PMF2007応援日記! その8


2007年7月22日 08:30 Massa-'s Home

おはよー!
えーっ!もうお出かけかい?
坊主も私以上に忙しそうだ。

んじゃ、行って来ますわ。


2007年7月22日 09:45 札幌芸術の森

今日も1時間足らずで到着。
アートホールは開館していて、10人ほどの聴き手を迎い入れていた。
先週より1時間遅いスケジュールだが、人の出足はやや鈍い。
コンサートのチケットには"PMFベルリン"とあるが、
管楽器のメンバーにはベルリン・フィルメンバーではない人も含まれる。
やはりウィーン・フィルの名前は大きいのか?
先週同様に最前列やや右寄りに陣取る。
気がつけば第1回目の聴き手はいつも見たような顔触れが前列にならぶ。


2007年7月22日 11:00〜 札幌芸術の森
 アートホール・アリーナ  ミニ・トークコンサート(その1)

最初は2台のヴァイオリンによるバルトーク。
民族舞曲を1・2曲ずつ解説しながら演奏した。
さすがベルリン・フィルメンバー、完璧なテクニック、堂々たる響き。
ただひとつ気になったのは、あまりにも二人の音が似ているものだから、
二人が鋭いアタックでぶつかりあっても、ソロを聴いているようで、
二重奏らしい楽しみが薄いように感じられた。

続いてはヴィオラにチェロ。
タイトルはよく聞くが演奏は接することのない曲を取り上げた。
冒頭こそ、二人のテンポがかみ合わない感じがしたが、
次第に息も揃い、コーダへ向けての掛け合いが楽しかった。
音そのものは先のヴァイオリンより細く大人しい感じだが、
ベートーヴェン若書き、内々の楽しみの音楽にふさわしいかもしれない。

最後はお目当て、コントラバスのシュトール。
時代の違う3つの作品を取り上げ、楽器の歴史的な面も語った。
低い音は鈍重にならず、高い音は威圧的にならない。
常に深く温かみの感じられる音はなかなか聴けないのではないか?
最初の2曲ではアカデミーから3人(美男美女!)が参加。
特にM.ハイドンのトリオでのヴァイオリン、チェロの美しさはこの日1番のものだった。
最後のソロはショスタコーヴィチの弟子の作品。
神妙なプレリュード、親しみやすいダンスと師の二つの側面を感じさせるものだった。

12:05終演


2007年7月22日 13:00〜 札幌芸術の森
 アートホール・アリーナ  ミニ・トークコンサート(その2)

2回目は2列目、横位置は1回目とほぼ同じ。
PMF公式HPにアップされた先週の2回目の写真は2列目まで写ってたっけ・・・。

いきなりお目当てのブラウ登場。
曰く"エンターテイメント"的ピースをお聴きいただきます。
予定に加えヘルメスベルガーの作品を追加して5曲。
手ごたえのある作品も聴きたかったが、見事なテクニック、やや肉厚だが洗練された音には脱帽。

次にブラームスのホルン三重奏。
実にまっとうなブラームスらしいブラームス。
この曲だけピアノは伴奏は午前中からたどたどしく(失礼!けれど可愛いから許そう・・・)
通訳をしていた赤堀が真摯かつ堅実にサポートしていた。

続いてはファゴットとクラリネット。
ルックスも、パフォーマンスも実に精力的。
メンデルスゾーンの音楽って前向きというと結構かっこいいが、
聴き方を変えれば結構お下劣っぽいところもあるよな・・・。
別に今日の奏者がお下劣とは言ってない、念のため。

次いでオーボエとファゴットによるジョリヴェ。
公式プログラムの写真の男前とは打って変わって、
ヒッピー(古いかしら?)のような風貌のオーボエ。
聴かれた音楽は容姿から予想できない丁寧な音楽。
ただしこのジョリヴェの曲については「よく知らない」んだそうでちょっと情けない。

最後に金管楽器によるブラッハーのディヴェルティメント。
「喜遊曲」というにはやや固めの音楽。

ブラームスを除いてピアノを弾いた沢木は、全般を通して手堅い演奏。
ソリストたちに遠慮しすぎか?もう少し自己主張をしてもよかったのではないか?

