PMF2009応援日記! その8

PMF2009 ピクニック・コンサート


2009年7月26日 8:45 Massa-' s Home

おはよう!
小雨だ、このくらいなら、コンサートは大丈夫。
午後からの天気予報も曇りだから大丈夫でしょ。
公式HPは車から確認することにしよう。


2009年7月26日 9:05 札幌市手稲区西宮の沢 Massa-' s Car

このあたりは少し雨が強いね。
「予定通り開催!」だって、芸森の方角の空は明るい、まずは走ろう!

「腹へった〜」
「わかった、まずコンビニへ寄るか・・・」


2009年7月26日 9:40 札幌市南区石山 Massa-' s Car

うん、南の空は明るいよ!
・・・?!あれっ、雨だよ。
しかもいい降りだよ、これはやばくないか?


2009年7月26日 9:55〜 札幌芸術の森 野外ステージ前

「わ〜結構先に来ている!」
傘がいるかいらないか微妙な小雨模様だが、そこそこの台数が駐車場に先着している。
車を降りるとゲネプロか、マーラーの第1楽章が聴こえてくる。
屋台の準備も進んでいるようだし、車の中で待っていてもしょうがないので列に並ぶ。

先頭から30人目くらいか、去年より少し到着が遅かった分後ろになった。

「去年座った場所覚えてる?」
「覚えてない・・・」
「お父さんちょっと足痛めてるし、君はチケットなしで入場できるから、たのむね」
「わかった、どのへんだっけ?」
ちょっとライバルが多いけれど、目指せ芝生席最前列!

次第に雨も気にならなくなってきた。
元気のいい餃子屋さんのブースからいいにおいが漂ってくる。
餃子に手羽先、揚げ団子・・・。
開場まで我慢できるかしら?

「5分10分くらい早く開けてもいいじゃない」という息子の希望もむなしく?定時開場。
コンビニのおにぎりだけでは足りなかったのか?動きが緩慢な息子は芝生席センター最前列確保に失敗。
それでも2列目に広く場所をとれたから良しとしよう。

「さあ、ごはん買いに行こう!」
「はいはい」
「何にする?」
「こないだのおにぎりBOX、うまかったから・・・。」
「以外におとなしく来たね〜、お父さんはフライドポテトとビール、北海道限定『サッポロクラシック』」
「えっ、やっぱりビール?コンビニで「フリー」買ったじゃん」
「最初だけ許して〜」

「機種変したばかりの携帯のストラップ買おう!」
「うん、牛革のストラップかっこよくない?」
「そうかね?こっちのほうが可愛くてよいと思うのだが・・・、
可愛いといえば君は○○に何か買っていきなさい、少しカンパしてあげるから・・・」

開演直前、数分ほどだが陽の光が差してきた。
さすが7月の陽ざし、強烈な暑さである。
扇子は2本用意しているが、雨模様に息子は帽子をかぶってきていない。
これなら曇りのままでいいかな〜。


2009年7月24日 12:00〜 札幌芸術の森 野外ステージ
  PMF2009 ピクニックコンサート

正式には<レナード・バーンスタイン・メモリアル・コンサート>というサブネームをもつロングランコンサート。
今回は6度目の挑戦。今年はスタート時間が遅く、ロングランというにはもう1本コンサートがほしいかしら?


12:00〜 PMF青少年のための音楽会
        札幌交響楽団 尾高忠明指揮


サブタイトルは「ブラヴォー!オーケストラ・オペラ・ファンタジー」
なぜオペラなのかというと、来年からのPMFの芸術監督となるルイジにちなんでとのことだそうだ。
それなら自分が新国立のシェフになる宣伝も兼ねて来年やれば?と思うのだが・・・。

プログラムは、これでもかという名曲揃い
モーツアルト:歌劇「後宮よりの誘惑」序曲
ビゼー:「カルメン組曲」より
マスカーニ:歌劇「カヴァレリア・ルスティカーナ」間奏曲
ヴェルディ:歌劇「椿姫」第1幕への前奏曲
ヴェルディ:歌劇「運命の力」序曲
ワーグナー:歌劇「ローエングリン」第3幕への前奏曲
ワーグナー:歌劇「タンホイザー」序曲
「カルメン」は第1組曲を通常の順番とは変えて(たぶんオリジナルの登場順?)に並び換えての演奏。
最後3曲は体力勝負か?

