PMF2009応援日記! その6


2009年7月15日 夜 Massa'-s Home

日曜日の天気があやしい。このままだと野外は中止の可能性大だ。

さすがにアリーナにて決行なんてことはないだろうな・・・。


2009年7月19日 9:00〜 札幌芸術の森 アートホール

車での道中、雨は処により強く降ったり止んだり。
芸術の森では小雨ながら止む様子はない。
やってやれないことはないが、コンサート前から降っているというのはやはり難しい状況だ。
長時間降れば芝生席の傾斜を流れる雨水もそれなりの量になるだろう。

駐車場に停まる車、アリーナに並ぶ人数も先週に比べれば少ない。
やがて雨脚は強くなってきて、中止を確信。

それでも開場前のアリーナ前の行列は先週に引けをとらないほど長くなっていた。
今日も最前列ほぼセンターに着席。
目の前にはバス・ドラムがセットされている、血圧によくないかも・・・


2009年7月19日 10:00〜 札幌芸術の森 アートホール アリーナ
PMFベルリンのトーク・コンサートT

まずはプログラム、馴染みのあるのはモーツァルトくらい。
ペック:「リフト・オフ」
 ゼーガース指揮PMFアカデミー
ピアソラ:「タンゴの歴史」よりBordell
 プライス(Cl)、赤堀(Pf)
シャミナード:フルートとピアノのための小協奏曲
ミヨー:スカラムーシュより第3曲(アンコール)
 ブラウ(Fl)、赤堀(Pf)
バッハ:無伴奏チェロ組曲第2番よりプレリュードとサラバンド(だったかな?)
  メンキンク(Vc)
モーツァルト:ピアノ四重奏曲第1番
 アルマージ(Vn)、クネルツァー(Va)、赤堀(Pf)

今年もPMFのスタッフのK氏がナビゲーターを務めた。
椅子席は7割くらい埋まっただろうか?なかなかの盛況である。
2階席にはアカデミー生、降り番の講師のほかに、シュミードル主幹の姿もあった。

最初はパーカッション。残念ながら今年もゼーガースは指揮に専念。
2群、見方によっては3群になった打楽器が最後には一つにまとまっていくという複雑さのない聴きやすい曲。
静かに始まった音楽の最初の盛り上がり部分、バスドラムが大きく丸っこいヘッドで強烈に叩くのにはまいった。
何せ目の前1メートル余りである。絶対に耳というか、血圧というか、身体によくない。奏者もかなりのパワーを要しているだろう。
命の危険を感じた最初のクライマックスだったが、それ以降は木のマレットに切り替えてくれて命拾いした。

続いてはクラリネットのプライスがラフなスタイルに帽子をかぶり、ピアノの赤堀と手をつないで登場。
ピアソラの「タンゴの歴史」の1曲は、プライスが身体を自由に揺らし、赤堀は足を踏みならしたりして見ても聴いても楽しい。

前半お目当てのブラウはシャミナードという女流作曲家の作品から。
シュルツかだれか取り上げたことがあるのだろうか、優しげなテーマが印象的で記憶にある作品。
アンコールにミヨーの作品から、ピアノが生き生きとしていると思えば、もともと4手のための曲らしい。
ちなみに先ほどは音の出やすいものを用意したのか、赤堀のヒールはピアソラと違うものになっていた。

チェロのメンキング曰く、「この音楽祭のプログラムではバッハはマイナーになっているが、それではいけない」
おっしゃる通り、PMFウィーンのメンバーもしばしばバッハを聴かせてくれるのはありがたいことである。
無伴奏組曲の2番から二つの楽章を端正な演奏で聴かせてくれた。

最後にモーツァルトのピアノ四重奏曲。
ウィーンの人々とはちょっと違った、やや肉厚のモーツァルト。
しかしト短調という調性の色合いが強く出てふさわしいように思われた。
この演奏から加わったヴァイオリンのアルマージ、ヴィオラのクネルファーがアンサンブルを精力的にリードした。

