豊かなコミュニケーション(パートナーシップ)形成の課題、社会の構成員として自らも対決していくべき差別や矛盾をはらんだ課題の一つとして捉えることのできる装置が必要となる。
そこで、教室の枠を超え、生徒と教員の主体的かつ自在な「性教育」の可能性を探るため、ジェンダーとセクシュアリティに関わる問題を中心に据えたプライベートホームページ「ProjectG」を作成した。
ホームページの作成には「IBMホームページ・ビルダー Ver.6学割版」を、データベースの作成には「株式会社アイフォー
The CARD Ver.8.0」を利用した。サイトはすでに公開しているので、下記URLにアクセスして頂き、ご批判・ご助言を賜りたい。
ProjectG http://www6.plala.or.jp/fynet/
以下、サイトの概要と特徴を紹介する。
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ProjectGの概要
サイトの基本構造は、「ジェンダーとセクシュアリティ」「教育」「自然と人々」の三部屋と、「図書案内」「リンク集」「新聞記事紹介」の三部屋の組み合わせ、及び、それに附属する複数の部屋で成り立っている。サイトの特徴は次の3点である。
@ 独自の分類表による図書とリンクサイトと新聞記事の関連性
A 「考えるヒント集」とリンクサイトを組み合わせた双方向性
B データベースによる情報の蓄積と新聞記事の更新による時事性
インターネットのホームページは訪れる人を選ばず、多種多様な人の目に触れることとなるので、サイトの紹介は中高校生だけを意識せず、様々な人への呼びかけの形を取っている。「サイト紹介」を転載し、基本的なコンセプトを紹介する。
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Profile
わたしは、あなたとともに
あなたとわたしで、だれかとともに
いつかだれかが、わたしたちとともに
世の中は大きく変わってきました。特に、性にまつわる様々な課題が世の中全体の課題として取り上げられ、改善されつつあります。ところが女性学専門の方の中にもゲイに対して距離を置いていたり、女子校の女性教員でもレズビアンに嫌悪感を抱いていたり。学校は人を育てる場なのに、悲しいことに、弱っているものをいたわるのではなく、いたぶったり……
Silent Majority≠ニは、実は権力や常識によって分断されてきた多様なMinority≠フ集合なのではないでしょうか。
今求められているのは、多種多様な人々が、意識や行動の垣根を軽々と乗り越え、互いに手を取り合うことだと思います。人の世のマイノリティだけでなく、有用な家畜でありながら迫害されてきたヤギや、人間の安眠のため絶滅の危機に立たされているアホウドリとも握手し合うことで、地球は誰にとっても住み心地のよい世界になるかもしれません。
そこで、ジェンダー・フリーやフェミニズムの視点から、セクシュアリティの問題や教育の問題、そして、ヒトの多様な生き方をじっくり向き合い、交流し合える場を一つでも増やそうと考えました。
また、特に女子中学・高校でのジェンダー・フリー教育や性教育、人権教育等をテーマにした総合学習や、図書・新聞・ホームページを利用した自主的な学習のための「使えるサイト」を目指しています。
ここを訪れて下さったみなさんといっしょに、Project Gを、情報のデパートでも専門店でもなく、街角の雑貨屋(よろずや)のように親しみやすく、役に立つサイトに育てていければ幸いです。
そして、管理人の私も、その一端を担う事で元気に生きていきたいと思っています。
ところでG≠ニは何か。それはあなたが考えてください。新興宗教の神様とも、ゴルゴ13とも関係ありませんが、ひょっとしたらどこか彼方でつながるかもしれません。思いがけない何かと出会い、豊かなパートナーシップを築くことこそ、この
ProjectG の願いでもありますから。 (管理人 成田文広)
ご意見その他ございましたら、メールでご連絡下さい。
お問い合わせ・メールは画像/Privateroomへも、よければどうぞ
***** ProjectGはリンクフリーですが、リンクして下さった方はご連絡頂けたら幸いです
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サイトマップ
