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No.78: ノートルダムのツリー (2006.12.6)

今日は一日練習。
なんだか、『真面目で勤勉な日本人』を地でやっているかんじだ。
これが、留学期間が3年くらいあったら、・・・1年目は真面目にやっているが2年目は女と酒におぼれて退廃的なアンニュイな生活を送り、退学になりかけ、3年目に『ああ、おれはここでいったい何をやっているんだ』と心を入れ替えて勉強に打ち込む・・・、というような、もうちょっとはパリっぽい展開になるかもしれないが(・・・まあ、ならないと思うけど)、残念ながら1年間の留学期間ではアンニュイになっている余裕はなさそうだ。

昨日のレッスンまで宿題に追われて掃除をする暇もなく、部屋中フランスパンのパンくずだらけになっていたので、きょうは練習後にガーガー掃除をする。
そのあと、ノートルダム寺院のクリスマス・ツリーの進行具合を少し見に行く。



今日もなにやら作業していたが、ほぼできあがったようだ。


ほんとは、金色の光の中に、えんじ色のリースが渋い光を放っている。
(残念ながら、このデジカメではその美しい色が再現できないけど。)


帰り道。サンルイ橋。(シテ島から見たサンルイ島)
パリの街頭の灯り、月の明るさとほぼ同じ明るさだ。

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No.77: 今日はレッスン (2006.12.5)

ああ、レッスン終わった。開放感ー!
といっても、また明日から宿題をブルドーザーのようにかたずけにゃならんので、プチ開放感、という感じか?
フルート、先生の前ではなぜか吹けてしまって、合格したのはうれしいのだけど、そうすると新しい宿題が出るので、また自分の首がしまる。
先週、滝のように汗をかいて恥ずかしかったので、今日は少し薄着していったが(先週ほどではないけど)やはり汗をかく。「火事場の底力」をだすと、汗が出るようだ・・・

室内楽は、ハイドンのG-durのトリオが終わって、来週はD-durのトリオをやることに。
レッスン後、トリオのメンバーと、「やっぱ、全楽章さらってかないといけないよね?」、「う~ん、きっとそうだろうね。」、「1楽章だけだとすぐ終わっちゃうもんね。」(←『レッスン時間がもたないよね』という意味)と、後ろ向きの立ち話。

しかし、フルートのレッスンは当然おもしろいのだが、室内楽のレッスンもかなりおもしろい。先生のポイント、ポイントのちょっとしたアドバイスで、曲全体が生き生きとした楽しい音楽に変身するので、まるでマジックのようだ。

* * *

とりあえず、今日だけでも開放感にひたっておこうと思って、帰りにBHVという百貨店に行く。クリスマス・カードや、ベービー服なども見てまわる。

カード類は、クリスマスカード(年賀状に相当)のほか、ウエディングカード、誕生日カード、出産祝いカードなどなど、いろいろなカードが定番商品としてそろっている。
けっこう手の込んでいて、値段もそれなりにするものが多い。(2.5~12ユーロ(\380~\1800くらい)
この値段帯と、この手の込みよう、なにかに似ているなぁ・・・と思ったら、ああ、日本のお祝儀袋に似ている。(きれいなお祝儀袋を見たとき、素直に「ああ、日本って美しいなぁ」と思ったことがある。)

ベービー服は、ああ、こちらは正しく「かわいい赤ちゃん」「やさしいお母さん」系だ。
日本よりはシックな色合いのものが多いが、日本人から見てもぜんぜん違和感のない品揃え。くまちゃんもあるが、なぜかタヌキ・キャラが多い。
こういうトラディショナル系の方が安心して品定めできるが、先日のすごいのを見てしまった後では、なんとなく物足りなく感じる。矛盾しているけど。
中間はないのか!? ・・・って、そんな中途半端なの、きっと意味ないですね。



BHV。イルミネーション、けっこうきれい。


帰り。暗くなって雨が降っている。


買ってきたカード類、こんな感じ。
センスがよいのも、ダサいのも、いろいろ売っている。
カードに限らず、「おしゃれなパリ」なモノに出会う確立は2%くらいか?


こういう手作業で作られているものも多い。


ベビー服。トラディショナル系とモード系。
さて、Iちゃんはどちらが気に入るでしょうか???

