「あたしは 生まれた時から 全身そろってたわ?」

 「俺には人形の体は よく分からんが
 それが鬼っ子って呼ばれるゆえんだろ」
 「人形はたとえ 首(ヘッド)だけでも 
 平然としてうつくしいのが良い」
 「ご主人様はそういう 風情を楽しんでたのに
 お前さんにはとつぜん 気まぐれを起こしなさった」
 (ちなみに 鳥(わたし)は首ちょんぱされたら死にますよ。)

 
 「おおっと 『塔』だ」
 「ありがとう 灯鬼 ここでいい」

 
 「お前さんは 帰ったがいい」
 「硝子姫に そのかわいいおててやあんよを
 見せる訳にはいかないよ」

 「わたくしには 何が 足りないのかしら」
 

                            END