2001年3月21日現在のサイトの構成は次の通りである。「ホームページ・ビルダー」の自動サイトマップ作成機能で作成したマップのため、リンクの仕方がわかりにくいが、公開しているホームページ上で閲覧できるものと同じ形式で表示する。
※ 下記のサイトマップはサイト開設当時のものです。現在のサイトマップはこちらからどうぞ。
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Prpject G サイト マップ
ProjectG/top
ProjectG/フェミニズム・ジェンダーフリー・セクシュアリティと握手
ProjectG/法律・条文集
ProjectG/考えるヒント/ジェンダーとセクシュアリティ
研究紀要「女子学園と性的マイノリティ」
研究紀要「女子学園と性暴力」
ProjectG/教育と握手
ProjectG/考えるヒント/教育
研究紀要「女子学園とジェンダー」
ProjectG/ヤギとアホウドリとモロビトと握手
ProjectG/何故ならば
ProjectG/考えるヒント/ヤギとアホウドリとモロビト
ProjectG/top
N318君が代・日の丸
ProjectG/死の詩の部屋
ProjectG/山羊の詩集の部屋
ProjectG/リンクの紹介
ProjectG/分類表
ProjectG/図書紹介/B110 フェミニズム・ジェンダー・社会学一般
ジェンダーとセクシュアリティに関するリンク集その1/110〜140
ProjectG/図書紹介/B120家庭育児一般
ProjectG/記事紹介/120家庭・育児
ProjectG/図書紹介/B130政治・経済・労働一般
ProjectG/記事紹介/130政治・経済・労働一般
ProjectG/図書紹介/B140文化・宗教一般
ProjectG/図書紹介/B141社会・文化・風俗・民俗・広告
ProjectG/記事紹介/140文化・宗教一般
元気な女性達の部屋/分類142女性史・伝記・生き方/スクラップラックG&S142特集
ProjectG/図書紹介/B142女性史・伝記・生き方
ProjectG/図書紹介/B143文学・芸術・スポーツ
ProjectG/図書紹介/B144服飾・装飾・化粧・裸体・人形
ProjectG/図書紹介/B145宗教一般・B146仏教・B146キリスト教
ProjectG/図書紹介/B150身体とセクシュアリティ・心理一般
ジェンダーとセクシュアリティに関するリンク集その2/150〜170
ProjectG/記事紹介/150身体とセクシュアリティ・心理一般
ProjectG/図書紹介/B160性的マイノリティ一般
ProjectG/記事紹介/160性的マイノリティ一般
ProjectG/図書紹介/B170支配・暴力・差別一般
ProjectG/記事紹介/170支配・暴力・差別一般
ProjectG/図書紹介/B180性・ジェンダー・女子教育一般
ジェンダーとセクシュアリティのリンク集その3/性・ジェンダー・女子教育180
ProjectG/記事紹介/180性・ジェンダー・女子教育一般
ProjectG/図書紹介/B200心理・精神病理
心理・教育関連リンク集200〜300
ProjectG/図書紹介/B310小・中・高校 教育一般
ProjectG/記事紹介/310小・中・高校 学校教育一般
ProjectG/図書紹介/B320その他学校教育
ProjectG/記事紹介/320その他学校教育
ProjectG/図書紹介/B330教育制度・教員・管理一般
ProjectG/記事紹介/330教育制度・教員・管理一般
ProjectG/記事紹介/340塾・地域・市民団体一般
ProjectG/図書紹介/B350子どもの権利・生活・非行一般
ProjectG/記事紹介/350子どもの権利・生活・非行一般
ProjectG/図書紹介/民族・人種
民族・人権・福祉・自然・その他モロモロのリンク集/400・500・900・1000
くわず芋のお皿
マッコウクジラの万年カレンダー
モラ柄のデイパック
ProjectG/記事紹介/400民族・人種
ProjectG/図書紹介/B500人権・平和・福祉・環境
ProjectG/記事紹介/500人権・平和・福祉・環境
ProjectG/図書紹介/B900その他/ヤギ・アホウドリ・モロビト
ProjectG/記事紹介/900その他 ヤギ アホウドリ モロビト
ProjectG/図書紹介/B1000出版・資料・辞典・年表
ProjectG/インフォメーション
ProjectG サイト マップ
特集のお蔵
ProjectG/研究紀要
