PMF2011〜その2
コンダクティングアカデミーとBプログラム


2011年7月16日 夜 Massa-'s room

明日の天気は・・・。
朝方までは雨、お昼には曇りに落ち着く模様。
しかし芸森は市内から南に外れた山の中。
意外と天気予報が当てにならなかったりする。
明日は久々に息子同行の芸森である。


2011年7月17日 札幌市南区 某所 Massa-'s Car

「腹減った〜、芸森まで我慢できない!」
部活を引退して、運動量も激減したというのに食欲は激減しないやつだ・・・。
「しゃーないな〜コンビニ寄るか?セーコマ!」


2011年7月17日 13:00 札幌芸術の森 第3駐車場

天気予報通り、雨に降られることはなさそうだ。
駐車場は先週に比べるとガラガラ。
ん?向かい
に駐車の車の助手席に見覚えのある美女が・・・。
ドライバーの男性共々こちらに気がつかない様子。


2011年7月17日 13:05 札幌芸術の森 野外ステージ前

車内の姿では見当がつかなくても、さすがに胴長短足の全身をさらしては見つかるか・・・。
彼女連れのブラックモアさんが遠くから見つけてくれた。
こちらは屋台目当ての子供連れである。

「はじめまして〜」
?彼女様と息子は初対面だったっけ・・・。

椅子席のカップルは芝生で優雅にランチ。
芝生席最前列を狙う欠食親子は行列に並ぶ。
おや?雨粒が落ちてきたかな・・・。


2011年7月17日 15:00〜 PMFコンダクティングアカデミーコンサート

指揮者コースというのはあまり記憶がないのだが、
第1回、佐渡さん等がバーンスタインの下で指導を受けて以来の設置だとか。

客席には「先生」ルイジはもちろん教授陣達もたくさん姿を見せていて、
自分たちの目前の椅子席には東京クヮルテットの磯村さんが座った。

最初はウェーバーの「魔弾の射手」序曲。
アゼルバイジャン出身のアカデミー生の名前は"IBRAHIMOV"。
なにやらサッカーが上手そうな名前である。
丁寧な指揮で弦楽器から巾の広い響きを引き出そうとしていたが、
緊張からか、腕が上がらない様子で終盤まで今一つ気勢が上がらない。
序奏でホルンが全くの不調だったのは気の毒。

続いてはチャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲。
上海の女性アカデミーが指揮。
ある意味、今日一番の難曲だったかもしれない。
独奏が大変柔軟なテンポを取ったためか、なかなか呼吸が合わない。
第3楽章の第2主題提示前など、同じ場所でいつも合わないというのは、
オケの技術もさることながら、やはり指揮者の力量ということか・・・。
彼女も腕が高くあがらず、腰のあたりをさまよっていた様に見えた。
終演後、その様子をルイジがまねをしていたから、緊張から来たものだったのかしら。
ソロは20代のロシアの女流だったが、カデンツァなどここ一番は決まっているのだけれど、
細かい部分での引き損ねが目立ち、安心して音楽を楽しむには至らなかった。

休憩をはさんでシューマンの「春」は今日一番の大曲。
ロシアからのアカデミー生は先の二人に比べればかなり余裕のある指揮ぶりで、
オケからスケール感のある響きを引き出したが、
第3楽章でのアウフタクトの扱いやフィナーレでの楽想の切り替えなど、
細部の仕上げには甘さが残った。

こうなると最後のR=シュトラウスがとても不安になったのだが、
後から調べると最後の日本人は、プロとして活躍しているということで、
ヤマを張ったようなオーバーアクションが気になったが、
曲に対するオケのモチベーションも違ったのだろう。
威勢の良い演奏と終演後のリアクションでこの日をなんとか締めくくった。

休憩途中には傘が必要なほどの雨も降ったこの日、
かなりの聴衆が集まったのだが、
このレベルであれば、ちょっと厳しいのではないか?
椅子席の金額にはちょっと見合わないのではないのか?
参加したアカデミーのレベルと、指導のレベルはマッチングしていたのか?
指導の時間は十分だったのか?
課題曲の難易度は適当だったのか?
素人にもいろいろと疑問がわいてくる。
来年このコースが存続を含めてどうなるのかが気になるところ。

コンビニで腹ごしらえした息子の食欲はやや控えめ。
それでもブラックモアさんにいただいたサモサに、フライド・ポテト2つに焼鳥セットにジュース1本。
帰りにはタージ・ロールにサモサの安売りしていたのをおみやげにと、
一人で聴くより数倍のエンゲル係数を計上した。

