PMF2009応援日記! その7

Kitaraでの長〜い1日


2009年7月24日 21:40 札幌ドーム

マツダオールスターゲーム2009 第一戦
セ・リーグ 000 111 043|10
パ・リーグ 101 001 500|8

両軍合わせて31安打、大変な試合だった〜。

パリーグは負けたけれど、いい試合だったね。」
「うん、すごかった!来てよかった」

家へ帰れば11時過ぎ。
明日息子は朝9時からサッカーの試合。
こちらはPMFOのゲネプロ10時から。
二人とも起きれるのかな〜。


2009年7月25日 9:00〜 札幌コンサートホールKitara前

Kitaraの開館は9時半、ちょっと早く来すぎたか。
小雨が降っていては公園のベンチで休むこともできない。

公園の南側に目を向けるとピアノの赤堀さんが、こちらに向かってくるではないか!
となりの女性との会話に耳をすませると・・・英語・・・わからん・・・。

9時を少しまわったところでエントランスの一つに立つ方が現れた。
自分も4番目に加わる。9時半開館と同時に即受付になるから、こうしておけば競争せずに済む。

時間通り開館、受付を済ませて今日はCBブロック2列目センターに陣取る。
テレビカメラが入っている、Aプロにもぜひ入ってほしかった・・・。
ほどなくブラックモアさんが到着、しばし談笑。
ステージを見てびっくり、MTTも対抗配置を採用するようだ。


2009年7月25日 10:00〜 札幌コンサートホール 大ホール
PMFO オープン・リハーサル

最初はトーマス自身のブラスのための作品。12人の奏者に指揮台なし。
今年は公式プログラムに曲目解説がいっさいなくて、データなしで聴く。
なんとなく聴いたことのあるような旋律が浮かんでは消え浮かんでは消え・・・。
強烈な抑揚の少ない音楽は子守唄にふさわしい・・・。
素人の耳にも,、もっとデフォルメして面白く聴かせることもできるだろうにと思うが、
トーマスは自作の意図をアカデミー生により細かく、そして深く伝えようとしているのか、実に懇切丁寧。
椅子に座り時折足を組んでの指揮スタイルはエッシェンバッハとは対照的である。
15分ほどの曲と思われたが、何か所も止めては最後のチェックが行われた。

ブラックモアさん曰く、
「コープランドやバーンスタインとかいろいろなスタイルがとっかえひっかえ聴こえます」
そういえば「パリのアメリカ人」みたいなモチーフもあったっけ・・・。

短い休憩をはさんでマーラーの5番。
上着を脱いだちょっとくたびれた青いポロシャツ姿のMTT。
はっきり言ってあまり格好よくない。どこのおっさんだ?あれ?

いきなり通すことはせずに、数か所チェックしてから第1楽章をスルー。
自作のリハーサルと違って、よりダイナミックな仕草でオーケストラをドライブしていく。
第3楽章ではヴィオラを鼓舞するのに、いきなり指揮台から飛び降りて目の前で身体を揺らす。
最初のうちは椅子に座って足を組んでいたのが、気づくと椅子を指揮台から降ろしていた。
今年のPMFOの最大の美点と見た弦楽器の美しさは開会式から変わっていない。
ソロの多いトランペット、ホルンのトップは女性が見事なテクニックでこなし、本番への期待を膨らませた。
フィナーレあたりは提示部やコーダのアンサンブルをチェックするかと思えば意外とあっさりと終わり。

終了12:10


2009年7月25日 12:10 札幌コンサートホール エントランス

ブラックモアさんはいったんKitaraを離れるとのこと。
引換証が1枚余るので、都合がつけばとお誘いする。

デートかしら?、最後の1枚の出番はなさそうだ・・・。

小ホールのエスカレーター前には10人余りの行列ができていた。


2009年7月25日 13:00〜 札幌コンサートホール 小ホール
PMFIPのトーク・コンサート

大ホールでのゲネプロと本番の間は小ホールでPMFIPによるトークコンサート。
Kitara小ホールでのコンサートは久し振り、平土間に椅子を並べた芸森のアリーナとは違って実にあずましい。
ハードだけれどもなんとも贅沢な1日だ。

前から5列目、ピアノが見えるようにちょっと左寄りに着席。
そのピアノは照明の加減か、内部の様子が蓋に美しく反射していた。

登場する楽器、順番には特に脈絡はなさそう。
知っているような、知らないような曲もちらほらである。
以下プログラム順に雑多に。

マスネ:タイスの瞑想曲
クロール:バンジョー・アンド・フィドル
ブラームス:ヴァイオリンとピアノのためのスケルツォ
以上 キム(Vn フィラディルフィア管)
きりっとした響きのマスネもさることながら、感情豊かなブラームスの表現が素晴らしかった。

J.C.バッハ:ヴィオラ協奏曲〜第2楽章
ロビンソン(Cb フィラディルフィア管)
プログラムには単に「アダージョニ短調」とあったが、よく知った音楽が鳴りだしてびっくり。
オリジナルのヴィオラに負けないほどの表情豊かな演奏。

