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N176 伝統習俗  女子割礼  FGM
紹介記事目録
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記事紹介の留意事項












朝日
2013/07/25
No .N176a130725xxx





シリーズ・特集;http://digital.asahi.com/articles/TKY201307240628.html?ref=comkiji_txt_end_kjid_TKY201307240628
見出し:
女性器切除、1億2500万人以上が被害 ユニセフ調査
メモ :
【ニューヨーク=春日芳晃】
国連児童基金(ユニセフ、本部・ニューヨーク)は2013年7月22日、アフリカや中東の一部で続く「女性性器切除」について、現在29カ国で計1億2500万人以上が被害を受けているとする最新の調査報告を発表した。今後10年間で新たに3千万人以上が被害を受ける恐れがあるという。

報告によると、29カ国はエジプト、ギニア、ソマリア、スーダン、エチオピアなどのアフリカ諸国と、イラク、イエメン。

女性の性器の一部を切除する風習に反対する人は増える傾向にあり、今回の調査では、切除を受けた女性の割合は約30年前に比べて減った。ケニアとタンザニアの15〜19歳の女子は、45〜49歳の女性が同年代だった時に比べると3分の1に減少。中央アフリカやイラク、ナイジェリアでは10代の減少が目立つ。

国連は「人権侵害であり、健康面で長期的に悪影響を及ぼし、心にも深い傷を負わせる」とし、根絶に向けた啓発・教育活動に取り組むよう加盟国に求めている。

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朝日
2006/06/04
No .N176a060604xxx




WHO
シリーズ・特集;http://www.asahi.com/life/update/0603/007.html
見出し:
女性器切除、出産時の母子に高い危険性 WHO調査
メモ :
アフリカや中東の一部で伝統的に続いている女性器切除(FGM)は出産時の大量出血や死産といった母子の命の危険につながっている、との調査報告を世界保健機関(WHO)が2006年6月2日まとめた。「文化や伝統に深く浸透した慣習とはいえ、すぐにやめるべきだ」と警告している。

性器切除の慣習が広く残るブルキナファソ、ガーナ、ケニア、ナイジェリア、セネガル、スーダンの28カ所の産院で2001〜2003年、約2万8千人の女性を調査。その結果、性器切除を受けていない女性に比べ帝王切開による出産が3割多く、分娩後のひどい出血は7割多かった。生まれてきた赤ちゃんでは、仮死状態で蘇生させなければならないケースが66%多く、死産率が55%多かった。

報告書は、性器切除によって外性器の伸縮性がなくなり、会陰切開や帝王切開をしなければならない難産が増えると分析。分娩の時間が長くなり、赤ちゃんにも大きな負担がかかって危険が高まるとみている。

性器切除を受けた女性は世界に約1億人以上いると推定される。性感を減じて婚前の性交渉をさせない意図や、女性器をけがれたものとする偏見が背景にある、といわれる。

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朝日
2001/06/22
朝刊 27
No .N176a010622m27
ソマリア




シリーズ・特集;
見出し:
アフリカ・ソマリアの女性器切除/因習と闘う女性たち
メモ :
アフリカのイスラム教国ソマリアでは、女性の性欲を抑制し、縫合によって処女性を守るというねらいによる女性器切除(FGM)の因習が世界で最もはびこっている。その苦悩をくぐり、孫を持つ代になった女性たちが、因習の一掃に立ち上がっている。

国連児童基金(ユニセフ)の昨年の調査によると、ソマリアでは95〜98%の女性が早いと5歳、遅くても10歳までにHGMの手術するのが一般的。
外性器を鋭利な刃物で完全に切除した上、性器を縫合する。外性器の一部を切り取る方法や、傷をつけるだけの方法もある。しかし、手術時の出血死や、感染症の危険性は大きく、性器の縫合により尿が出にくくなったり、生理不順の原因になったりすることもある。また、出産の時に、母子とも危険な状態になることもある。

宗教、文化、家族制度、処女性の重視などが因習一掃の前に立ちはだかっている。また、女性を苦しめるFGMに最も固執しているのが母親や祖母たちだといわれる。
因習は子供たちの心にも深く根を下ろしており、、女性活動家が、外性器に傷を付けるだけの方法で娘にFGMをさせたところ、娘は他の子と違うことに気付いて悩み、手術をやり直したという。

ソマリア各地で組織されているFGMに反対する女性のグループがFGMの害を訴えた結果、イスラムの多くの宗教家たちが、宗教的な根拠はないと支援するようになったという。

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京都
1999/05/04
朝刊 11
No .N176k990504m11
トーゴ共和国・米国


22
ファウジーヤ・カシンジャ
シリーズ・特集;
見出し:
性器切除の悪習告発/米に亡命のカシンジャさん
メモ :
女性に貞節を守らせるためとして、麻酔や消毒をせずに少女の性器をそぎとるFGM(女性性器切除)という習慣が、アフリカやアジアの一部で続いている。
FGMによる人権侵害を理由21995年、アフリカのトーゴ共和国から米国に政治亡命したファウジーヤ・カシンジャさんは、自伝「ファウジーヤの叫び」(ソニーマガジンズ)の中で、この残虐な悪習を告発している。