終演14:30


2007年7月22日 14:35 札幌芸術の森
       野外ステージ前 某売店

たった今売り切れました!申し訳ありません!!
また逃した、PMFおにぎりBOX。
来週こそ、ゲットだぜ・・・。


2007年7月22日 15:00〜 札幌芸術の森
 野外ステージ PMFO ジョルダン指揮

長蛇の列の途切れた頃に入場。前から6列目のセンター近くを確保。
暑さ対策にまずはミネラル・ウォーターを入手。
ここではお天道様は後頭部を直撃してくる。
それから、再度退場してビールと鶏の唐揚げで一休み。

最初はベートーヴェンの「レオノーレ」第3番。
ゆったりとしたテンポで、自然体ともいえる演奏だ。
ただし、ムーティのシューベルトで聴かれた弦楽器のずっしりとした響きはない。
ややライト級のベートーヴェンとなった。
フルート、トランペット等管楽器のソロはそつがなかったし、
コーダの入りのヴァイオリンもジョルダンのテンポがゆるぎなく決まっていた。
ちなみにコーダのIの9小節(562〜569小節)のホルンは木管を補強していた。

ヴィリのクラリネット協奏曲はミニ・トークで冒頭部を聴くことができたが、
旭川での本番を経て、シュミードルのソロはより自由で完成度が高かったと思う。
曲自体は特に奇をてらうところがないもので、響きも聴き易くて、
こうした野外コンサートにはふさわしいかもしれない。
ただ曲の作りが見え透いているというか、変化が乏しく決まりきっているようで、
聴き易いといえば褒め言葉だが、そこが逆につまらないとも言われそう。

休憩20分をはさんで、メストレのサン=サーンス。
曲の前半、確かにハープのソロが優雅で洗練されているといえばかっこいいが、
バックのオケはかわいそうなくらいつまらない感じでソロの影になっていた。
しかし、後半のたたみかけるような盛り上がり方は、
あの「オルガン付き」をふた廻りくらいスケールダウンした雰囲気もあって楽しめた。
メストレのソロは絶好調。我が国ではかなり人気者になってしまったけれど、
ハープのソロを身近に見て、聴ける彼の参加は例年の楽しみ。
連続参加を期待したい。
もし無理なら吉野さんの再登場とか・・・。

さて、前座が長かった(失礼!)、最後は「春の祭典」。
前回はデュトワ指揮PMFOで、もう5,6年前になろうか。
野外ではあるが、一週おいて「火の鳥」(2管)と「春祭」を聴けるのだからすごい。

冒頭、ファゴットのフェルマータ、これが結構長め、その後も自由な扱いだった。
これはどうなることかと思ったのだが、その後は比較的おちついたテンポ。
ベートーヴェンでも感じた、ジョルダンの安定したテンポ感覚が野外での演奏に多いに物を言ったようだ。
ただし落ち着きすぎて、通常の感覚とはずれが生じる場面もあったのも確かだ。
特に終結部の遅すぎるテンポは果たしてジョルダンの解釈か、アカデミーたちに限界があったのか?

全曲通してオーケストラの音は大変力強いものだった。
時折バランス面で変わった音が聴こえるのは、PAのせいかそれとも解釈からか微妙なところだ。
一番見事だったのは打楽器陣。
第1部大詰めの最後まで続くクレシェンドの迫力や、
第2部後半の数々の聴かせどころでの確信に満ちた演奏は、
昨年のアカデミーのふがいなさとは比較できないレベルの高さだった。
PAを通したためか響きがやや生々しく野暮ったく感じられたが、
聴き様によっては曲にふさわしいものだったかもしれない。

会期初めの頃、野外で少々たよりなく「観光列車」を叩いていたのとはずいぶんと様子が違った。
ティンパニは日本人女性。
昨年のドキュメンタリーで取り上げられた彼女、マーチング・バンド出身の自分の音に悩んでいたっけ。
チョン・ミョン・フンの「幻想」での村上さん以来の「やまとなでしこ」による名パフォーマンスだった。

木管ではesクラがちょっと不安定だったのが残念。
金管で注目はホルン、その咆哮の迫力はお見事。
弦楽器陣も前座(またまた失礼!)3曲とは重量感が違った。
個人レベルでは「落ちる」人もいたようだが、全体としてはジョルダンの指揮によくついていった。

ジョルダンの指揮について、テンポのことばかりになったが、
指揮振りは細かい部分の指示に以外とアバウトな様子も見られて、
実際のところはどうなんだろう?と思われた。
いずれにせよ昨年あたりの変な兄さんたちとは格上の人と見受けた。
ぜひともホールで聴いてみたい。
今年のPMF最大の掘り出し物といったら怒られるか・・・。

春祭までは日差しが強く、ちょっと椅子席で音楽を聴くにはちょっとつらかった。
後半は日も傾きやや心地よくなった。

終演17:10


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