J.S.バッハ:無伴奏ヴァイオリンソナタ第2番より
イェ(Perc シカゴ響)
名前からしてアジア系かしら?シカゴ響の小柄な女性奏者である。
バッハ=バロックを意識したのか、派手になるのを避けた上品な音色。
なかでも4本のマレットを自由に操ったフーガでの妙技に関心した。

オチョア:スティルズ・イン・ブラック・アンド・ホワイト
ビルジャー(Tp フィラディルフィア管)
ビルジャーが作曲家にトランペットを教えたお返しに受け取った作品とのこと。
特に過激なコンテンポラリーではなかったが、振り返れば特に記憶に残るものでもなかったか・・・。
ただ、ピアノの内部奏法を初めて見せてもらった。

バーンスタイン:クラリネット・ソナタ
モラレス(Cl フィラディルフィア管)
穏やかな曲想はいつも聴くバーンスタインの作品とは一味違うもので、モラレスの演奏もそれなりに落ち着いていたもの。

ボノー:カプリース
ボルドー:プレミア・ソロ
マツカワ(Fg フィラディルフィア管)
片言の冗談を含めた解説付き。
最初の曲はサックスのための曲、2曲目はオーディションで使われるというだけに結構技巧的でもあるが、
どちらもこの人らしい安定したテクニックで音楽的にも立派だった。

グロンダール:トロンボーン協奏曲
ハロッズ(Trb フィラディルフィア管)
トロンボーン協奏曲というとR=コルサコフくらいしか知らないが、グロンダールと言えばその筋ではメジャーなんだそうだ。
確かに聴けばロマンティックもあり、ダイナミックもありでなかなかよい曲だ。
ハロッズの演奏も生き生きとしている。

以上寝ぼけ頭には、曲によってあまり印象にのこらない部分もあったが、皆素晴らしいテクニックを披露してくれた。

ナビゲーターは先週と同じK氏、ピアノの赤堀さんをつかまえてくれたのはいい企画だったが、後は相変わらず・・・。

終演15:10(だったかな)


2009年7月25日 15:15 札幌コンサートホール エントランス

階段を下りて再び行列、先客が多く30番目くらい・・・。

定時開場、もう1列前の少し中央よりに着席。
やはり睡眠不足、ここまで何度も眠気がやってきた。
カウンターでアイスコーヒーをいただく。


2009年7月25日 16:00 札幌コンサートホール 小ホール
PMFIPと東京クァルテットのトーク・コンサート

今日一番の期待の東京クァルテット登場であるが、プログラムを見てちょっと残念。
彼らだけでの演奏というのは組まれていなかった。

モーツァルト:ホルン五重奏曲
カバレロ(Hr ピッツバーク響)、東京SQ
東京SQの第2ヴァイオリンがヴィオラに持ちかえ。
第1楽章前半ビーヴァーのヴァイオリンの気勢があがらなかったが、
後半以降終曲まで、ヴィオラ2本という中低域豊かな弦楽器の響きに幸せになれたひと時であった。
ただしホルンはテクニック的には問題ないがもう少し目立ってもよかったのではないか?

レフラー:二つのラプソディー
イゾトフ(Fl シカゴ響)、フォスター(Va ナショナル響)
「ラプソディー」というが、池に魔笛とタイトルがついていて、写実的な趣の強い曲。
イゾトフの透明感のある響きとフォスターの厚みのある音が心地よい空間を生んでいた。

ゴダール:3つの小品の組曲
ケイナー(Fl フィラディルフィア管)
この人も9時半前に徒歩でKitara入りしていた。
レフラーに雰囲気が似ているが、こちらは純音楽風。
ベルリンのブラウが少しソフトな雰囲気でこのシリーズに臨んでいるのとは対照的である。

ペルト:ヴァイオリンとピアノのためのフラトレス
ローズ(Vn クリーヴランド管)
素早く、硬質な響きのアルペジオの冒頭こそ背筋が硬くなるが、
その後は総じて終始穏やかな、あるいは涼しげな?雰囲気が支配する曲。
有名な曲らしく、チェロやら弦楽合奏に編曲されてるとか。

ロドリゴ:恋のアランフェス
早川(Hp NHK響)
曲名はプログラム通り、この呼び名は好きではない。PMFでは珍しい?女性のみのアンサンブル。
お二人のルックス通りの優美な演奏を繰り広げたが、ここ一番のクライマックスの入りで譜めくり直後の赤堀がはずしてしまったのは残念。

カサド:無伴奏チェロ組曲
フィゲロア(Vc メトロポリタン歌劇場管)
有名な曲だがやはり聴くのは初めて、後半ふたつの舞曲の躍動感が素晴らしい。

バスラー:ダンス フール ダンス!
カバレロ(Hr ピッツバーク響)
CDに収めたシンセサイザーの音とともに吹くのだけれど、なんともそのシンセの音が安っぽい。
ここまで来て、なんとも居心地のよろしくない締めくくりとなってしまった。
最初のモーツァルトと合わせて、本日のウィーク・ポイントと呼んでしまおう。

終演 17:10

良質な音楽にお腹一杯、充実の午後。


2009年7月25日 17:15 札幌コンサートホール エントランス

相変わらずの雨。明日は大丈夫だろうか?
当日券売り場には長い列、知った顔か麗しい女性を見つけたら1,000円カンパしようと思ったが・・・。
まあいいや・・・、記念に残しておこう。
ブラックモアさんの姿を確認できないうちに開場。
あれ?開場のオルゴール鳴ったっけ?