最前列で充実のひと時終演時のナビ氏から野外コンサート中止のアナウンスが告げられた。

終演11:30


2009年7月19日 12:00〜 札幌芸術の森 アートホール アリーナ
PMFベルリンのトーク・コンサートU

前半で最後まで律儀に拍手したのがよくなかったか、
一人だからなんとかなるという油断が災いしたか、5列目やや左目に着席。

後半も作曲家の名前は知っていても、馴染みのない曲がならぶ。
サンドストレム:ロッタの歌
 シュルツ(Trb)沢木(Pf)
パガニーニ:24の奇想曲より第1、5,24曲
 ノイフェルド(Vn)
デュカス:ヴィラネッル
ラフマニノフ:ヴォカリーズ
ピアソラ:オブリビオン(アンコール)
 
イェジェルスキ(Hr)、赤堀(Pf)
シューマン:「民謡風の5つの小品」から第2、4番
  メンキンク(Vc)、沢木(Pf)
ルーセル:ファゴットとコントラバスのための二重奏曲
テレマン:カノン風ソナタ第1番
 ハインツェ(Cb)、ビロン(Fg)
プッチーニ:「トウーランドット」から誰も寝てはならぬ(アンコール)
 イェジェルスキ(Hr)、赤堀(Pf)

ナビは引き続きK氏、お忙しい中大変であろう。
文句をいってはいけないのだが、通訳としても、解説者としてもより適切なナビゲーターの起用が望ましい。

トロンボーンのシュルツは前説で、今日の曲の映像がyoutubeにアップされていることを紹介。
→  http://www.google.co.jp/search?hl=ja&safe=off&q=youtube++stefan+schulz&lr=
作曲家の友人の娘にちなむ、愛情あふれた音楽を演奏。

続いてノイフェルドのパガニーニは後半一番期待のプログラム。
ソリストでないだけに音楽にゆとりや派手さは感じられないが、堅実な技巧で聴かせる好演。
それでも力演に1曲目で弓が切れていた。

ホルンのイェジェルスキは昨年感心した人だ。
豊かな響きのデュカス、上品なラフマニノフと堪能。
これを聴くと音の魅力はさておき、演奏がむずかしいからとよくはずしまくる?ウィンナ・ホルンはいかがなものか?と浮気心が起きてしまう。
アンコールにピアソラ。有名曲らしく、前席の女性など声を出して喜んでいた。

オーボエのヴォレンヴェーバーは、相変わらずでかい!しかし音楽は繊細。
シューマンのチェロの曲をオーボエに無理のない音域でやりますということだが、
そのせいか、大変オーボエの響きに合う豊かな音楽だった。

次がファゴットとコントラバスのデュエット。面白い組み合わせだ。
幻想的なルーセル、カノン風の楽想が楽しいテレマンと楽しめた。
ただ、さすがにヴァイオリン曲をコントラバスがやるというのはアクロバティックである。

最後はトランペットのメルテンス。
フィラディルフィアの作曲家の連作のひとつを取り上げ、
ミュートを使った色彩感のある曲を演奏したが、トリを演じるにはちょっと、愛想のない選曲だ。

ここでお開きと思えばナビ氏がイェジェルスキ登場をアナウンス。
「トゥーランドット」の「誰も寝てはならぬ」を聴かせてくれた。
Bプロ中止にがっかりの聴き手にうれしい大サービスであった。

大喝采の中終演 13:30


2009年7月19日 13:35 札幌芸術の森 アリーナ エントランス

「さぽーとさっぽろでのご購入ですね。」
しっかり半額だけの返金(当たり前か・・・)。

小雨とはいえ、まだ傘が必要だ。
雨天中止の看板でも写真に撮って帰ろうか・・・。


2009年7月21日 夜 Massa'-s Home

思い出してyoutubeで「ロッタの歌」を視聴。
検索すると見事一発で発見。芸森での演奏を思い出すにはなかなかよい。
アンコール曲の確認に、ミヨー、ピアソラをチェック。
どちらもいろいろな編成での演奏が映像付で楽しめる。
演奏のレベルは玉石混交ではるがその落差も面白い。

他の曲も探すとけっこう見つかるし、単純に検索していてもいろいろな情報が見えてくる。
デュカスの曲が「田園詩」と訳されることも知ったし、
ピアノの赤堀さんが、「男性の楽しむ場所?」と訳した"Bordell"の意味も知ることができた。


2009年7月23日 20:55 Massa'-s Home

おや?
日曜日は曇り、月曜日は雨模様だね。

『大丈夫かな〜日曜日は』
言葉はひとつ。

しかし、思いは・・・

父は「コンサート」を気になって、
息子は「ピクニック」が気になって・・・。


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