カシンジャさんは1977年、トーゴ共和国南西部の小さな町パリメに、、運送会社経営者の五女として生まれた。高校生だった17歳のとき、父親の病死をきっかけに伯父夫婦から、45歳の男性との結婚とFGMを迫られ、米国への脱出した。
政治亡命の申請に対し、米国の入国審査当局は「FGMは亡命理由にならない」として強制収容所入りを決定。若手の女性弁護士らは「個人の生命や自由に深刻な脅威を与える迫害行為であり、亡命理由に当たる」と主張。支援グループの熱心な活動や世論の支持に後押しされて1996年6月、亡命が認められ、今はニューヨーク市立大学に在学中。

FGMは約40カ国で行なわれ、毎年約200万人の女性が強要されているとも言われる。死亡したり精神障害を起こす被害者も少なくない。

カシンジャさん
「私が属していたのは歴然とした男性優位社会。女性が自分で考え、決定し行動することは到底できない。FGMに反対の母や姉が、私をアフリカから逃してくれたんです。脱出に失敗していたら、私は殺されていたでしょう」
「男女に限らず人権を守るためには、友情と共感が大切だと痛感しています。世界各地で虐げられている女性に思いを寄せ、そういう女性を救うために多くの人たちの力を貸してほしい」

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朝日
1999/02/18
朝刊 8
No .N176a990218m8
フランス/パリ



パリ重罪裁判所
シリーズ・特集;
見出し:
仏、女子割礼に有罪/アフリカ系住民「夫とは幸せ」
メモ :
フランスに住むアフリカ系住民が、少女たち48人の女性器を切除する割礼を施していたとして傷害罪に問われた裁判で、パリ重罪裁判所は1999年2月16日、有罪判決を出した。
割礼を専門に引きうけていたマリ人の女性(53)に禁固8年の実刑、自分の娘に割礼を受けさせた母親たち26人に、禁固2年の実刑から禁固5年(執行猶予付き)を言い渡した。被告らは「文化であり伝統だ」と主張したが、判決は求刑よりも重い内容だった。

アフリカ系住民の一部では、女子割礼は結婚をするために必要だと考えられている。約2週間の公判で、検察側は、こうした伝統はアフリカ社会における男性優位と一夫多妻制を正当化するものだと批判。「習慣の中には立派なものもあるが、そうでないものもある。体を傷つけるような習慣はフランスであれ、マリであれ認めがたい」と主張した。

被告側は「もしフランスの法律に触れるのであれば申し訳なかった」と謝りながらも、娘に女子割礼を受けさせた母親たちは「私も割礼を受けているが、それで人生が台無しになったとも思っていない。夫とは幸福に暮らしている」などと反論していた。

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朝日
1999/12/09
朝刊 25
No .N176a991209m25
タンザニア
短大教授


富永智津子
シリーズ・特集; 地域を読む  富永智津子  東アフリカの女性  下
見出し:
根強く残る「女子割礼」慣習/変わらぬ結婚観が母親をしばる
メモ :
FGMがいかに女性にとって暴力的な行為であるかは、誰の目にも疑いような事実である。たとえ、それがどれほど深くアフリカの伝統社会に根ざす成女儀礼であると聞かされても、20世紀末の女性の人権感覚からすれば、到底容認できない、悪しき慣習であると判定せざるを得ない。
ところが、意外なことに、被害者であるはずの女性自身が、その慣習のもとも熱心な支持者であることに、私たちは愕然とする。そして、この問題の根の深さを知らされる。

1999年8月にタンザニアを旅して目にしたFGMに関する新聞には目を疑うような記事があった。タンザニア最大の都市ダルエスサラームで行なわれた産婦人科学会でのことである。ある地区で8年にわたって調査を行なってきた現場の医師がFGMについて報告し、人権派の医師たちの批判を浴びた。この医師は、調査した803人の少女のうち、FGMをうけていたものは117人、そのうち28人は1歳未満だったと報告し、通説とは異なる具体的なデータを提示して、現状を肯定するとも思える発言をしたのである。

たとえば、
FGMを受けている少女や両親の7割から8割がキリスト教徒であること。
41%の人々は、FGMの目的を「美容」と考えていること。
FGMが伝統的な成女儀礼と考えている人は2%に過ぎないこと。
HGMのタイプは、従来考えられていたよりも局所的な軽いものであって、破傷風などの感染症による健康上の問題は過去8年間皆無であったこと。

タンザニアの旅の終わりに、私は「タンザニア・メディア女性協会」という名の非政府組織(NGO)を訪ねた。広報担当の女性は、なぜFGMがなくならないのか、と言う私の質問にこう答えた。
「その理由は、FGMを受けさせなければ、娘が結婚のチャンスを失うかもしれないと言う母親の恐怖心です」

成女儀礼というFGM本来の社会的意義はかつてより薄れている。しかし、女性は結婚し、子どもを産むべきだと言う強い社会通念は変わっていない。それが女性たちを呪縛している。
医師の報告にあった「美容」という新たな理由付けは、このことを雄弁に物語っていると、私は思った。
(宮城学院女子短大国際文化科教授 富永智津子)

FGM(Female Genital Mutilation)
アフリカならびに中東の一部に古くから伝わる成女儀礼。性器の一部を切除、あるいは縫合するなどいくつかのタイプがあるが、いずれも苦痛と生命の危険を伴う過酷な儀礼であることから、1994年にカイロで行なわれた国連人口開発会議や1995年、北京での世界女性会議を機に、廃絶運動が進行している。

東アフリカ諸国の中で、ケニアでは40以上を数える民族集団のうち、12の集団がFGMの慣習を維持し、タンザニアでは主に中部から北部にかけての地域で行なわれているとの報告がある。

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