終演17:10


2011年7月24日 11:20 Massa-'s Home

「おーい、今日はどうする?欠席かい?了解!」
さて、用意するか・・・。おや?組織委員会からの封筒が未開封のまま出てきた。
「ご招待状」?・・・えーっ!これ外れたと思っていたよ。
「7月24日12時より」・・・どうがんばってもここから1時間かかるよな・・・。
とりあえず走ろう。


2011年7月24日 12:30 札幌芸術の森 アートホール ホワイエ

「申し訳ありません。途中入場はできますか?」
「演奏中でなければ大丈夫ですよ」
「ありがとうございます」

ホールへのドアを開けたとたん、中から楽譜をかかえた赤堀さんが出てくるのとすれ違った。
これだけ間近でみるのも初めてかしら?なんともお美しい・・・。


2011年7月24日 13:00 札幌芸術の森 アートホール アリーナ

「時間になりましたので、これで終わりまーす」
前半トークが40分。後半演奏30分と予想しての遅刻参加だったが、
前半演奏30分、後半トーク30分だったようだ。
曲はシューマンの幻想小曲集。ピアノはもちろん赤堀さん。
用意された椅子は半分も埋まっていなかった。
なんと申し訳なくも残念なことをした・・・。


2011年7月24日 14:20 札幌芸術の森 野外ステージ 芝生席

開場前の行列はそれほど長くなく、今日も芝生席最前列を確保。
先の大失敗が響いたのか、やたらお腹がすいてきたので、
屋台の肉巻きおにぎり(1個300円!)をいただく。
見た目は実においしそうなのだが、解凍物らしく味は今一つ・・・。


2011年7月24日 15:00〜 PMFO Bプロ 〜ルイジ・コンダクツ・ブラームス〜

やっとルイジ登場のBプログラム。
先週の欲求不満を解消してくれるのか?

最初は先ほど聴き逃したシュミードルによるモーツァルトの協奏曲。
この曲に限らず、PMFを中心に今まで何回彼の演奏を聴いたことだろうか。
この日の演奏は珍しく両端楽章で技巧的に不安定な部分が少なからずあったのは残念。
昨年ウィーン・フィルを退職したわけだが、今日の不調はおさらい不足か、それとも疲れからか、それとも・・・。
そうした点で、一番安心して聴けたのは第2楽章、以前トヨタのコンサートで大変幸せな演奏を聴くことがあったのを思い出した。
伴奏はPAのせいかもしれないが、やや低弦が出張ってしまい、音楽が重くなる部分があった。

続いてはぐっと人数が増えての「トリスタンとイゾルデ」。
前奏曲は比較的速めのテンポで若々しい音楽。
しかしこの曲にはもう少しうねるような起伏と不健康さが欲しい。
またルイジがよくテンポを動かすのだが、やや強引な変化だったのも自分には不満だった。
「愛の死」はぐっと落ち着いたテンポで始まり、終盤美しいクライマックスを聴かせた。
全体のバランスが秀逸で随所の管楽器のソロが埋もれることなく聴かれたし、
弦楽器はピアノからフォルテまで美しい響きのトレモロを聴かせた。
ただ音の粒の揃いが時折悪くなるのは急造オケ故仕方ないか・・・。

休憩をはさんでブラームス。
今年のPMFOのウィーク・ポイントはホルン。
交響曲第2番冒頭はなんとも頼りない入りとなった。
ルイジの指揮は昨年のベートーヴェンを思い出させる意欲的なもの。
第1楽章の提示部あたり弦楽器の内声部の浮かばせ方などが強引で全体的に響きが粗かったが、
こちらが慣れたのか、次第にこなれた感じになっていった。
はっとしたのはその第1楽章提示部のリピート。
この反復は実行されても、なにかうやむやのうちにダ・カーポしていた風な感じで、
「おー、提示部もう1回、お得だね」みたいな思いで聴くのだが、
この日の音楽は、実に丁寧で明快、かつ自然に演奏され、
ホルンの回帰が必然として受け止めることができた。
第2、第3楽章と実に明快なブラームス。あえて文句をつけるならば、
もう少し翳りというか、理屈ぽさがあってもよかったかなという気もした。
終楽章は昨年のベートーヴェンに並ぶ熱演で終演後大いに沸いたが、
終盤のテンポの上げ方など、いささか強引で不自然に思われた。

終演 17:00


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