2009年7月25日 19:00〜 札幌コンサートホール 大ホール
PMFO マイケル・ティルソン・トーマス指揮

マーラーとはいえ曲は今さらの5番、しかしMTTの指揮なんてそう見ることもできない。
そこであえて今回はPブロックのチケットを入手した。
ゲネプロはCBブロックの上席で聴くことができたし、幸い金管楽器は全員が視界に入る場所だ。
ステージ上はゲネプロ時と同様に、マーラーの奏者の椅子を後方に寄せたままでテレビ映りが悪そうだ。

前半の自作でMTTは12人のプレーヤーと一緒に登場。
いや〜かっこいいではないか!午前中ステージを徘徊していた青いポロシャツのおっさんは誰だったんだ?
髪の色、顔つきと見た目は確かに歳はとったけれど、その動作は20年前と変わらない。

Aプロのエッシェンバッハ同様、本番では指揮者が放つオーラみたいなものがあるのだろう。
より近い距離、しかも正面からみるということもあるが、ゲネプロとは段違いの迫力を感じる。

朝方は少しなよっと聴こえたブラスの響きが実に力強く、透明感を失わずに響く。
曲自体へのイメージはたいしてアップしないけれど・・・。
しかし前から聴いても後ろから聴いてもKitaraの響きは素晴らしい。

後半のマーラーで、MTTのかっこよさとそのパワーは倍増、いやそれ以上である。
左右に大きく体を回し、時に腰をかがめて振る様子は昔と変わらない。

音楽的には第1楽章のテーマの入りなど随所にユニークなテンポの扱いがあったものの、
エッシェンバッハほどの激しい感情の表出というのはなく、その点では不満もないわけではない。
5番という曲への自分の好みからいって、あまり濃厚な演奏というのもいただけないが・・・。
また、第2楽章終盤のコラールの出現のような音楽の雰囲気のターニングポイントでさっと展望が開けないもどかしさを幾度か感じた。
5つの楽章をスコアの表記通りに3つの部分に分け、第1と第2、第4と第5楽章は連続して演奏していたが、
第2楽章冒頭ではオーケストラが気持の切り替えが十分でないのか、ピントが定まらない様子も見かけた。
気に入ったのは力強いホルンソロ、レントラーの弦楽器のピチカートの透明感などが際立った第3楽章。
それから激しい慟哭はないけれど、大変美しい第4楽章。

オーケストラはトーマスの指揮によく応えて、Aプロ同様にゲネプロより燃焼度の高い演奏を繰り広げていた。

弦楽器は18型、第1ヴァイオリンを1プルト多くしての対抗配置で、Aプロに比べ第2ヴァイオリンが弱かったが、
対位的な動きを聴くとあたりまえながら、マーラーがこの配置を想定して書いたことがよく理解できた。
特に第4楽章の終結部で、左右いっぱいに広がった厚みのある響きが最後には波が引いて行くように、
ステージ左奥に収束していく様は今年のPMFOの弦楽器の美しさも重なって印象的なシーンだった。

トランペット、ホルンのソロはパワー全開で目立ったミスもなく終演後大喝采を浴びていた。
木管楽器はクラリネット、オーボエのベル・アップなどは見た目も音の力でも指揮者の希望によく応えていたが、
全体的にもう少し鋭さがあってよかったように思われた。

終わってみれば、数々の不満も些細なもの、
繊細、透明なピアノから、壮大なトゥッティまでアカデミー生達から大オーケストラの魅力を引きだしたのは、
好みの問題もあるだろうが、さすが昔と変わらぬマーラーのスペシャリストである。

外はまだ雨が降っている。なんとか明日も聴かせてね、お天道様!

終演 21:10


2009年7月25日 22:30 Massa'-s Home

時々メール来てたけれど、もう寝ちゃったね・・・。
明日の用意できてないけれど、まあいいか・・・。

PMF公式HPでは・・・。

7月26日(日)12時開演予定の「PMFピクニックコンサート」
札幌芸術の森・野外ステージが会場ですが、
明日の天候によっては開演時間の変更、
一部公演の中止などの可能性がでてまいりました。
札幌での最終公演でもありますので、
よほどの大雨でなければ、是非開催したいと考えておりますが、
万が一の場合は、明日26日(日)午前9時に開催の状況を決定し、
このホームページ上でもお知らせいたします。

遅くとも9時には出発していたいから、車からHPを確認することにしよう。

しかし、公式HPのトピックスは携帯からではタイトルしか見えないのだった!


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