スクールセクハラ/教師の性暴力
「女性学」を学ぶ生徒向けブックレットの試み/長濱敦子/研究紀要43
ProjectG/Lawの小部屋/法律・条約に関するリンク集
ProjectG/つれづれ&更新情報
つれづれのたば
ProjectG/啄木の歌の部屋
menu
ProjectG/図書・資料紹介
ProjectG/スクラップの部屋
N313生活指導 茶髪・制服
N411京都新聞シリーズ;日本の中のアイヌ像
N144下着・靴下特集
N333/N173教師(校長)のセクハラ
ProjectG/プロフィール
ProjectG/プライベートルーム
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分類表
分類表は、もともとジェンダーやセクシュアリティの研究や学習を進める過程で、女性関連図書目録などを参考にしつつ、新聞記事や図書を整理するのに便利なように作成したものである。そのため、一般的な図書分類などと重なる部分はあるものの、かなり偏りがあることは否めない。ただ、あまりに網羅的に情報を管理しようとすると、そのデータベースの特徴が失われてしまう。データベースは一旦作成すると、その改編には多大な労力を要するので、作成を開始する段階で、何にどう利用するのかを明確にしておく必要がある。
分類表のページを以下転載する。
※ 本文は省略し、ProjectG の分類表にリンクさせます。
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図書データベース
サイトで紹介する図書については、すべて私が所有・管理するものにとどめた。情報量は限定されるが、紹介する責任を優先した結果である。また、書籍の内容紹介については、客観性を求め作業の効率を高めるために、紀伊国屋のBOOK
WEBの了解を取って転載させてもらうこととした。ただし、必要に応じて私自身のコメントを「メモ」の形で添付し、データベースには検索に便利なようにキーワードを付けてある。
データベースに入力してある図書数は約1000冊であるが、データベースを開くには「The
CARD Ver.8.0」のプログラムファイルが必要なため、参照できる人が限定される。そこで、「分類表」から検索できる図書紹介のために、データベースの情報の一部を別途「図書紹介」として貼り付けたページを作成した。ただし、サイトの容量の関係などで、紹介している図書数はデータベースの約三分の一である。図書紹介の一例を次に挙げる。
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分類182/家庭・地域の性・ジェンダー教育
書名:性の人権教育論 21世紀を拓くアクティビティ No.B182016
著者・出版社:山本直英/明石書店 NDC367.900
内容: 本書は、いつも「先走り?」と周囲を心配させながらも刺激し揺さぶってきた著者の問題提起から、ここ数年の論考を集めてみました。
1 歴史から学ぶ「セクシュアリティの人権」
(近代性学名著探検記わが国・性教育の歩み ほか)
2 性の人権教育を拓く―その多様な性へのアクティビティー
(障害者のセクシュアル・ライツエイズが人間に問いかけるものは何か ほか)
3 同性愛者へのラブ・コール
(『薬害エイズ』と『同性愛者エイズ』日本で初めての同性愛裁判 ほか)
4 性教育へのエンパワーメント
(二つの源流から「性の人権教育」を確認する“自立と共生”の時代に向かう「セクシュアリティ」とは ほか)
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リンク集
リンクについては、インターネット利用の最も重要な部分であるため、できる限り多くのサイトを紹介すると共に、可能な限り相手方の了解も取り、相互リンクの形を取った。新聞社については、必要なページに直接リンクを張りたかったが、新聞社の規約上トップページに張らざるを得なかった。
サイトの紹介については、できるだけその性質がわかるように心がけ、必要に応じて相手方のチェックを受けた。
また、「まぐまぐ」などに登録されているメールマガジンについても、発行者の了解が得られたものについては転載している。
リンクサイト紹介の一例を次に挙げる。
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分類520 自然・環境
520 001 動物と自然のメーリングリスト