尾高さんがトークをするコンサートは初めてではないが、今回は饒舌なまでによく話す。
ほとんどが自分の周囲でおきたオペラに関わる、笑い話なので口が軽いのかしら?

端々に鳥の鳴き声は邪魔というような言葉があって、氏自身は野外はあまりお好みではないように思われた。
とはいえ、札響はPMFOとは違う常設オケとしての円熟した音を披露した。
名曲揃いのプログラムをどの曲も楽しく聴かせてくれて、オープニングにふさわしいコンサートとなった。


13:30〜 PMFヴィルトゥオーゾ演奏会
        PMFIP & アンドレ・ワッツ

最初のジョリヴェの曲は今日のコンサートで唯一つ?馴染みのない曲。
早川、ケイナー、マツカワとPMFIPでもお気に入りの3人が幻想的な音楽を奏でた。
ただ、今日のプログラムではちょっと沈みすぎたか?

続いてアンドレ・ワッツ登場。
先週の「皇帝」の雨天キャンセルは残念だっただけに期待は大きい。
その音楽は見た目とは違って弾きぶりそのものは大変柔軟なスタイル。
PAを意識したのか、その音も意外と軽やかな響きに聴こえた。
ダイナミクスの巾などモーツァルトとシューベルトでは明らかに変えてきているのはさすがだが、
時折右手の音のつぶがそろわない感じがしたのは彼のスタイルか、それとも年齢からくるものか?

モーツァルトではやっぱり?さすが!シカゴ響、オーボエのイゾトフのうまさが目立った。
シューベルトではヴァイオリンのキムが積極的にアンサンブルを引っ張っていた。

2曲比べればやはり「ます」、ダイナミックな3楽章と優美な4楽章が素晴らしかった。
ここで予定が押して約10分遅れで次のプログラムのスタートが告げられた。


14:55 札幌芸術の森 野外ステージ前

「え?ナン食べるの?最後に安く売ってるやつ買うんじゃなくて?」
「今食べたい・・・」
「わかったよ〜」
しかし一番高いカレー選びやがって・・・

お父さんは・・・
「インド風焼きそばだっ!」

数分後・・・芝生席2列目

「辛くね〜この焼そば!」
「そうか?『フリー』にはぴったりだぜっ!」

「あ〜!何をする?焼そばこぼすなよっ・・・」
「よかった〜!ナンのトレーの上で・・・」


15:10〜 PMF弦楽四重奏コース演奏会

昨日Kitaraで待望のアンサンブル(純正ではないが)を聴いた東京SQとアカデミー生の演奏。
今年は五重奏、六重奏、八重奏。
最初はモーツァルトの第5番の五重奏、野外で聴くにはちょっとインパクトが低かったか。
しかし、第1楽章はなかなか若々しい(当たり前か)軽やかな演奏で楽しめた。
途中PAがハウリングをおこしたり、途中で雨がちらついて場内がざわついたりと奏者には気の毒だった。
しかし3年でこのコンサートでモーツァルトの弦楽五重奏を3曲制覇である。

演奏が一番充実していたのはチャイコフスキーの六重奏。
なんとも起伏の激しい演奏、曲の作りがそのようにできているのかもしれないが、6人がバリバリと弾く様は見ごたえもあった。

