PMF2009応援日記! その5


2009年7月12日 07:20 Massa'-s Home

おはよう!芸森行くよ〜。
眠い?きのうのお祭り何時まで遊んでたの?
9時半?!!あんた何年生なの?!
何?抽選でビール当たったぁ〜?
うれしいけれど、中学生にビールを渡すとはなんという寺だ・・・。


2009年7月12日 09:10 札幌芸術の森
ガソリン・スタンドとコンビニによった分遅れたね〜。
アートホール前で車停めるから、先乗りして並んでてね〜。

車を駐車場に置いて、アートホールに戻れば、
息子の前の列はまだ5・6人ほどだった。

ほぼ定刻に開場、息子を連れ図々しく最前列に着席。


2009年7月12日 10:00〜 札幌芸術の森 アートホール アリーナ
PMFウィーンのトーク・コンサートT

ほぼ定刻に開場、開演。
シュミードルは「ミニ・トーク」といったが、プログラムに「ミニ」はついていない。
プログラムを吟味しても1時間20分はかかりそうな内容だ。

トップ・バッターはヒンク。バッハの無伴奏の第1番から。
ソロでは結構むらっけのある人だが、この日は朝の一発目にしてはなかなか調子が良い。
特にフーガの後半の音楽の充実度はすばらしかった。

続いてドレツァルがラロの協奏曲の第1楽章を弾いた。
毎度繰り返すが自分にはこの人の音、変な言い方だがとてもよくなじむ。
穏やかなレントから、技巧的な終曲まで、実にまっとうな演奏だ。

息子はレントの調べが心地よかったのか?気がつくと居眠り状態。
この場所なら緊張して眠るどころではないと思っての席取りだったのだが全くいい根性である。
いびきこそかかなかったものの、ドレツァルは気づいたのだろうか?
一番最後の技巧的な部分で弓を落としてしまった。

三番目はブラーデラー。
コントラバスのパガニー二と云うだけあって、ボッテジーニの曲はなかなか技巧的である。
それをブラーデラーが楽しそうに弾いているのがなんとも頼もしい(また変な表現だ・・・・)
前説で触れられたが、「メン・コン」に似た旋律が随所に聴かれるのが面白かった。

4人目からは管楽器、まずはシュルツ。
昨年は本当に病み上がりのつらそうな様子がうかがえたが、
少し体重も戻って、以前のような雰囲気を取り戻しつつあるように思われた。
バッハの長男と一昨年のレジデントコンポーザーの無伴奏作品を、手堅く聴かせてくれた。

シュミードルはウェーバーの協奏曲の第2番から第1楽章。
ベニー・グッドマンが吹いたLPなどを持ってて、知らない曲ではない。
けっこう長大な序奏があるのだが、大幅にカットしてソロへつないでいた。
シュミードルの演奏はかなり自由なフレージングで驚いた。
グッドマンよりも自由度が高かったのではないか。

続くトゥルノフスキーもウェーバーの協奏曲を取り上げた。
モーツァルトのものよりは歌謡性よりも技巧的な部分のほうがやや勝るか。
しがし楽器のキャラクターでもあるのか、見ても聴いても楽しい音楽。

最後にハイドンのトランペット協奏曲。
エーダーの演奏はおとなしやかで危なげのない演奏。
アンドレのような華やかさを期待すると肩透かしをくらってしまうだろう。

ピアノ伴奏は赤堀絵里子。笑顔がとても魅力的な女性である。
ピアノに向かうとぐっと凛々しい表情になるのがまた良い。
堅実なサポートで、演奏も文句なし。
ここ数年のPMF、この人の登場を楽しみに通っている部分も小さくない。

終演11:40。
休憩なしだから座っている方は1時間もするとお尻がつらくなってくる。


2009年7月12日 12:00〜 札幌芸術の森 アートホール アリーナ
PMFウィーンのトーク・コンサートU

今度は遠慮して後方の席へ着席。

「復活」のバンダの練習が入ったということで、アルトマン率いる打楽器群団が一番最初に登場。
曲も「おしゃべりなかわいい口」が同じシュトラウスの「観光列車」に変更。
さらに一昨年の大通で好評だった「サーカス・ポルカ」の後半をアンコール。
ただ今年の打楽器群団は上手だけれど、ちょっとキレに不足するような気がした。

続いてはメストレの登場、相変わらずルックスも音楽も「イケメン」である。
「ハイドンのテーマによるファンタジーという美しい曲を弾いたが、
どこかで聴いたことがあるように思うのだが、テーマの由来が思い出せない。
頭の中でたどるとなぜかモーツァルトになってしまう。

クロイザマーはR=シュトラウスのソナタ、オクセンホーファーはエネスコの演奏会用小品。
どちらも力の入った演奏を聴かせてくれた。
彼らのこういう演奏を聴くとちょっと珍しい発見をしたようで、得した気分になれる。

昨日のマーラーで絶好調のガブリエルはハイドンの協奏曲からの1楽章。
派手さは感じられないけれども技術的にはこの日も全く見事な演奏。

ヤネツィクはモーツァルトの2番をミスなく立派に吹いたのだけれども、
同じモーツァルトの他の3曲に比べるとちょっと曲が地味すぎたのではないかしら。

最後はトロンボーンのシュトレッカー。
「シリアスではない曲」と前説したけれども、終盤にチャイコフスキーなどのパロディーが聴かれたくらいで、
音楽もパフォーマンスもくだけたところはほとんどなく、どちらかといえば「シリアス」じゃないのかしら?と思われた。