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No.76: 明日はレッスン (2006.12.4)

きょうも朝からがんばったけれども、ああ、どれもちゃんと仕上がってません。宿題。
というか、宿題、ぜんぶ1回通して吹くだけでも1時間以上かかるんじゃないか?
ああ、しかし、あと2週間でクリスマス・バカンスだ。(年末年始、3週間弱お休みになる)
レッスンは、明日をいれて、あと3回。
なんとか乗り切って、年を越そう。

腹が減ったので、日が暮れてから、よろよろと食い物を調達に出かける。
今日は雨が降ってる。
靴底、つるつるにすりへったままなので、ころばないように気をつけないと。



あらあら、こんなことしたの、誰だろね。 信号機の支柱がひんまがり、
歩行者信号機がおっこちて、ぶらぶらしながらもちゃんと点滅している。
駐車中の車に激しく車をぶつけたりとか、スーパーの中でワインのビン
を落として割ったりしている現場を見かけたが、こっちの人、逃げちゃう。
「逃げるが勝ち」。「赤信号、みんなでわたれば怖くない」。


不思議な文房具店。はねペンや、ペン先や、怪しいオーラを発した
カードなどを売っている。入ったことないけど、こういうオーラを発し
ているもの、たいてい例外なく高いんだよね。(値札は付いてない)

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No.75: フランスの「千と千尋の神隠し」 (2006.12.3)

昨日、「千と千尋の神隠し」のフランス語版DVDがかなりおもしろく、フランス語吹き替えバージョンと、フランス語字幕入りの日本語バージョンと、両方見てしまう。
そのせいで、昨日、かなり夜更かしをしてしまった。
登場人物が、みんなフランス語でしゃべっている。そうすると、なぜか、登場人物の性格までフランス人っぽくみえてくる。
今日も、夕食後、部分的に何箇所か見てみる。フランス語吹き替えと、フランス語字幕は(訳者が違うのか)同じではない。

日常会話でのフランス語、「そんな言い方しなくてもいいでしょう・・・」と思うことを言われることがよくある。(最近はそうでもないけど、滞在許可書関係の頃は頻繁にそういうシチュエーションに出くわした。「いいえ、だめです。帰ってください。」みたいな。)
日本人的には、それ、けっこう精神的なダメージを受けるのだが、でもそれ、そんなに悪気があって言っているのではない、と言う気もしてきた。

このDVD見ていて思ったのだけれど、日本語は感情を伝えるための言語で、論理を伝えるのには適していない。ヨーロッパ言語はその逆なんじゃないか、という気がしてきた。
日本語が「感情を伝えるための言語」だと思うのは、相手に何かを要求する場合「~していただけると助かります。」というような、相手の感情に訴えるような言い方をする。

こちらで、日本人のようにもごもご言っていると、相手は、「それで、あなたは私に何を望んでいるのですか?」と聞かれる。
きっと、「私はあなたに○○をしていただきたいです。」とはっきり言えばいいんだ。
「はい」か「いいえ」は相手が決めること。こちらが先回りして気を使う必要はない。
「はい」なら「メルシー」でよし。「いいえ」なら「なぜですか?」と聞けば、きっと理由が返ってくる。その理由によって、こちらは、ねばるべきか、あきらめるべきか判断すればよい。

日本語は、常に相手の感情をうかがいながら、そして、常に相手が自分の気持ちを察してくれることを期待しながら会話が進行する。
日本語、ひょっとしたら、かなり特殊な言語なのかもしれない。

こっちは、掃除機も、歯ブラシも、言葉も、ごつくて合理的だ。



DVD。裏側。


左:フランステレコムの解約通知書。
右:ナフテレコム(ADSL+電話)の入会規約。
こういう「契約」や「規約」のたぐいの書類、日本のはとても読みづらい独
特の文章だが、こちらはごく普通の文章で、単純明快でわかりやすい。
それで、『日本語は論理を伝えるのには適していない言語だ』と思った。


関係ないが、今日、近くのチーズ屋さんで買った、
めちゃくちゃうまいコンテチーズ。香りもいい。

●おまけ: 「千と千尋の神隠し」の日仏比較。

不思議の国(?)に迷い込で帰れなくなった千尋(10才)、生きていくために温泉旅館で働くことになる。ある日、先輩のリンと、激しく汚れた浴場の掃除を命じられる。いくらこすっても落ちないため、リンは薬湯で洗う必要があると判断する。(薬湯は、本来はお客の入浴用。) そこで、千尋が、番台に薬湯の札をもらいに行った場面。

【日本語】
番台:「そんなもったいないことができるか。」←いじめている
千尋:(しばらく突っ立っている)
番台:「いつまでいたって同じだ。戻れ戻れ。手でこすればいいんだ。手を使え、手を。」
千尋:「でも、あの、薬湯じゃないとだめだそうです。」←状況を察してくれと言っている
番台:「わからんやつだなぁ。」

【フランス語の訳】(ぶんげんの訳なので多少違っているかも)
番台:「論外だ。それは君にはもったいなすぎる。」←「ノー」の理由を述べている。
千尋:(しばらく突っ立っている)
番台:「ここにいても無駄だ。手でこすりなさい。不平を言わずに仕事に戻りなさい。」
千尋:「ムッシュー、お願いします。でも、薬湯が必要なのです。」←要求している
番台:「しかし、君、頭が固いね。」

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