動物の事、自然の事について、意見交換をするというメーリングリストを中心に動物園や水族館の様子もみられて楽しい上、自然保護団体ともつながっているので最新の状況が分かって勉強になります。まぐまぐの「動物と自然のメールマガジン」もおすすめ。
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新聞記事紹介
日本新聞協会を中心に、新聞記事を教育活動に取り入れる運動が提唱されており、一般紙にも称・中学生を意識した紙面作りが行われるようになってきた。しかし、新聞の情報は膨大である上、朝日・読売などの記事検索は有料であり利用しにくい面もある。また、切り抜きを保存していても、その整理と保存の方法によっては、必要な時に取り出すのが容易ではない。
そこで、本サイトの趣旨に関連する新聞記事の見出しをデータベース化し、記事活用の援助ができるようにした。ただし、記事本文の入力は膨大な労力が必要となり、Net上の記事を転載するには一つ一つ新聞社の了解を得ることが必要なため、記事の基本的なデータとその簡単な内容をメモの形で紹介するにとどめた。
切り抜きに利用した新聞は、個人で購読している朝日新聞の南京都版と、中学図書室で廃棄処分となる読売・京都新聞の京都市内版、及び個人の善意で時折頂ける日経新聞の京都市内版であり、1998年以降のものを収録した。
データベースへの入力は個人で継続的に行うことが困難なほどの量となるため、とりあえず紹介したいものについては、図書紹介と同様にデータベースの情報の一部と新規のデータを別途「記事紹介」として貼り付けたページを作成し、分類表から入室できるようにした。その一例を次に挙げる。
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分類123 結婚・離婚・シングル・事実婚・不倫
朝日 20001221 朝刊 7 面 No .N123a001221m7-1
オランダ 上院議員議会
シリーズ・特集;
見出し: オランダ「同性婚」認める/上院で法案可決/普通婚と同じ権利
メモ :同性カップルの結婚、養子縁組を認める法案が可決。春には発効。オランダでは、すでに1998年に同性カップルが地方自治体への「パートナー登録」をすれば年金授受や相続権が保障されており、2000年7月までに9500組が登録済み。今回の法律で、全く異性・同性の区別がなくなった。
日本でも、早くこうした条件が整う事を願います。が、この事で、きっと離婚訴訟も増えるんでしょうね。
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考えるヒント
「ジェンダーとセクシュアリティ」「教育」「自然と人々」それぞれの部屋に、考えてみたい課題を設定し、それを考えるためのヒントや参考資料にジャンプできるようにした。疑問に対して「模範解答」を示すようなQ&Aではなく、個々人が自分なりに問題に向き合っていく上での一つの視点を提示し、考えを深める援助のための図書・リンク・新聞記事へアクセスできるように構成した。
また、考えるヒントを訪れる人々から募集し、参加型のサイトとなるように心がけた。ただし、掲示板の設置については、その管理が問題となることもあるので取りやめた。
次にあげるのは、ヒント集の一例である。
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Ed04 男女共学化の中で、女子校には未来はないのでしょうか
ヒント この問題を考える視点として、次の3つを押さえてみてはどうでしょうか。
@ この世の男女間のダブルスタンダードやジェンダーバイアスの存在を認知した上で、その改善に取り組むこと。
A 学校経営の根本は、その学校のアイデンティティ(建学の精神)に常に立ち返り、そこから現代的な課題への対応を図ること。
B 目先の「利益」にとらわれず、社会の本流を見据えて、社会に開かれた学校を目指すこと。
東北地方では、公立高校の多くが、未だに男女別学で設置れている地域もあるようです。戦前の態勢を引き摺った男女別学の解消と共学化の流れは大いに歓迎すべき事でしょう。
しかし、一方で社会に現前として存在する男女間のダブルスタンダード(男はよくても、女はだめと言うような二重基準)が存在しています。男女平等の掛け声の中で、男女の生物学的な差異に基づく女性(母性)保護が軽んじられていきながら、男女差別が因習や常識として、あるいは経済効率として根強く残っているのが現実です。