ピアノは沢木良子、この人もPMFのピアニストとして常連になった。
前半の赤堀とは、タイプの違った美人で、ピアノも文句なし。

後方の席に座ったためか、視覚的にも音楽的にも前半より地味な印象のコンサートとなった。
息子は背が小さい分、前席の聴き手が視界をさえぎったようで右に左に身体を動かし聴き入っていた。
そのせいか居眠りすることもなく長時間を過ごした。

13:45終演。
打楽器の撤収、ハープのセッティングがあった分だけ時間がかかったようだ。


2009年7月12日 13:50 札幌芸術の森 野外ステージ前

「お尻が痛い〜、腹へった〜」
「お父さんも〜、まずは並ぼう、場所とりだ〜」
空腹をかかえやっとこさ上りゆく坂道数分。
開演1時間前の行列はそれほど長くない。
ちょうど到着したのだろう。最後尾でブラックモアさんがこちらに手を挙げていた。

開場までの時間、持参のレジャーシートを敷いて座り込んでの談笑タイム。

息子は脇ではおにぎりBOXを黙々と食べる。

「当たった?」
「いや、はずれ」

同じCDならもういらないか・・・。
2枚目はブラックモアさんに進呈したのだった。

開場は5分ほど遅れるとのこと。
バンダにオルガン・・・やはり野外だから、昨日の様にうまくはいくまい・・・。
歌が入るんだ!今日は?

終結合唱が聴こえてきた。
ここまで聴こえるとはすごい迫力だ。

そういえば去年末の第9を逃した息子は初めての合唱入りのコンサートかもしれない。

予告通り遅れての開場。
ブラックモアさんと椅子席のほぼ中央に陣取る。
息子は芝生席の比較的前の方に良い場所を見つけてレジャーシートを広げていた。
おそらくDSに熱中しているのだろう。手を振っても気づかない。
電話をして呼びつける。
「日差しが強いから、飲み物を買っておこう。お父さんはミネラル・ウォーターね」
「わかった!」

数分後、チケットを持っていない彼は椅子席のど真ん中までミネラル・ウォーターを配達してくれた。
裏から回ればチェックは甘いのかしら・・・。


2009年7月12日 15:00 札幌芸術の森野外ステージ
PMFO エッシェンバッハ指揮

オーケストラ・コンサート以外にも対応した野外ステージは奥行きがあるのだろう。
椅子の並んだ様子はピアノにオンド・マルトノなどが上がった昨年のメシアンに比べるとそれほどタイトな感じはしない。
合唱団のために真新しいひな壇が組まれ、最上段中央に椅子が二つ独唱者のために用意されていた。
オルガンは"YAMAHA Stagia"のロゴのついた見た目はずいぶんと貧相なキーボードである。
(あとで調べるとYAMAHAのHPではエレクトーンとのことだった)
そのほかでは、Kitaraでは離れて置かれたチューブラー・ベル2台が隣接して配置されたのが目立った。

Kitaraでの好演を野外でどこまで再現できるのかという不安があったのだが、
エッシェンバッハは前夜を上回る熱の入った指揮ぶりで、アカデミー生、合唱団ともにそれによく答えたと思う。
総じて昨夜に比べて遜色がないどころか、上回るのではないかという場面も少なくなかった。
特にテンポの変化への対応は本番を1度こなしたためだろうか、
エッシェンバッハの身振りも大きくなったこともあり、よりこなれたものになっていたように思われた。
オーボエのガブリエルが前夜素晴らしかっただけに、午前中のハイドンで疲れたわけではないだろうが、やや調子が落ちる感じがした。
トーク・コンサートの予定を変えて練習を行ったバンダも万全とはいかなかったが大きな問題はなかった。

声楽陣では高い位置からプレイスの美しい声が聴こえてくるのが効果絶大。
この高低感はKitaraのCBブロックでは聴けないものだ。
パイプ・オルガン横にソロ二人を置いたのでは距離が遠かったかもしれないが、
この配置をKitaraで出来なかったのだろうか?

PAは相変わらず上質なバランスでコンサート・ホールで聴くのに劣らぬ音響を提供してくれたが、
さすがに最強音で音が濁り、割れた時があったように感じられた。
PAがらみでは終結部のパイプ・オルガンの響きがもう少し聴こえても良かったと思われた。

「復活」3連チャン、「大変でしょう」とブラックモアさんに言われたけれど、
息子の年の頃から、スコアとドイツ語辞典を手に聴いていた曲である。
自分には曲が見通せる分、去年の「トゥーランガリラ」2連チャンよりははるかに楽であった。

そのメシアンの時ほどではないが、やはり野外としては少ない聴衆で残念。
それでも、Kitaraよりもたくさんの方が立ち上がって拍手していた。

時折吹いた強い風は楽譜を飛ばす悪さをするほどではなく、
強い日差しも長続きしない曇りがちの天気は音楽を聴くには悪くない。

終演16:50

「ずっと、ゲームしてた。それにしてもうるさくない?今日の曲!」

「そうかい?かっこいいっしょ!」


2009年7月12日 17:10 Massa-'s Car

「最後我慢できなくて、トイレ行ってた」

「えっ?!そしたら最後の一番いいところ聴いてないのかい?」

「まあ、トイレでも聴こえたよ、うるさかったもの」

芝生席の無料入場者、気楽なもんだ・・・。


PMF2009 その4へ

PMF2009 その6へ

PMF2009 Topへもどる