最後のメンデルスゾーンは講師が第1、アカデミー生が第2という形で左右に別れての演奏。
もともと若々しく、やんちゃなところのある曲であるが、この日のビーヴァーのソロは、ちょっとやんちゃすぎたのではないか?
まいのは確かだがテンポの微妙なゆれがバックとあわなくて、音楽の安定度がゆらぐ部分が何度か感じられたのは残念。

PMFIPと続けて好きな曲が並んでの幸せな室内楽のひと時であった。
時折隣で幸せそうにいびきをかく坊主がいたのは余計だったが・・・。

それから通路の反対側で盛大にいびきをかくオヤジ様(単独でクーラーボックスの食料を大量持参!)
がいらして、さぞ暑かろうと顔に濡れタオルをかけたくなった・・・。


17:00 札幌芸術の森 野外ステージ前

「さて最後だね、先にゴミ捨てておこう」
「花火やるかな?」
「いや、もうやらないって聞いたけれど・・・」
「そっか・・・」

「最後の曲は長いからね、休憩のうちにトイレいっといでよ〜」

「おとうさんやっぱクリスタルのストラップ欲しいな・・・」
「俺、牛革のストラップ欲しい・・・」
「何に使うんじゃ?」


17:10〜 PMFオーケストラ演奏会
        マイケル・ティルソン・トーマス指揮

10分遅れのままPMFOスタート。前夜の興奮の再現はなるか?

まずはMTTの自作。
広い場所での視覚的な効果をねらったのか指揮台を使用していた。
そのためだろうか、トーマス自身は指揮しづらそうにも見受ける部分があった。
演奏自体はPAの効果と野外コンサートの解放感からか、ホールで聴くよりも力強さが増し、聴き映えのするものになっていた。

15分の休憩(=最後のおしっこタイム)をはさんでマーラー。
昨日はKitaraのPブロックからMTTの指揮振りを見ながら聴いた。今日は芝生席の2列目、これも特等席だ。

結論からいえば、Kitaraでの演奏以上、あるいはそれに並ぶレベルの演奏と言えなかったように思う。
まずなにより野外ということでアンサンブルの精度が下がっていた。
おそらくエッシェンバッハよりもビートが甘く横へ流れるようなMTTの振り方ではオケが付いていけなかったのではないか。
それに会期終盤、Cプロ2日目ということでアカデミー生の疲れも大きかったのだろうということ。

たとえばフィナーレ大詰めの数小節は決まったものの、その直前では空中分解に近い乱れがあった。
弦楽器は終始美しい響きを保っていたが、後半ではやや緊張感に欠けた様子も見えた。
昨日は好調のトランペットも冒頭いきなりはずしてしまった(実際ゲネプロ、本番も完璧ではなかったけれど)。
ホルンは音はよく出ていたが、粗さも目立った。
打楽器もシンバルのダブルで叩く部分のシンクロの精度が(うちの坊主にばれるほど)落ちていた。

ただしこの日は札響の時からPAが昨年までよりも過剰なほどボリュームが上がっていて、
オーボエの音が突出していたり、左右のバランスも少なくとも自分には左に寄りすぎていたように思えた。
譜面台を動かす音や、弦楽四重奏コースでのモーツァルトのハウリングなど、今回のPAは使い方の問題があったのではと思われた。

しかし全曲65分終わってしまえば大きな不満ではない。
大編成のオケを聴く快感に場内総立ちの大喝采。
久しぶりにこの野外に立ってくれたMTTに感謝である。

終演19:10
入場者5,400人

また来年この場に居合わせることを期待して・・・。


2009年7月26日 19:15 札幌芸術の森 野外ステージ前

お約束だね〜、カレーとナンを買って行こう!
ナンは100円だって!もう一枚買っておこうか・・・


2009年7月26日 19:20 Massa-'s Car

「最後はかっこよかったね〜」
「んだろ〜、お父さん何回も聴いたことあるんだよね」

「腹減った〜、晩御飯なんだっけ?」
「たぶん用意してないと思うけれど・・・」


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