学校教育の場でも、進路選択や科目選択、大学の学部による男女比などに、多くのジェンダーバイアス(性別による偏り)があり、それらが「男女の特性」と言った非科学的な言葉で容認されているのも事実です。
「良妻賢母育成」や「お嬢さん学校」を目指す女子校は一部の特殊な学校法人によって守られていくのでしょうが、これからは、こうした性差別を乗り越えるだけの力と闘う術を学ぶことのできる女子校が、女子校として生き残っていく社会的価値を有するのではないでしょうか。
特に私学の場合、それぞれの学校に「建学の精神」があり、その多くが、仏教やキリスト教などの宗教がベースになっています。ところが、広告やパンフレットには「宗教による人格形成」「心の教育」を謳いながらも、「女子校」であることと同時に「宗教系の学校」であることを実質的に薄めていく傾向を見せている学校もあります。
「女子校は流行らない。宗教はウサン臭くてシンキ臭く見られる」と、自らのアイデンティティーを見失い、目先の進学実績に目を奪われた女子校の末路は想像がつきます。
カトリックであれ、仏教であれ、女性に対する差別の歴史を持っています。それを乗り越え、宗教が導き出しうる人間解放・女性解放の道を示すことが、女子の宗教系学校に求められる社会的価値ではないでしょうか。
公教育を担う学校であれば、公私の区別なく現代的な課題にどう対応し、学校をどう社会に開かれた場にしていくのかと言うことが求められます。男女の区別なく高い学歴や教養や技術を身につけていけるような学力保証をすることも、大きな課題の一つです。国際化、情報化、IT革命と次々に押し寄せる課題への迅速な対応は不可欠です。
しかし、その全てが男女平等な社会ではなく、男女不平等な社会の中で、女子に身につけさせる課題だと言う認識が必要でしょう。みずからが「女子」の教育機関であるという自覚を失った時、生徒や保護者の女子校離れを加速させることになります。
学校の主役は学びの主体=生徒達であることを再認識し、これからの社会で女性が人生を切り開く力をしっかり付けていくことを自信を持って標榜できる女子校こそが、伝統を重ねていけるのではないでしょうか。
また、大学などを併せ持つ総合学園の場合、大学との連携をどう築くのかと言う課題を抜きにして、安定した経営基盤を求めることは困難でしょう。公立高校の中でさえ、「冬季進学講習」を受験勉強に絞らず、複数の大学と連携した学習の場にしていることに、もっと学んでもよいのではないでしょうか。
参考 図書B180001/B314001リンクL185/L319
記事N185 / N325 / N319 /N320 /N315
紀要 44-1-2-1/44-1-3/43-2-2-2
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研究紀要の利用
1998年度と1999年度の本校研究紀要に投稿した私の小論「女子総合学園における性的マイノリティに関わる課題」「女子総合学園におけるジェンダー及びセクシュアリティに関わる課題/新聞報道に現れた「性」にまつわる意識と問題/第T部
女子学園とジェンダー」「女子総合学園におけるジェンダー及びセクシュアリティに関わる課題/新聞報道に現れた「性」にまつわる意識と問題/第U部
女子学園と性暴力」の三点と、長濱敦子氏の小論「女性学を学ぶ 『女性学』性と向けブックレットの試み」を掲載し、考えるヒントに活用できるようにした。
この他、日本国憲法の条文や、性に関わる法規や宣言などの一部を掲載し、日常生活では意識しにくい法的な問題にも目が行くように工夫した。
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サーチエンジンへの登録
サイトは2001年1月11日に開設し、公開後70日を経た3月21日現在のアクセス数は1238である。サーチエンジンへの登録は二月に入ってから自動登録されるロボット型サーチエンジンへの登録のみ行った。年度末までにはYahooなどの登録審査が行われるサーチエンジンへの登録も予定している。
ホームページは一旦出版されたら容易に改訂できない書籍と違って更新が容易である上に、訪れる個々人とのやり取りも可能である。インターネットの双方向性を最大限活かし、継続的に「考えるヒント」や「リンク集」の充実を図りたい。
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